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主演映画「溺れるナイフ」について語った小松菜奈さん
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主演映画「溺れるナイフ」について語った小松菜奈さん

彼女がキレイな理由:小松菜奈さん 大変な撮影 完成作を見て「ちょっと泣いてしまった」

 女優でモデルの小松菜奈さんが、俳優の菅田将暉さんとダブル主演した映画「溺れるナイフ」(山戸結希監督)が11月5日に公開される。10代の危うい恋と衝動を描いたラブストーリーで小松さんは、都会から父親の故郷に引っ越し、刺激がない田舎町での暮らしに落胆していたときに菅田さん演じる神主一族の跡取りのクラスメートと出会い、電撃的に恋に落ちる役どころを演じている。今作の撮影は「これまでで一番大変だった」といい、完成した映画を初めて試写で見たときに「ちょっと泣いてしまった」と明かす小松さんに、撮影の苦労や菅田さんとの共演、女優の仕事について聞いた。

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 ◇原作は人気少女マンガ

 「溺れるナイフ」はジョージ朝倉さんが2004年10月~13年12月に月刊マンガ誌「別冊フレンド」(講談社)で連載していた同名マンガが原作。コミックスは全17巻で累計発行部数は170万部を超えている。東京で雑誌モデルをしていた主人公の夏芽(小松さん)は、父親の故郷に引っ越し、刺激がない田舎町での退屈な暮らしにうんざりしていた。だが、クラスメートの先祖代々の土地を守る神主一族の子孫で跡取りの航一朗(菅田さん)と出会い、最初は反発しながらも引かれていく……というストーリー。夏芽と航一朗のクラスメート役はジャニーズWESTの重岡大毅さん、上白石萌音さんが演じている。

 ◇ファンの多い原作にプレッシャー

 今作の山戸監督は映画「渇き。」のスペシャルメーキング映像で小松さんに密着した作品を撮り下ろした。小松さんは山戸監督について「そのときから独特な監督さんだなと思っていました。メーキングなのに監督の一つのショートムービーをしっかり撮っている感じがして、割と時間もかかりました」と語る。今回の「溺れるナイフ」を山戸監督が撮ることになった際、「『よろしくね』って(山戸監督が)声をかけてくださって。そのときに、ああすごく大変な撮影になるんだなとビビッと(背筋が伸びて)来て。ちょっと気を引き締めなきゃという気持ちがありました」と当時の心情を明かす。

 原作のファンが多い作品で、「もちろん原作ものにはいつもプレッシャーがあるんですが、特にこの作品は(キャスト発表時から)ファンの方とかに『楽しみにしています』と声を掛けられることが本当に多くて。みんな待っていると思うと気が引き締まると同時に、プレッシャーも結構感じましたね」と当初の不安な気持ちを表現する。

 ◇撮影はこれまでで一番大変だった

 完成した作品を見て「現場のことを思い出しちゃって、最初の試写のときにちょっと泣いてしまったんです」と明かす小松さん。撮影中は「本当に大変だったんです。いままでの作品の中で一番大変だったと思うくらい。また、台本を見たときに、まず自分の名前が最初に来ているのを見て、それがうれしくもあり、プレッシャーというか、重いものも感じました。(菅田さんと)ダブル主演なんですが、最初に自分の名前というのが自分的にはぞわっと来ました」とこれまでにない気持ちになったという。

 撮影は昨年9月ごろだったというが、水に入るシーンが多く、「すごく寒かったです。ちょうど海に入るときに天候が悪くなってしまって。それでも撮影はしたんですけれど。そういうのがわりと続いたんです」と身体的な苦労もあった。

 ◇映画自体に熱を感じる

 改めて、完成作を見た時、「とても新鮮な気持ちになったことはよく覚えています。10代の危うい感情とか、映画自体に熱があって、圧倒的な映像のきれいさとか、自然の中で航一朗と夏芽が走り回っている、そんな画面上に出る熱量というか、エネルギーを感じました」と圧倒された。

