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知花くらら:座右の銘は「哲学し、行動する花となれ」 女優業にも意欲

 2006年にミス・ユニバース世界大会で2位となったモデルの知花くららさんが、最新刊「くららと言葉」(講談社)を15日に発売する。知花さんにとって初の書き下ろしエッセーで、これまで出会った人々からの印象的な言葉を引き合いに、自身の人生観をつづっている。「言葉は、ときに人の人生をも変える大きな力がある」といい、「今の私を動かしているのは、素晴らしい出会いと、そんなすてきな言葉たち」と語る知花さんに、初エッセーを執筆した動機や座右の銘、そして今後の夢を聞いた。

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 ◇旅で出会った言葉「つづりたい」

 知花さんは、学生時代の留学体験や、07年から携わっている国連世界食糧計画(WFP)の活動などを通し、これまで30以上の国を訪問。今回、言葉に着目したエッセーを書こうと思ったきっかけを「さまざまな国に旅に出たことで、いろいろな方に出会いました。そして、そこでかけていただいた言葉が心に残ることがとても多くて」と語り、「つたない言葉でもいい、これまでの出会いを自分でつづってみたい(と思った)」と明かす。

 エッセーの中で大きなウエートを占めているのが、WFPで訪れた海外で出会った人々の言葉。WFPは、飢餓と貧困の撲滅を使命に活動する国連の食糧支援機関で、知花さんは07年にWFPのオフィシャルサポーターに任命され、13年からは日本大使を務めている。これまでザンビア、フィリピン、スリランカ、エチオピアといった貧困地域や被災地、紛争地域などを視察した。

 14年10月にはヨルダンを訪問。「シリア人の難民キャンプに行ったんですが、イスラム国の襲撃から逃れて、そのキャンプ地に到着したばかりのある家族にお会いして。私にとって緊急支援の現場は初めての訪問でしたが、彼らの話を伺って、まさに現在進行形なんだというのを実感しました。難しいところもありますが、だからこそ必要な支援でもあるということを強く感じました」と体験を語る。そして、「エッセーを書いたのは、WFPのことをもっと多くの方に知っていただきたいという気持ちもありました」と話す。

 ◇WFPの活動 友人の言葉が糧に

 WFPの活動では「私の視野も広がった」と話す知花さん。「外の世界を見ていなかったら、自分の中の苦しみや悩みが世界のすべてだと考えていたと思うんです。でも私が直面している問題ってたいしたことじゃないなって。物事をもっと大きく見て考えられるようになったことが、活動で得られた大きなことですね」と語る。

 大きなやりがいと気づきを口にする知花さんだが、一方で、WFPの活動をする上で「身近にロールモデルになる方がいなかったので、手探り状態の不安感がありました」と明かす。その状況の中で、知花さんを救い、背中を押したのはほかでもない友人からの言葉だったという。

 「最近いわれた言葉ですが、『やりたいことをやるんじゃない。できることをやるんだ』って。きっとこれを続けていくうちに後ろに道がおのずとできていたら、それはそれでいいんだと思えるようになりました。自分ができることを一つ一つ心を込めてやっていく。それが大事だと今は思っています」と話した。

 ◇座右の銘は「風姿花伝」から発想

 「言葉は私を形作ってくれているもの」と語る知花さんにとって、常に人生の指針としている座右の銘は、エッセーにも登場する「哲学し、行動する花となれ」。知花さんが、学生時代に「ふと思いついた言葉」だ。

 大学の卒業論文で、世阿弥の「風姿花伝」を参考にしたという知花さんは、「舞台の花を咲かせるにはどうすればよいかという、能役者への指南書。言い換えれば、人生が舞台だとすれば私たちは“舞台の花”を咲かせる役者。大学では哲学も学びましたが、そういう文献だったり講義からの学びも必要だけど、実際自分が外に出てみて経験したり出会わないと分からないことっていっぱいあるな、と思ったのがこの言葉につながりました。考えることと行動すること、そのどちらも一緒にやる。そういう自分でありたい」と言葉に込めた思いを語る。

 ◇私生活では母親願望も 「新たなステップに」

 この言葉は、当時から十数年たった今でも色あせないという。理想の女性像は「何歳になってもやりたいことがあって、周囲の人も引き込んでしまうパワーのある人に魅力を感じます。行動し続ける人でありたい」。そして、今後チャレンジしたいことに「芝居」を挙げ、「これまでやったことがないんです。芝居をすることで表現の幅をもう少し広げていきたい」とさらなる向上心を見せる。

 また私生活について「結婚や母親願望はあるか?」と水を向けると、「あります」と笑顔を見せる。「30歳を超えて(願望が)大きくなりました。最近、友人の出産も多くて。『くららはいつ?』って親友も聞いてくるので、いつかは(経験したいと思う)。まあ、こればっかりはタイミングだったり、縁だったりするので、まだ分からないですけど」と少し照れたような表情を浮かべつつ、「でも、母親になることでWFPなど、今の活動が違った視点で見られるようになると思うんです。私にとってはきっとまた違うライフステージのステップだと思っています」と今後を見据えていた。

 エッセーでは、これまで出会った国内外の人々や家族、趣味でもある読書で見つけた55の言葉をつづった。また、ユニセフ親善大使として活動しており、知花さんが憧れる黒柳徹子さんとのスペシャル対談も掲載されている。1500円(税抜き)。発売日の15日は、東京・新宿の「福家書店 新宿サブナード店」でサイン会を午後7時から開催する。同店舗の店頭で、商品代金と引き換えに整理券を枚数限定で配布している。

 <プロフィル>

 ちばな・くらら。1982年3月27日生まれ、沖縄県出身。上智大卒。06年4月に「ミス・ユニバース・ジャパン」に選出され、同年7月、第55回世界大会で総合2位に選ばれる。08年から女性ファッション誌「Domani」(小学館)の専属表紙モデルとして活躍。そのほかレギュラー番組やCMに多数出演中。07年からWFP(国連世界食糧計画)の活動を開始し、現在はWFPの日本大使としてアフリカなどで現地視察を行い、日本国内で積極的に現地の声を伝える活動を行っている。

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