女優の米倉涼子さん(40)が主演するスペシャル時代劇「かげろう絵図」(フジテレビ系)が8日午後9時から放送される。ドラマは大奥を舞台とした歴史サスペンス。米倉さんが時代劇に出演するのは、2003年のNHK大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」以来で、主演は初めて。「時代劇にあまり興味がなく、どちらかというとミュージカルなどに興味を持っていました。今回、日本人にとって時代劇の大切さを改めて知りました」と語る米倉さんに、撮影について話を聞いた。
「かげろう絵図」は、松本清張さんの小説が原作。江戸後期、世間を騒がせた一大ゴシップ“感応寺事件”をモチーフにしている。江戸城・大奥の支配をもくろむ巨悪の腐敗に迫るため、毒々しくも華やかな大奥に身一つで潜入することになった米倉さん演じるヒロイン・縫(ぬい)の活躍を描く。
これまで、「黒革の手帖」をはじめ、数々の松本清張サスペンスで主演してきた米倉さん。今回は「松本清張の時代劇」ということでオファーを受けたという。大奥らしい豪華な衣装や着物も着こなしているが、「着物の作法を知らなくて、撮影所の方たちに力添えをいただきました。こんなにも知らない世界が大きいのかと、情けなく思いました」と素直な気持ちを打ち明ける。
着物に着替えることで「その時代に入れるようになった」と気持ちの変化を感じたといい、「とても新鮮な生活を送っていました。何も知らないまま(撮影に)入ってみたけど、知ると早く現場に戻りたくて仕方がなくなりました」と笑顔を見せる。共演した徳川家斉(いえなり)役の津川雅彦さんからは「時代劇についていろいろと教えていただきました」といい、「心の支えでしたね」と振り返った。
しかし縫の年齢が20代という設定であることから「(40歳なので)いろいろしんどかったですね」と苦笑する。なかでも津川さん演じる家斉とのシーンを述懐し、「『うい奴じゃ』と言われるせりふがあったのですが、さすがに恥ずかしかったです」と照れ笑いした。また真剣を使った居合のシーンにも挑戦したといい、「意気込みすぎてギックリ腰になりました」と明かしていた。
また、美しいプロポーションを維持する方法について聞くと「食事(制限)はやらないんです。みなさんに驚かれるぐらい食べるんです。それを補うために運動をしています」とにっこり。しかし、「最近、イスに座ってられないぐらい座骨を痛めてしまって、新幹線も座っていられず立っていました。だからちょっと運動は控えています」と近況を明かしていた。
米倉さんは「女優という仕事は、正解を見つけられないところにとても魅力を感じています」と言う。「いろいろな役を演じられないといけないという、瞬発力が求められる」といい、今回の時代劇について「そういう意味では、すごく勉強になりました」と笑顔を見せた。