劇場版アニメ「それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星」でパンタンの声を演じ取材に応じた土屋太鳳さん
俳優の土屋太鳳さんがゲスト声優として出演した劇場版アニメ「それいけ!アンパンマン パンタンと約束の星」(矢野博之監督)が6月26日に公開された。大切な約束を守ろうと「虹の星」を目指すレッサーパンダの旅人・パンタンとアンパンマンたちの物語。母になり、今回パンタンの声を担当した土屋さんに、アンパンマンとの関わりや子育てについて聞いた。
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ーーアンパンマンは、土屋さんやご家族にとってどんな存在ですか。お子さんとは、どのようにアンパンマンを楽しんでいますか。
アンパンマンは私たち家族にとって本当にヒーローです……!
特に弟は小学生の頃、アンパンマンを観るために学校から走って帰っていたくらいなので、今回の作品のことも本当に喜んでくれましたし、応援してくれました。
もちろん小さい家族はアンパンマンも仲間たちも大好きで、アンパンマンこどもミュージアムでは遊んで遊んで遊びきって、「だっこ!」と言われて抱っこした瞬間に眠るほど。
特にコキンちゃんが大好きで、コキンちゃんのTシャツがお気に入りです。実は小さい家族はアンパンマンの世界に歌から入っているのですが、コキンちゃんの歌が好きという理由もあると思います。
ちなみに私はアンパンマンはもちろん大好きでしたけど、ばいきんまんが好きでした。ばいきんまんって、とても面白いと思うのです。それに私は子どもの頃、ちょっとばいきんまんに雰囲気が似ていたかもしれません。心はアンパンマン、ノリはばいきんまんという感じでした。
子どもの頃から姉や弟とよくアンパンマンごっこをしていたので、今も小さい家族とアンパンマンごっこをする時は、かなり盛り上がります。
ーー子育てで、アンパンマンに助けられたことはありますか。
常に助けられています! 我が家では「アンパンマンパワー」と呼んでいます。
たとえば、私は出産後の最初のお仕事で、小さい家族を抱っこしている後ろ姿を撮影したのです。でもお昼寝のタイミングが少しずれてしまって、ぐずり始めてしまった……と思った瞬間、母が急いでアンパンマンの歌を流し始めたところ、なんと、泣きやんだのです!
母は「この曲を聴くと泣いている赤ちゃんも泣きやむのよ」と言っていて、それ以来、アンパンマンパワーには大変お世話になっています。
保育園に行くまでは地方でのお仕事も含め現場に同行することも多かったのですが、アンパンマンこどもミュージアムは高知の記念館以外、全部行きました。その時々の思い出は、本当に宝物です。
ーーパンタンを演じるとき、どんな点を意識しましたか。
“パンタンの声”に出会うまでが とにかく難しかったです。
子どもは身体や声帯が子どもだから子どもの声になるんですけど、私は大人なので、声のあてかたや響き方が違うのです。ただ高い声を出しても違和感がありますし、男の子を意識しすぎると子どもを通り越して少年ぽくなってしまうので、とにかくパンタンの声に出会うまでと、その声を維持しながら成長していくことが大変でした。
パンタンの声に出会えたあとは、パンタンを通して、やなせたかし先生への感謝を伝える気持ちで演じました。
私はアンパンマンを子どもの頃からずっと楽しんできましたけれど、実は一番最初の出会いは絵本なんです。自分の顔を食べさせてあげるという表現に少しこわさも感じて、でも子どもながらに「このこわさの中に、大切な何かが隠れているんだろうな」とも感じました。
パンタンからも似た何かを感じたので、私自身がパンタンと一緒に「アンパンマンを大好きな子どもだった頃の自分」に戻って、やなせたかし先生に感謝を伝えるつもりで演じました。
ーーアフレコで印象に残っているできごとは。
まず最初に、いろいろな声を試させていただきました。もちろんある程度自分でイメージした声はあったのですが、その上でいろいろ試しつつ客観的にディレクションしていただいて、方向性を固めました。
何回か挑戦させていただく場面もありましたけど、時間と共に絵のペースがつかめるてくると、感情が整理されて気持ちが入りやすくなり、感情のタイミングを絵が導いてくれるんです。アニメーションが持つパワーの凄(すご)さを実感しました。
ーー「約束」が大きなテーマの一つになった作品です。約束についてお子さんにどのように伝えていますか。
今は少しずつ、「日常生活の小さな節目を小さな約束に結び付けて、それを守る」という体験を積み重ねている段階です。
たとえば眠る前には歯磨きをしようねというような、本当に小さな、そして日常的な約束なんですけど、『守ろうと努力することが大切』という話も折に触れてしていて、今は理解できなくても、いつか何かの時に思い出してくれたらいいなと願いながら向き合っています。
ーーお子さんに対して、している約束はありますか。
私は仕事をしながら子育てをしているので、時期によっては家族に「いってらっしゃい」より「いってきます」を言う回数のほうが多い時もあり、「母親として本当にこれでいいのかな」と迷うこともあります。でも働きながら私たちを育ててくれた母が「大丈夫だよ」と言い切るんです。
「一緒にいる時間の長さが全てではないし、おかあさんが自分らしく人生を歩むことは、子どもにとっても大切なことに繋がるから」と励ましてくれるんですけど、「そのかわり約束は絶対に大切にしたほうがいい。仕事をしていると守れない時もあるけれど、守ろうと向き合うことが大切」とも伝えてくれて、私もそれは肝に銘じています。
約束といっても決して特別なことではなくて、少しお仕事の時間が長くなる時は「お風呂が終わった頃に帰るよ」と約束して、その約束を守る努力をする、という積み重ねを大切にしていきたいなと思っています。
ーーお子さんの映画館デビューの予定は。
映画館デビューは、この作品でする予定です。ですので一緒に観ると思うのですが、最初は一緒に観ることを迷う気持ちもありました。
キャラクターの声と家族の声が一緒というのは、子どもの楽しみを奪うことになるのではないかと心配になったからなのですが、どうやら様子を見ていると、『確かに家族の声だけど、キャラクターから出ている時はキャラクターの声だと認識している』ようなのです。
弟が出演している作品を観た時もそうだったので、思い切って一緒に観に行こうと思っています。楽しみでもあるのですが、すごく緊張しそうな気がします……。
ーー今回の作品を楽しみにしている親子の皆さんにメッセージを。
パンタンは姿は子どもでも、長年つちかってきた経験をもっているので、どんなピンチも経験によって切り開いていくんです。その姿は本当にかっこいいですし、お子さんたちを育てている方々の姿にも、通じるものがあるような気がします。
クライマックスでの盛り上がりも本当にダイナミックなので、アンパンマンやパンタンたちのヒーローらしい姿も、バイキンマンたちのちょっとスパイシーな姿も、大きなスクリーンだからこその迫力で楽しんでいただけると思います!
たくさん楽しんでいただきながらパンタンに出会う方々が、あらためて「約束を大切にしよう」と感じてくださったら嬉(うれ)しいです。
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