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日本の名湯・番外編:台湾・礁渓温泉 宜蘭の伝統文化と日本の文化をミックス 礁渓山形閣温泉飯店

 台湾の北東部、宜蘭(ぎらん)県の田園地帯が広がる平野に、礁渓(しょうけい)温泉がある。その温泉街に2018年5月にオープンしたのがラグジュアリーホテル「礁渓山形閣温泉飯店」だ。宜蘭の先住民であるカバラン族の刺しゅうがルームウエアに施されていたり、山形県とパートナーシップを結んでいたりと、宜蘭の伝統文化と日本や西洋の文化を取り入れているのが特徴だ。

 日本式の大浴場には、台湾・花蓮産の大理石の大きな浴槽が泉温別に並ぶ。女湯には宜蘭産ヒノキ造りのサウナがあり、男湯には緑あふれるテラスがある。たまった皮脂や角質を取り除き、きりきず、末梢(まっしょう)循環障害、冷え性、皮膚乾燥症などの改善に効果が期待できる泉質だ。湯上がりには、潤いの感じられるなめらかな肌に。

 客室は木や大理石をふんだんに使ったナチュラルで居心地の良い空間。畳敷きの和室リビングが付いた洋室や、1室限定の洞穴をイメージした洋室などさまざま。1000リットルの温泉が入る大きな浴槽が付く。

 最上階の展望レストラン「米澤」からは、美しい田園風景がとてもよく見渡せる。遠くには亀山島も見える。夕食のコース料理には、刺し身やステーキ、薬膳スープといったシェフの創作料理が並ぶ。海にも山にも近いため、食材は豊富で新鮮だ。注目したいのは、温泉野菜。礁渓温泉周辺では、ミネラル豊富な温泉を利用した温泉農法が盛んだ。濃厚な旨味のネギは、台湾で人気がある。豚や鴨(かも)もおいしい。

 ホテル名は宜蘭県の雪山山脈と中央山脈の稜線(りょうせん)と、山形県にちなんだ。ロビーには同県の米「つや姫」や酒蔵の酒、山形家具などが展示されたコーナーがある。

 <プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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