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川井郁子:女性向け番組のテーマソングを制作 「どんな場面も美しい」

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 バイオリニストの川井郁子さんがこのほど、CS放送「LaLa TV」で放送中の女性にスポットを当てたドキュメンタリー番組「あなたがヒロイン!」のテーマソング「時の雫」を手がけた。番組では特別編として、川井さんの同曲制作の舞台裏や日常生活にも密着。「夢や葛藤など何か心の中に秘めながら、自分らしく頑張る女性の方にぜひ聴いていただきたい」と語るテーマソングに込めた思いや、シングルマザーとして奮闘する川井さんの日常生活などについて聞いた。

 「あなたがヒロイン!」は、視聴者から自薦・他薦で寄せられた情報を元に、一般女性たちの日常に密着し、その姿を追いかけるドキュメンタリー。ナレーションを俳優の石黒賢さんが担当し、毎回さまざまな環境で葛藤し、懸命に生きる「ヒロイン=女性」たちの人生のドラマチックな瞬間を切り取っている。

 ◇光と影は「表裏一体」

 番組は2012年1月から放送しているが、川井さんは今回、番組初となるオリジナルテーマソングを制作した。10月1日から放送されている川井さんをフューチャーした特別編では、試行錯誤しながら自宅で作曲する姿が映し出されている。その中で「女性の光と影を描きたい」と語っている川井さん。テーマソングには「人生の中で引き出される女性の多面的な神秘性を描きたい」という思いがあったという。

 川井さんは「私もそうですが、仕事や恋愛、出産など、さまざまな場面で、思いがけない自分を発見することがある。日々戦っていて、主観で見ると決して美しいとはいえない悲しみや切なさ、不安を感じながら生きているんですが、俯瞰(ふかん)すると、立ち向かう姿や経験をしたことで成長していく姿は美しいもの。その両面を曲に込めたいと思いました」と意図を語る。

 その上で、川井さんは「光と影は表裏一体」といい、「私の場合、影は孤独感や劣等感。つねに払拭できないもの。でも、それがあるからこそ頑張らずにはいられない。影があるから光が味わえる」と語る。そして、光は「娘の存在」だと続ける。

 ◇子供が生まれて「人生が肯定された」

 川井さんは、現在、8歳になる一人娘を抱えるシングルマザー。「大変なことや心配事は尽きませんが、娘が生まれたことで、自分が生きていることへの肯定感みたいなものを得られました。孤独感というのは単に人と交わっていたいというものではなく、人に肯定されないと不安。劣等感も同じですが、そこが大きく変わりました」と語る。

 番組では、愛娘との日常にも密着。外見は「よく似ているといわれます」と話すが、「性格ではまったく似ていないところもある。そういう発見ができるのが日々楽しい」といい、「娘は本が好きなので、オフタイムは図書館や書店に一緒に行くことが多いのですが、私は物語が好きなのに、娘は宇宙や人体、植物など図鑑に興味を持っていて。私と似すぎていると同じような悩み方をするんじゃないかと心配ですが、その点では頼もしいなと感じています」と目を細める。

 川井さんは、そんな母としての日常を「素朴や地味だとよく言われます」と笑い、今回の番組での密着を通して、「演奏している私しかご存じない方にも普段の私も知っていただけたら」とアピールする。しかし、一方で「それは半分の私であって、ステージ上では、情熱だったり、官能的な部分であったり、人を魅了したい私がいます」と女性としてのもう一つの顔をのぞかせる。

 ◇母、そして女性としての私

 「普段の私は自分が心地いいのが一番。でも、心の中に別の女性がいて、普段見せてはいけない私がいる。それをステージ上で表現して、そのギャップを楽しんでいます」といい、美しさの秘訣(ひけつ)を「気持ちのエネルギーを高い状態にしておくことが一番大切。ときめきを持つとか、そういうことでいい循環が生まれる」と語る。

 「娘が同い年の子供たちだけの時間を必要とするようになってきたんですが、私もママ友と子供抜きの話題で楽しんでいます」と互いの変化を語り、「子連れではない、自分を解放するような旅行をしたいと思っています」とも話す川井さん。

 現在の夢としては「曲を作って演奏するだけではなく、ストーリーを作ったり、ダンスなど音楽以外のアーティストと組んだ音楽舞台を作りたい」といい、「来年の秋にはパリ・オペラ座での公演も決定していますし、海外の人に“和”を感じていただけるようなステージも作りたい」と、さらなる飛躍を誓っていた。

 川井さんが出演する「あなたがヒロイン!」特別編は12月30日まで放送中。

 <プロフィル>

 かわい・いくこ。香川県出身。東京芸術大卒業。同大学院修了。現在、大阪芸術大学芸術学部教授。国内外の主要オーケストラへの出演のほか、ジプシー・キングスなどのポップス系アーティストやバレエダンサーの熊川哲也さんらとも共演。作曲家としても活躍しており、2012年公開の映画「北のカナリアたち」では音楽を担当し、第36回日本アカデミー賞で最優秀音楽賞を受賞した。現在、テレビ番組「100年の音楽」(テレビ東京系)、ラジオ番組「川井郁子ハートストリングス」(ニッポン放送)にレギュラー出演中。

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