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日本の名湯:健康と環境に配慮した旅館 おとぎ話テーマの食事も 福島県・須賀川温泉「おとぎの宿 米屋」

 コロナ禍で世界が落ち着かず、いまだ緊張が続く日々。凝り固まった心や体をほぐしてくれる温泉はいかがだろうか。福島・須賀川温泉「おとぎの宿 米屋(よねや)」は、宿泊客の健康と環境への配慮をしている温泉宿だ。

 食事には、自社農園で栽培している無農薬・無肥料野菜や、近隣で生産される有機栽培・無農薬栽培の農産物、有機認証の調味料・加工食品などを使用。客室にはオーガニックコスメを用意し、CO2の排出量削減にも取り組んでいる。

 温泉は、上質な緑茶のように黄緑がかった透明色で、とろみと体にまとわりつくようななめらかさがある極上の湯。鮮度にこだわり、空気に触れずに浴槽の底から湧き出すようにした。源泉の恵みを全身に浴びられる源泉ミストサウナは、温泉につかる前に使うと汗をかきやすくなるそうだ。シャンプー類ももちろんオーガニック。脱衣所には、入浴前後の水分補給のため、よく冷えた米屋の地下水もある。また、フランスのオーガニックコスメ「YON-KA(ヨンカ)」のスキンケア商品の一部を使えるのもいい。

 温泉は、大浴場だけでなく全客室にもある。本館は内風呂、別館は露天か半露天だ。扉を開けると、温泉らしい硫黄の香りがただよう。余分な皮脂や角質をとりのぞいてくれる効果が期待できるため、湯上がりにはしっとりとなめらかな肌が期待できる。

 客室は、リビングとベッドルームに分かれた和洋室。漆喰(しっくい)の壁や障子などによく合う、チャールズ・イームズや長大作(ちょう・だいさく)など国内外の人気家具デザイナーの椅子を設置。ほどよい硬さのベッドと肌ざわりのいいリネンが、深く心地よい眠りに誘ってくれる。

 食事は「かちかち山」「みにくいアヒルの子」などの話をテーマにした「おとぎ会席」。メニューは季節ごとに変わり、「デザートまで食べるとストーリーが完結する」という趣向だ。食材は、米一粒までオーガニックにこだわった。福島をはじめとする東北の素材を使い、郷土料理を織り交ぜながら作られており、目で舌で日常を忘れさせてくれる。食事にちょっとしたクイズが隠れているのも、遊び心があっていい。

 <プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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