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話を聞いた東京警察病院の澤田彰史医師
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話を聞いた東京警察病院の澤田彰史医師

ダイエット:「食欲の秋」は太りやすい? 医師が教える太りにくい体作り

 もうすぐそこにやってきている「食欲の秋」。秋は太りやすいというイメージがあるが本当だろうか? 東京警察病院の澤田彰史医師に、その真偽と太りにくい体作りの方法を聞いた。

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 澤田医師がいう太りにくい体とは「基礎代謝が高い体」。基礎代謝とは、運動などをしていなくても細胞を維持するためだけに消費されるカロリーのこと。1日に消費されるカロリーのうち、実に70%がこの基礎代謝。「人間は、寒くなればなるほど体温を保とうとして基礎代謝が高くなる」という。つまり、実は夏よりも秋や冬の方が太りにくい。しかし、秋に太りやすいというのは食事の量が増えたり、運動量が減ったりすることによる結果のようだ。

 ◇食べる順番ダイエットと朝ごはん

 太りにくい体作りのために澤田医師がすすめるのは「食べる順番ダイエット」。食物繊維、タンパク質、炭水化物の順で食事をするという方法で「余分な脂肪や糖分が食物繊維に吸着され、腸から吸収されずに便として排出されやすくなります。その分、太りにくい」と話す。「特に日本人の食物繊維摂取量は最近数十年で3分の2にまで減ったと言われています。日本人の1日の総摂取カロリー自体は実はほとんど変わっていないので、それでも肥満の人が増えているとすれば、食物繊維不足と無関係ではなさそうですね」とのこと。

 また「朝ごはんを食べることが大切」という。「太陽の光を浴びて目を覚まし、起きて1時間以内に朝ごはんを食べると、食事誘発性熱産生といって胃腸のスイッチが入り、“燃焼しやすい体”になります。また、朝ごはんをきちんと食べることで、昼食の量を無理なく自然と減らすことができます。そのため、“朝食抜きダイエット”はおすすめしません」と解説する。

 ◇運動は「階段で充分」

 さらに「適度な運動も大事」。しかし、「屋外の長時間の運動は紫外線も浴びてしまうし、激しい運動は活性酸素も生み出すので、ほどほどに」といい、普段から気軽にできる運動として勧めているのが階段を上り下りすることだ。

 「水泳のクロールと同じくらい運動強度が高いといわれていますから、普段使っているエレベーターやエスカレーターを避け、1日に5分間階段をのぼるだけで十分な運動量になる」という。また「筋肉の70パーセントは下半身にあるので、それを鍛えることで基礎代謝が上がります。それに加え、1日1万歩歩くようにすれば運動量としては充分」と話している。

 ◇水分摂取も忘れずに

 また秋になっても「水分を取ることが大切」と澤田医師。「最低1日1.5リットルは飲むようにしましょう。涼しくなってあまり水を飲まないようになると脱水症状になりやすい。水以外なら、緑茶がおすすめです。緑茶に含まれるカテキンはダイエット効果もありますし、がん予防にも効果があるといわれています。お茶の葉をまるごと飲む抹茶は、食物繊維も豊富でなおおすすめです」としている。

 この秋は、食事法や日常的な運動で太りにくい体を目指したい。

 <プロフィル>

 さわだ・あきふみ。1973年東京都生まれ。群馬大医学部卒。日本抗加齢医学(アンチエイジング)会専門医、日本形成外科学会専門医。NPO法人日本サプリメント評議会評議委員。東京警察病院形成外科に勤務しながら、他のクリニックや医療施設でも、美容外科手術、レーザー治療、やけど・にきび治療など幅広く医療に従事している。著書に「見た目年齢の9割は肌で決まる!30歳からのメンズ・アンチエイジング」(クリーク・アンド・リバー社)、「ぐ~たらな私の はじめてのアンチエイジング」(総合法令出版)、「ほうれい線は消せる!」(PHP研究所)などがある。自身の健康法としては「深夜0時までの就寝」と「通勤や院内での階段移動」、「置き換えダイエット」などをしており、以前は82キロあったメタボ状態の自身の体重を68キロ(マイナス14キロ)まで減らした経験もある。

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