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濱田マリ:演技、歌、語り、バラエティーで活躍「笑ってもらえれば安心」

 向井理さん主演の新春ドラマ「わが家」(MBS・TBS系)が4日午後9時から放送される。向井さん演じる主人公が勤める人材派遣会社の社長役を演じた濱田マリさんに、同ドラマの見どころや向井さんと共演した感想、最近の自身の活動について聞いた。

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 ◇向井理は切り替えが上手

 −−「わが家」は、家族の在り方というものについて問いかけるホームドラマですが、濱田さんはどうご覧になりましたか?

 家族というのは、いろいろな形があって。何も言わなくても分かる家族、言わないと分からない家族、言っても分からない家族。本当にいろいろな形があります。このドラマでは、家族みんながそれぞれの役割を果たしながら、たまに心の扉をぱかっと一斉に開ける瞬間が描かれています。本当なら、家族だから照れくさいと思うところでも、極力照れを隠しながら、分かり合えるのが家族です。きっといろいろな状況の方が、いろいろな思いでこの作品をご覧になると思います。まねをしろとは言いませんが、この作品を通してもう一度、ご自身の家族というものを見直していただけたらと思います。

 −−向井さんとは同じシーンで共演するのは初めてとのことですが、いかがでしたか?

 本当にカッコいいです! カッコよくて、しかも可愛い(笑い)。それに周りのキャストやスタッフに、細かな気遣いのできる方です。私が演じたのは、向井さん演じる主人公が勤める人材派遣会社の社長なのですが、会社内でのシーンを撮影する際に、ぽろっとちょっとした面白いことを言って、現場の空気を和ませてくださることもありました。

 撮影現場というのは、本番の撮影はあっと言う間でも、現場にいる時間はかなり長いわけで。向井さんは、現場でのたたずまいもそうですが、和やかに談笑しているところから、パッと役に切り替わるときの瞬発力をとても感じました。私なんかミーハーで、向井さんステキ!と思いながら、それを引きずったまま本番に入ってしまったりしていたのですが……(苦笑)。向井さん、ええスイッチ持ってはります!

 ◇男性を立てるのが女性の仕事

 −−ドラマの中では、壮絶な親子げんかのシーンや、ちょっとしたユーモアあふれるシーンなど、さまざまなシーンがありますが、どういったシーンが心に残りましたか?

 ケンカのシーンもそうですね。ぶつかって傷つくこともあると思いますが、共に時間を過ごしてきた親子であれば治癒能力は高い。雨降って地固まると言いますが、より一層固めてくれるのが、家族というものだと思います。そういう家族という関係の中からは、親しき仲にも礼儀ありとか、血は水よりも濃いとか、本当にいろいろな教訓を学ぶことができます。

 私も、母から教わったことで教訓にしていることがあります。それは、男の人を立てるということ。自分の旦那さんの悪口を言うマダムがたまにいらっしゃいますが、母はそういうのが本当に嫌いでした。男の人を下に見るとか、かかあ天下の家庭はあり得ないと。男女同権というのはもちろんですが、それを分かった上で女性が一歩下がるのが、私は美しいと思っています。

 うちは両親とも働いていましたが、実際に家のことはすべて母がやっていました。「一人で大変じゃないか」と聞いたことがありますが、家事はすべて自分がやると、結婚したときに決めたことなのだそうです。そこまでして夫を立てるのが、女性の仕事であり妻の仕事であると。そんな母の教えもあって、うちも家事は私がやっています。とはいえ、仕事と家事の両立は本当に大変ですから、心の底では「手伝ってほしい」って思っていますけどね(笑い)。時代もあると思いますが、なかなか母のようにはできないものです。でも、できる限り母の教えは守っていきたいと思っています。

 −−では、濱田さんにとって「わが家」とは?

 ドラマ「わが家」の中でも、田中裕子さん演じるお母さんが一人で暮らしている家に、家族みんなが集まって物語が展開します。そういう意味でも、お母さんがいるところですね。帰るところ、帰らなくてもいいところ、でもお母さんはそこにいる……。

 ◇いろんなことをやる方が気持ちが安定する

 −−話は変わりますが、濱田さんが今出演しているNHK連続テレビ小説「マッサン」で、キャサリン役が好評です。「わが家」もそうですが、人を脇で支えたりサポートする役柄がハマっていると思いますが、もともとそういったお人柄なんでしょうか?

 どうなんでしょう。いただく役と自分がリンクすることは、実はあまりないんです。台本をいただいて、自分のせりふを読んでいくうちに、その役が好きになっていく。まずその役を好きになるところから始まり、自分自身をその役に近づけていくという役作りをしています。

 ただ一つ言えるのは、私は人から拍手をもらうよりも、笑っていただく方が安心するということ。これは、関西出身という気質もあると思います。舞台では、それが目の前で手に取るように分かりますし、最近はSNSなどで、いろんな応援メッセージやホメ出し、ダメ出しをいただきます。そういう反応をいただくと、本当に報われたような気持ちになりますね。

 −−最近では情報番組「PON!」(日本テレビ系)の水曜レギュラーとして出演するなど、バラエティー番組でも活躍されています。濱田さんのお名前を検索したら、「マッサン」のキャサリン役のことと、1年ちょっと前に出演された「有吉反省会」の話題がたくさん出てきました。

 「有吉反省会」は、出たことはよかったんですが、あそこであんなに筋肉を見せてしまったことを、今、反省しています(笑い)。筋肉を付けたことについては、まったく反省していませんけどね。

 お芝居も歌もナレーションのお仕事も好きですが、バラエティーの現場も大好きです。ドラマなどの撮影ではしんどいときもありますが、バラエティーは苦しいことが一つもないので、楽しく出演させていただいています。いくつもの現場を掛け持ちしていると、「大変ですね」とか「切り替えができなくないですか」とか聞かれるんですけど、私はどっぷり一つの役につかるより、気分転換というわけではありませんが、むしろいろいろなことをやらせていただける方が、気持ちが安定していられます。

 ◇年末年始はカウントダウンにこだわる

 −−では最後に、「わが家」ではお正月のシーンで、その家ならではのお正月のならわしみたいなものが出てきます。濱田家のお正月はどんな感じなんでしょうか?

 うちは、カウントダウンにこだわります! 12月31日から1月1日に切り替わる瞬間、1秒でもズレたら意味がない。それこそ電話で時報を聞いて合わせるくらいします(笑い)。初詣で外にいた年もあって、意外とみなさんカウントダウンをしないんですね。なので境内に家族で集まって、携帯で時報を聞く係、カウントダウンを言う係、サンシャインの花火が時間通りに上がるかを確認する係を決めて、カウントダウンをしたことがあります。新年の瞬間がズレると、その1年ずっと気持ち悪いんです(笑い)。

 <プロフィル>

 はまだ・まり モダンチョキチョキズのメンバーとして1992年にCDデビュー。93年にシングル「ジャングル日和」がヒット。独特の声質でナレーターとして活動するほか、90年代後半から女優として、「アンフェア」「カーネーション」などの多くの人気ドラマや、ビートたけしさん主演の映画「血と骨」など多くの作品に出演。名バイプレーヤーとして存在感を発揮している。2012年の舞台の再演となる「菊次郎とさき」に出演し、2月末まで全国で公演を行う。

 (インタビュー・文・撮影:榑林史章)

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