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映画「さらば あぶない刑事」のワンシーン (C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会
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映画「さらば あぶない刑事」のワンシーン (C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

今週シネマ:29、30日公開の映画 「さらば あぶない刑事」「ブラック・スキャンダル」「残穢」…

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。30日には、俳優の舘ひろしさんと柴田恭兵さん演じる破天荒な刑事コンビが活躍するドラマ「あぶない刑事(デカ)」(通称・あぶ刑事)シリーズの完結編となる劇場版「さらば あぶない刑事」(村川透監督)、米俳優のジョニー・デップさんが伝説のギャングのボスに扮(ふん)し、米国史上最悪の汚職を描いた「ブラック・スキャンダル」(スコット・クーパー監督)、第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美さんの小説「残穢」が原作の映画「残穢(ざんえ)-住んではいけない部屋-」(中村義洋監督)、俳優の安田顕さんの主演映画「俳優 亀岡拓次」(横浜聡子監督)が公開される。

 「さらば あぶない刑事」は、2005年公開の前作「まだまだあぶない刑事」から11年ぶり、7作目の劇場版で、定年退職まで残り5日となった、舘さんが演じる“タカ”こと鷹山敏樹と、柴田さん扮(ふん)する“ユージ”こと大下勇次が、世界の闇市場を牛耳る中南米の犯罪組織「BOB」から横浜を守る姿が描かれる。最大の見どころは、タカとユージが無事に定年を迎えることができるのか、はたまた殉職してしまうのかという部分で、そんな2人の前に立ちふさがる最後の敵、キョウイチ・ガルシアとして吉川晃司さん、タカの最愛の恋人・夏海として菜々緒さんも出演。仲村トオルさんや浅野温子さんらおなじのメンバーとともに、1986年のテレビドラマ開始から約30年続いた同シリーズの終幕に華を添えている。

 「ブラック・スキャンダル」は、ギャングがFBI、政治家と手を組んでいた実話を基にしたバイオレンス作。デップさんは、アイルランド系移民が住む地域のギャングのボス、ジミーことジェームズ・“ホワイティ”・バルジャーを演じ、FBI捜査官のジョン・コノリー役でジョエル・エドガートンさん、ジミーの弟でマサチューセッツ州上院議員のビリー役で、ベネディクト・カンバーバッチさんも出演。薄めの頭髪に革ジャンの強烈なビジュアルで2011年に逮捕された伝説のギャングになり切ったデップさんの演技、次第に人間味を失っていく姿には身の毛もよだつほどで、デップさん、エドガートンさん、カンバーバッチさんの繊細な芝居によって、映画にどんどん引き込まれていく。

 「残穢」は、ミステリー小説家が奇妙な音がするという部屋に住む読者の女子大生から手紙を受け取ったことをきっかけに、2人で原因を調査すると驚きの真実が明らかになる……というストーリー。ミステリー小説家である「私」を女優の竹内結子さん、女子大生の久保さんを橋本愛さんが演じて初共演しているほか、佐々木蔵之介さん、坂口健太郎さん、滝藤賢一さんらが顔をそろえている。「ゴールデンスランバー」(10年)などで知られる中村監督だが、オリジナルビデオ「ほんとにあった! 呪いのビデオ」などを手がけ、恐怖にまつわる演出には定評がある。随所に挿入される回想や恐怖エピソードの再現シーンが恐怖をあおり、正攻法のストレートな表現で怖がらせてくれる。

 「俳優 亀岡拓次」は、「ウルトララブストーリー」(09年)以来7年ぶりに横浜監督がメガホンをとった長編で、37歳独身で脇役が多い俳優・亀岡拓次(安田さん)が巻き起こす出来事を“業界あるある”を交えつつユーモラスかつハートフルに描いた。主人公のひょうひょうとしたキャラクターと生きざまが魅力で、安田さん自身も多彩な役柄を数々の作品で演じており、亀岡とオーバーラップして見える。大作映画のような派手さはないが、劇中劇が差し込まれたり、亀岡の夢や妄想なども入り乱れたりして、トリップ感が味わえる。主人公が恋する居酒屋の女将を麻生久美子さんが演じているほか、染谷将太さん、工藤夕貴さん、三田佳子さん、山崎努さん、新井浩文さんらが出演。

 そのほか29日は、人気アイドルグループ「NMB48」の足跡を追ったドキュメンタリー映画「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」(舩橋淳監督)とアイドルグループ「HKT48」の指原莉乃さんが初監督を務めたドキュメンタリー映画「尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48」が公開。30日は、モーガン・フリーマンさんとダイアン・キートンさんが初共演した「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(リチャード・ロンクレイン監督)、シリーズ累計発行部数30万部を超えた実話マンガを映画化した「猫なんかよんでもこない。」(山本透監督)、「ソーシャル・ネットワーク」(10年)や「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ」(12、14年)で知られるアンドリュー・ガーフィールドさんが主演した映画「ドリームホーム 99%を操る男たち」(ラミン・バーラニ監督)が公開される。

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