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三吉彩花:「失敗は怖くない」 憧れは「アクションもこなせるカッコいい女優」

 女優の三吉彩花さんが、阿部純子さんとダブル主演を務めた映画「Daughters(ドーターズ)」(津田肇監督)が9月18日に公開された。映画は、東京・中目黒でルームシェア生活を送り、自由を謳歌(おうか)する27歳の2人の女性が、一方の予期せぬ妊娠をきっかけに、戸惑いながらも少しずつ前に進んでいく姿を、色彩豊かな映像と音楽でつづっている。近年、主演作が続いている三吉さんに、撮影の舞台裏や目指す女優像、女性が輝き続けるための秘訣(ひけつ)などについて聞いた。

 ◇ルームメート感を出すために「撮影前から阿部さんと部屋でゴロゴロ」

 映画「Daughters」の脚本・監督を担当したのは、ファッションイベント演出家で映像作家の津田肇さんだ。オファーを受けた際の心境について、三吉さんは「津田監督とはTGC(東京ガールズコレクション)のお仕事でも関わりがあったんですが、これまでファッションをメインに活躍されていた方が、初めて映画に挑戦されるというのが、すごく面白そうだなと思って」と振り返る。

 今作は東京・中目黒でルームシェア生活を送る友人同士の小春(三吉さん)と彩乃(阿部さん)が主人公。「台本を読んだ直後は小春と彩乃がどんな関係性でどのように映るのか、なかなか想像できなかったのですが、どこか昔のフランス映画みたいな感覚もあって。ずっとやってみたいと思っていたテイストに近かったので、そこにも引かれました」と語る。

 彩乃を演じる阿部さんとは劇中でルームシェアをしている設定だったことから、「リアルな雰囲気を出すためにも『あの部屋でご飯でも食べようよ』ってクランクイン前に純ちゃん(阿部さん)を誘い出して、舞台になった部屋でゴロゴロしながら他愛もない話をしつつ、半日過ごしたこともありました。ですが、そのかいあって、撮影時に自然と『ただいま』という、家に帰ってきたような気持ちになれたんです」と舞台裏を明かす。

 彩乃の妊娠をきっかけに2人の間に微妙な感情が生まれるが、「せりふではなく、表情で見せていくようなシーンがたくさんあったので、今回はあまり役を作り込まずに純ちゃんのお芝居を全力で受け止めて、全力で返すことだけに集中するように心がけました」と振り返る。

 「最初、純ちゃんは最初すごく人見知りな感じがしたのですが、いざ話してみるとお互いに気になることが同じだったりして、とても波長が合ったんです。2人の中では、小春と彩乃のキャラがお互い逆の方が合っているイメージだったんですが、演じるうちにだんだん私も小春の気持ちがつかめてきて、最終的には、どこか純ちゃんと私の両方の性格がミックスされた『2人で1人』のような感じになりました(笑い)。きっとその雰囲気が、映画の小春と彩乃にも投影されているのではないかな」と自信をのぞかせる。

 ◇最初から完璧にできてしまったらつまらない

 2019年に、ミュージカル映画「ダンスウィズミー」(矢口史靖監督)、2020年に、ジャパニーズホラー「犬鳴村」(清水崇監督)で共に主演を務め、女優として演技の幅を一気に広げた三吉さん。「ダンスウィズミー」は、歌も踊りもマスターしなければならないプレッシャーで「とても大変でした」と吐露しつつも、「あの現場を経てすごく学んだこともあります。新しいことに挑戦するのは、とても勇気がいることではないですか。最初から完璧にできてしまったら、逆につまらないなと感じるようになってきて。失敗して、学んで、それを糧にしながら頑張っていける人になれたらと、思うようになりました」と成長の跡を見せる。

 憧れの女優は「アンジェリーナ・ジョリーやクリステン・スチュワートみたいに、リアルなお芝居が上手で強い女性が好き」だといい、「最近は『ラ・ラ・ランド』や『アメイジング・スパイダーマン』に出演しているエマ・ストーンも気になります。私はもともとアクションが大好きなので、いつかカッコいい役にも挑戦してみたい。海外で製作する作品にもとても興味があります」と意欲を見せる。

 ◇女性が輝き続ける秘訣は?

 女性が主人公の映画にちなんで、「女性がいつまでも輝き続ける秘訣(ひけつ)があるとしたら?」と尋ねると、悩みながらも「少しでも気になったら、臆せず挑戦してみることかな」と答えた三吉さん。

 自身も「20歳前後のころは、モデルや女優の仕事を続けることに対してものすごく悩んでいた」と明かし、「失敗するのが恥ずかしくて、『絶対失敗しないように……』って、自分で自分にプレッシャーをかけすぎてしまって、それがストレスになっていたんです。ですが、年齢を重ねるうちにだんだん失敗するのが怖くなくなってきて、むしろ『失敗すら楽しめる人になりたい』と思うになりました。仕事に対する意欲とか、人生を楽しむ上での貪欲さみたいなものは、これからもずっと持ち続けていたいと思っているんです」と真摯(しんし)に語った。

 (取材・文・撮影/渡邊玲子)

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