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稲垣吾郎:南伊勢での撮影に「おっかなびっくり」 香取、草なぎと主演映画を並んで見る?

 稲垣吾郎さんの主演映画「半世界」(阪本順治監督)が15日、公開される。阪本監督が脚本も手がけたオリジナル作で、人生の折り返し地点を迎えた3人の男の友情を描く。稲垣さん演じる39歳の炭焼き職人・高村紘が同級生との再会や言葉をきっかけに、仕事や家族と真剣に向き合う決意をするが……というストーリー。稲垣さんにとって独立後、初の単独主演映画となる。稲垣さんに、三重県南伊勢町で行われた撮影や役どころについて聞いた。

 ◇近鉄で南伊勢へ「土地のおかげで役になれた」

 稲垣さんが、阪本監督の作品に出演するのは今回が初めて。稲垣さんは「香取(慎吾)君が(阪本監督の)『座頭市 THE LAST』や『人類資金』に出演していますし、初期の作品から見ています。すごく骨太で社会派な作品なので、僕がその世界に居ていいのかなと思ってしまいますね」と出演は憧れだったと語る。現場には、20~70歳ぐらいまで、さまざまな年齢のスタッフがいたといい「みんなプライドを持って、それぞれが尊重し合って、職人の集まりという感じでした」と振り返った。

 南伊勢町での撮影は、昨年の2月ごろに行われた。稲垣さんは1週間程度滞在して、同作の撮影をし、別の仕事のため東京へ戻り、また南伊勢町に1週間程度滞在することを数回繰り返しながら撮影に臨んだ。

 稲垣さんにとって南伊勢町は初めて訪れた場所で、「最初はおっかなびっくりだったんです。東京生まれ、東京育ちなので、旅行はいいけど、滞在するというのが……」と繊細な一面を見せる。しかし近鉄線で通い、滞在するうちに「すごく助けられました。土地のおかげで、ここに住む人になることができたと思います。(近鉄に)乗っていると毎回、だんだん(撮影の)モードに切り替わっていって」と役作りにもいい影響があったようだ。

 滞在中は、毎朝5~6時ごろに起き、夜遅くまで撮影が続いた。忙しい中でも「ホテルから見る朝日がすごくキレイで、暗い中から日が昇るのを見ることを日課にしていました。夕方に撮影が終わって、次の日も昼からというときがあって、その時は川の周りを散歩したり、港の方に行ったり、けっこう歩きました」と南伊勢町を楽しみ、「今度は旅行でじっくり味わいに行きたいなと思います」と目を細める。

 ◇これまでで一番重いもの運ぶ役? 備長炭に思い入れも

 稲垣さんが演じた紘は、妻と反抗期の息子がおり、山中の炭焼き窯で一人で備長炭(びんちょうたん)を作って生計を立てている……という役どころ。炭焼きという、なじみの薄い仕事は、撮影のために釜を貸した炭焼き職人から指導を受けた。「すごく興味深い作業でした。火や熱に圧倒されて、怖くも感じるし、美しくも感じる。(炭焼きのシーンを)映画の中に収められたのは本当によかった。映画の見どころの一つでもあります」と感慨深げだ。

 山で備長炭の原料のウバメガシを伐採するシーンもあり、慣れないチェーンソーも扱った。ウバメガシの丸太を結ってトロッコで運ぶ作業には苦労したといい「重かった……。これまで重いものを運ぶ役がなかったので」と笑わせながら、「こういう経験は仕事の醍醐味(だいごみ)」とにっこり。「備長炭は皆さんにも注目してほしいですね。生活にも取り入れてほしいですし、なくしてはならないもの。広めていければ」と考えている。

 また自ら「僕にはまったく経験がないこと」と語る通り、父親のイメージはないが「今回はオールロケだったので空気感が僕を父親にしてくれました。家にいて、池脇(千鶴)さん演じる奥さんがいて、子供がいて……。演技や技術、話し方というよりも、気持ちの方が大切だったので、自然に(演じられた)」と手応えを感じている。

 ◇香取&草なぎの「反応楽しみ」

 稲垣さんとともに取材に応じた阪本監督は、稲垣さんについて「(撮影を通して)お互い分かり合えたと思う」と強い信頼関係をうかがわせる。また「(稲垣さんは)近寄りがたいものはある。でも撮影中は遠慮はしませんから『吾郎』と呼んでいました」と語ったが、稲垣さんは「今日は『稲垣君』って言ってますよね。今気づきました! せっかく距離が縮まったのに」と突っ込み、笑いを誘った。

 2017年に香取慎吾さん、草なぎ剛さんと「新しい地図」をスタートさせた稲垣さん。今回の出演について2人と話したかと聞かれると「昔から僕らは直接伝えることがあまりなくて、時に新聞で知ることもありました。それくらい忙しかったのかもしれない」と前置きしつつ、「今回は香取君に話をしました。(香取さんから)阪本監督の話をずっと聞いていたので。『現場どう?』『楽しくやってるよ』という他愛もない会話ですけど」と明かし、「2人はこれから見てくれると思う。反応が楽しみだし、横に座って一緒に見たいですね。でも緊張しますよね」とちゃめっ気たっぷりの笑顔を見せていた。

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