 さらに、「恋愛映画という、そんな簡単な一言では表現できないものがあって。大人になってからああいう恋愛って絶対にできないと思うんですよ。10代だからああいう激しい恋愛ができるんだろうなと思って。あやうい感情の一瞬を切り取った凝縮された映像になっていて。映画を見たときに監督に対して、ちょっと悔しいというか、(すごい才能だなあと)嫉妬(しっと)に似た感情があって。私自身も今、この時期にしか撮れなかったと思います」と熱く語る。

 ◇菅田将暉とは2度目の共演で全幅の信頼を寄せる

 ダブル主演の菅田さんとは「ディストラクション・ベイビーズ」(16年)に続いて2度目の共演となる。「『ディストラクション~』では暴行シーンが本当に多くて。殴られるシーンでうまく自分でよけるとか、フりとかって逆に難しくて、私は当ててほしい派だったので、それを菅田さんに言ったら『もちろん俺もそのつもりだった』って言われて(笑い)」と役に向かう気持ちが通じ合っていた。

 「それが私的には気持ち的に楽で。私も全力でできるし、菅田さんも全力でやっていてくれるし。その居心地のよさが『溺れるナイフ』にもあって。もうあの(ディストラクション~での)現場をやってきたから何でも遠慮なくできるし、全力でできる。そういう絆というか、なんでもできるという気持ちがあって。たぶん菅田さんもそういうのがあったと思うんです。2人で助け合わないと生きていけないような現場だったので」とお互い全幅の信頼を寄せて全力で演じることができた。

 カメラが回っていないところでも、「今、こういうことに悩んでいるとか、ちょっと今日、うまくいかなくてとか、そんなことも現場が終わってから話したり。菅田さんのアドバイスを聞いて、明日も頑張らなきゃなと思いました。本当に尊敬しています」と撮影中は頼りにしていた。

 菅田さんに対しては「本当に多才な方で、お芝居もすごく上手なのに、ギターとかファッションでも服を作ったり、なんでもできるんです。菅田さんは『俺は本当に不器用だ』と言ったりしていますけど、自分には持っていないことを菅田さんが持っていることがすごく多くて、すてきだなと思います。そういう面ではすごく(役柄の)コウちゃん(航一朗)と似ているというか。現場でも目が離せない存在でした。夏芽のようにコウちゃんを必死で追いかけている自分がいました」と羨望(せんぼう)のまなざしを向ける。

 ◇柔軟性のある女優でいたい

 「溺れるナイフ」の撮影を経て自分でレベルが上がったこととして「精神力ですかね(笑い)。あの現場を経験したことで多分、これからなんでも越えられるなと思いました」と一皮むけたことを実感している小松さん。

 女優として今後、出演作が目白押しだが、「柔軟性のある女優さんでいたいなと思います。固定された演技というよりは、その場に行って監督の指示だったり、自分で考えていることが『こうである』と縛られるのではなくて、それを常に覆すような女優さんでありたい」と前向きに語った。

 次回は、女優、モデルとして活躍する小松さんの今後のスタンスや休日の過ごし方、美を保つ秘訣(ひけつ)などについて聞く。

 <プロフィル>

 こまつ・なな 1996年2月16日生まれ、東京都出身。2008年からモデルとして雑誌を中心に活動するとともに、テレビ、CMなどに数多く出演。中島哲也監督に見いだされて同監督の「渇き。」(14年)でスクリーンデビューを果たした。日本アカデミー賞新人俳優賞のほか、数多くの賞を受賞し注目を浴びる。その他の出演作に「近キョリ恋愛」(14年)、「バクマン。」(15年)など。16年には「黒崎くんの言いなりになんてならない」「ディストラクション・ベイビーズ」「ヒーローマニア-生活-」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」などが公開。また、マーティン・スコセッシ監督の「沈黙-Silence-」にも出演している。

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