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NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で官兵衛の正室、光を演じる中谷美紀さん=NHK提供
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NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で官兵衛の正室、光を演じる中谷美紀さん=NHK提供

中谷美紀:「軍師官兵衛」で妻・光を演じる 「戦国時代の女性の思いをきちんと表現したい」

 人気グループ「V6」の岡田准一さんが豊臣秀吉の軍師・黒田官兵衛役で主演を務めるNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」の第4回(26日放送)から官兵衛の最愛の妻・光(てる)が登場する。光を演じる女優の中谷美紀さんは「光は太陽のように官兵衛さんを照らす人。つねに明るく夫を支える現代においても理想的な女性」と役柄を表現する。中谷さんに、演じる光について、官兵衛を演じる岡田さんの印象などを聞いた。

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 黒田官兵衛は、戦国時代末期に“天才軍師”と称され、信長、秀吉、徳川家康の三英傑に重用され、九州・福岡藩52万石の礎を築いた人物。官兵衛が30歳のとき、39歳の秀吉と出会って意気投合し、義兄弟の契りを交わす。本能寺の変で信長亡き後は、官兵衛が秀吉を支え、天下取りを目指した。

 中谷さんが演じる光は、官兵衛の主君である小寺政職の縁戚・櫛橋家の次女。官兵衛とは政略結婚だが、それ以前に言葉を交わす機会があり、お互い憎からず思っていたという設定で、おてんばで率直に物を言い、戦で城を空けがちな官兵衛の留守をしっかりと守る黒田家の女主人となる。官兵衛が織田信長に帰順すると、毛利方についた実家が敵となり、また織田家に人質として差し出した嫡男・松寿丸(のちの黒田長政)が殺されそうになったりと、乱世に巻き込まれていく。生涯、側室を持たなかったという官兵衛の唯一にして最愛の妻。

 ◇撮影現場は「温かい方ばかり」

 中谷さんは今回が大河ドラマ初出演。「これまでは(大河ドラマを)自宅で拝見しておりました。そうそうたる熟練した俳優の方が出演されているという印象で、私のような若手が入っていくのは恐れ多い気がします」と謙遜(けんそん)しつつも、撮影現場は「温かい方ばかり。スタッフも優秀で明るい方が多いですし、監督も明るく私たちを導いてくださいます。1年間心地よく(ドラマを出演者みんなで)作れるように進めていきたいと思います」と前向きに取り組んでいるようだ。

 中谷さん自身と光の似ているところを聞かれると、「おてんばなところですかね(笑い)。光は登場シーンで木登りをしていて、官兵衛さんに『女だてらに木登りをしてはしたない』とたしなめられるんです」とちゃめっ気たっぷりに答えた。

 ◇岡田准一は「リーダーの器」

 主人公の官兵衛と光の関係について「官兵衛さんは月のように沈黙の中に威厳をたたえている人。光は太陽の光のように官兵衛さんを照らす人。明るくて朗らかなのが光の魅力だと思います。夫が戦で厳しい局面にいる中、つねに明るく夫を支えられる、現代においても明るく理想的な女性が光だと思います」と表現する。

 岡田さんが演じる官兵衛については「まず見た目がカッコいいですね。容姿端麗で冷静沈着。出会いの木登りの場面で官兵衛が自ら登ってヤマモモの実を取ってくれるシーンは光としてもときめきました。馬に乗って疾走するシーンも後ろ姿がカッコよくて、スタッフからもおおーっと歓声が上がりました」と光同様に魅入られた様子。

 また、夫婦の場面では「長男は生まれたけれど、その後、子宝に恵まれず悩む光に対して官兵衛さんが『子は授かりもの、気に病むことはない』と温かい心遣いをしていただきます。そして親を失った子供をもらいうけて家族のように育てるなど官兵衛さんは懐の大きな人。そういう男性に愛された光は幸せだと思います」と仲むつまじい様子が描かれる。

 岡田さん自身に対しても「官兵衛さんってずるがしこいイメージがありますが、そうではなく世の中を先まで見通して浮かれない人なのでは。冷静で頼りがいがある人だと思います。岡田さんも同じで、歴史にも詳しく、官兵衛を演じるべきして生まれてきたようなイメージ通りの方。現場では自分より若い方に目を掛けていて、子役の子たちにも優しく接してくださるリーダーの器の方だと思います」と絶賛する。

 ◇光は「上司として民衆を率いるような男勝りな女性」

 中谷さんは歴史上の人物では千利休が好きで、今回の出演のオファーがあった際には「私自身、とても大好きな時代のお話で、千利休さんと同じく秀吉を支えた黒田官兵衛の妻ということで喜びもひとしおでした」と快諾したという。

 ただ、10代から演じるため、「毎日、コットンにローションをしみこませてパックしたり、また1日2、3個ほど卵をいただいてたんぱく質を取るようにして細胞が元気になるよう心がけました。よく食べて、よく寝て、健康でないと、ドラマの現場は肉体労働ですから」と美容と健康に気を使っている。

 舞台となる戦国時代には女性はあまり活躍しない。「親兄弟が殺し合う血なまぐさい時代。だからこそ人の命の尊さが突きつけられると思います。光は毅然とした態度で夫や子供を送り出しますが、本当はどれだけの思いで送り出したのか。長男を信長に人質として差し出す場面は、台本を読んで涙が出ました。それでも送り出さなければならないという女性たちの思いを現代にきちんと表現しなくてはいけないと思う」と使命感を持っている。

 また、仕事を持っている女性として光に共感するといい、「女性の上司として民衆を率いるような男勝りなところを官兵衛さんが許しているのはこの時代ではめずらしいのではないかと思います。戦国時代には女性が社会で活躍することは許されなかった。そんな時代において光は城を守ることを託され、臆することなくできた女性。社会に進出する意欲のある女性として現代の女性にも共感してもらえるのではないでしょうか」と女性に向けてメッセージを送った。そして、今後も続く長丁場の撮影について「これだけ長い時間を費やして一つの作品を作るのは未知の世界ですので、大切に育んでいきたい。黒田家を守って夫を支え、家族を育んでいきたいと思います」と改めて決意を語った。

 大河ドラマ「軍師官兵衛」は毎週日曜午後8時(NHK総合)ほかで放送中。

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