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私が30歳のころ:南果歩さん 30歳は「もうではなく、まだ30歳と考えて」 瀬戸内寂聴さんに勇気をもらった言葉も

 第一線で活躍する著名人の「30歳のころ」から、生きるヒントを探します。第3回は女優の南果歩さん。当時の思い出や、アラサー時代をより輝かせるためのアドバイス、2月4日に発売する自伝エッセー「乙女オバさん」(小学館)について聞きました。(全3回、編集・取材・文/NAOMI YUMIYAMA)

 結婚、出産、キャリア……。選択肢が多いアラサー時代は、いろいろ悩みが多い時期。もうすぐ初の自伝エッセー「乙女オバさん」が出版される南さんに、30歳の女性が生き生きと過ごすためのアドバイスを聞いた。

 「もう30歳と思っているかもしれないけれど、“まだ”30歳ですよ!」と、南さん。「すでにたくさんの人生経験を積んでいるし、体力もあるし、好きなことをやってほしいです。20代から引き続きやり続けるというのもいいことだけれど、新しいことを開拓していくのも、アラサーなら十分スタートが切れると思います」と語る。

 ただ、何かを始めたくてもどこから踏み出していいのかわからない、という人も多いはず。そんな人には、「自分の“生活半径”から出ることがいい作用を生むと思います」と、提案する。

 「私の場合は友達を頼って、海外で暮らしたことがすごく良かった。でも、今は状況的にも難しいですよね。たとえば自然に触れるとか、古い友人を訪ねてみるとか……何でもいいんです。とにかく“自分の場所から出る”ということをお勧めします!」

 ◇傷ついたことは自分の栄養になる 勇気をくれた寂聴さんの言葉も

 国際的な女優の仕事、バンド活動、エッセーの執筆……。58歳の今の人生を思い切り楽しんでいる南さん。彼女のように「チャーミングな大人の女性になる方法」を尋ねると、「好奇心を持つこと」と話す。

 「私自身、少しでもやってみたいなと思ったら、まずやってみる派です。一度やれば、それが自分に合ってなくても、次の段階にちょっと進める。やってダメだったら手放せばいいし。やりたいことはまずやってみる、というのがいいのかなと思います」

 うまくいかず失敗したとしても、「傷ついたことは、自分の栄養になると思いますよ」と、ほほ笑んだ。「だから、恐れずにやったほうがいいです。やりたいと思ったことはやり尽くす。やらない後悔より、やった後悔の方が絶対いいと思うんです」

 そして、長年交流のあった故・瀬戸内寂聴さんに勇気をもらったエピソードも。

 「寂聴先生は、お会いするといつも私の年齢を忘れているんです。そのたびに「今、○○歳です」とお伝えすると、「○○歳!いいわね~、あなた。恋も仕事もまだまだこれからよ」っておっしゃってくださって。寂聴先生のように、年齢が上の方にそう言っていただくと、確かにそうかも!と思えますよね(笑い)。だから私もアラサーの方たちに伝えたいんです。ここからが楽しいですよ! だって“まだ”30歳なんですから」

 ◇プロフィル

 みなみ・かほ 1964年生まれ。1984年に映画「伽や子のために」(「や」はにんべんに耶)の主役でデビュー。映画、テレビ、舞台などで活躍。2022年はAppleTVのドラマシリーズ「PACHINKO」、ブリランテ・メンドーサ監督の「GENSAN PUNCH」、ダニエル・デンシック監督の「MISS OSAKA」が公開予定。

 *……「乙女オバさん」(小学館)▽著:南果歩▽2度の結婚、突然の病、そして大切な人との別れ――女優・南果歩が書く、うつむきそうな全ての人にエールを送る自伝エッセー▽2月4日発売、1430円

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