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(左から)WEARを運営するスタートトゥデイの中川龍さん、SPRiNGの平澤梢編集長、スタートトゥデイの藤本真美さん
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(左から)WEARを運営するスタートトゥデイの中川龍さん、SPRiNGの平澤梢編集長、スタートトゥデイの藤本真美さん

SPRiNG×WEAR:ファッションアプリでコーディネートコンテスト 雑誌が人気ユーザーの「目標」に 前編

 人気女性ファッション誌「SPRiNG(スプリング)」(宝島社)と日本最大級のファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」がコラボした、ファッションコーディネートのコンテストがこのほど行われ、大賞にWEARのユーザーで、24歳のアパレル系会社員、Saya.(サヤ)さんが選ばれ、同誌6月号でモデルデビューした。同誌の平澤梢(こずえ)編集長と、WEARを運営するスタートトゥデイのマーケティング本部マーケティング部ディレクターの中川龍さん、同部WEARマーケティングブロックに所属する藤本真美さんにコンテストの裏側や、Saya.さんを選出したポイントなどについて聞いた。

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 コンテストは、ファッションブランド「センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」の協賛を得て「SPRiNG×WEAR“スプリングラマーコンテスト”supported by センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ」と題して実施。WEARに指定のハッシュタグを付け、コーディネートを投稿した人の中から「最もSPRiNGらしいおしゃれなコーディネートをアップした人」を選出した。Saya.さんは、同誌の公式インフルエンサー「スプリングラマー」として、誌面や公式インスタグラムなどにモデルとして出演する。

 ◇「ここまで迷うと思わなかった」ハイレベルな投稿が多数

 WEARは、モデルや俳優、ショップスタッフなどのコーディネートが見られるほか、一般のユーザーも自身のコーデを投稿できるアプリ。アイテムや、キーワードで投稿されたコーディネートを検索することもできる。

 ユーザーは20歳代から30歳代前半が多く、「SPRiNGの読者層と親和性が高い」と平澤編集長。「WEARユーザーの方にもっとSPRiNGを知ってもらいたいなという思いもありますし、ファッションを楽しむ若者たちをもっと盛り上げたいという気持ちも大きかったんです」と今回のコラボの意図を明かす。さらに「今回のコンテストで誌面に掲載されることが、一般のユーザーさんやWEARISTA(ウェアリスタ=WEAR公認の人気ユーザー)さんの次の目標になればという思いがありました。新しい活躍の場として提供できたら面白いなと思ったんです」と振り返った。

 WEARにも同様の考えがあり、中川さんは「WEARに積極的に投稿してくださっている方にとって、雑誌に出られるというのは非常に価値が高い。その特典があることで、コンテストがユーザーにとって大きなメリットになると思ったんです」という。また昨年、ファッションブランドとのコラボで、複数回、コンテストを行っており、「それが好評だったんです。今回、コンテストに雑誌というメディアがついた時に、どういう反応があるのかを知りたかったという点もあります」とコラボの狙いを話した。

 コンテストを実施したところ、応募数の多さもさることながら、「それ以上に質が高いことに驚きました」と中川さんは話す。SPRiNGらしいコーディネートの投稿が多く、その傾向は、ファッションブランドとのコンテストよりも顕著だったという。平澤編集長も選考に関しては「正直、ここまで迷うとは思っていませんでした。本当におしゃれな方にたくさん応募いただいて驚きました。質が高いなという印象を受けました」というほど、ハイレベルな投稿が多数寄せられたという。

 ◇大賞は「シンプルでそぎ落とされた」コーデ

 そんな中、今回、大賞を受賞したSaya.さん。投稿したコーディネートは、ボリュームスリーブのトレンチコートをブラックのベルトでウエストマークし、今年っぽさを出したスタイル。

 一見するとシンプルだが、平澤編集長は「彼女からは、自分のスタイルができあがっているというのを、はっきり感じられたんです。それも、ほかにいないようなシンプルでそぎ落とされたコーディネートで、自分に似合うものをよく知っているなという印象。彼女の(WEARの)アカウントも見たんですが、シンプルだけどセンスの良いコーデで、特に色を抑えたメンズライクなものを上手に着こなしていますね」と高く評価する。

 藤本さんも「自分の“サイズ感”をすごくよく分かってらっしゃる感じがします。もともとスタイルもいいんですが、ただのボーダーのカットソーも、Saya.さんが着るとかっこよく見えるような。着こなし方が上手ですよね」と称賛した。

 さらに藤本さんがSaya.さんの印象について「写真の色合いや洋服の感じが一番SPRiNGらしいなと感じました。宝島社さんの他の雑誌ともテイストが違って、完全にSPRiNGにドンピシャだなという感じ」と語ると、平澤編集長も「確かにそうですね。それと、投稿されたコーデもですが、彼女はパンツコーデが上手。SPRiNGもパンツスタイルが好きな読者が多い雑誌なので、そこも親和性が高いですね」と話す。そういった“SPRiNGらしさ”も評価のポイントになったようだ。

 今回のコンテストでは、Saya.さんが受賞した大賞のほかに、5人がグッドガール賞に選出され、同誌6月号の誌面にコンテストに応募した際のコーディネートが掲載された。グッドガール賞は5人中3人が主婦で、子供を持つ人もおり、コンテストが幅広い層から注目されていたことが分かる。

 Saya.さんが就任したスプリングラマーには、女優でモデルの阿久津ゆりえさんや、高山都さん、モデルの瀬田あかりさんらがおり、誌面やインスタグラムで活躍している。今後のSaya.さんの活躍に注目だ。

*……後編では、平澤編集長らが注目するファッションアイコンなどについて聞く

<プロフィル>

 ひらさわ・こずえ。名古屋市出身。男性向け雑誌の編集を務めた後、2010年に宝島社に入社。女性ファッション誌「InRed(インレッド)」の編集部を経て14年から現職。

 なかがわ・りゅう。東京都出身。2012年1月にスタートトゥデイ入社。WEARの設立時より、営業チームを統括。同アプリ導入の営業や、活用法のコンサルティング、公認ユーザー「WEARISTA(ウェアリスタ)」の管理を担当。

 ふじもと・まみ。熊本県出身。2011年4月にスタートトゥデイ入社。同社のメディアサービス運営、ZOZOTOWNの公式SNS等の担当を経て、2013年からWEARに参加。同アプリの著名人を含む公認ユーザー獲得の営業や、サービス運営などを担当。

 *SPRiNG……1996年に創刊。2014年に30歳前後の「おしゃれで知的な文化系女子『グッドガール』」をターゲットに大幅にリニューアルした。コンセプトは「シンプルおしゃれが好き!」。16年上半期(1~6月)の雑誌販売部数で、月間平均売り上げが10万部を超え、前年比217%を記録した。

 *WEAR……2013年にサービスを開始したファッションコーディネートアプリ。世界各国の人気ショップスタッフや一般ユーザー、モデルやデザイナーなどが投稿した600万件以上のファッションコーディネートから、アイテムやキーワードなどでコーディネートを検索、投稿できる。現在、900万ダウンロードを突破している。

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