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NHKの朝の情報番組「あさイチ」(総合、月~金曜午前8時15分)の「こんなに使える!漬物スーパーパワー」(2025年12月放送)の回に出演した料理家の今井真実さん。番組では即席キムチや漬物の簡単アレンジレシピなど、「食卓の名脇役」といわれる漬物を手軽に作る方法や漬物を使ったお手軽料理などを紹介。その後のインタビューでは独学で料理を学んだ経緯や、意外な経歴などを明かし、料理の魅力を語った。
◇チューブのぬか漬けの素でカボチャやミニトマトを漬ける
番組では、まず乳酸菌や善玉菌を一度にとれることから腸活として食べている人もいるといわれる「ぬか漬け」を紹介。ぬか床を手入れするのは面倒と思う人に向けて、チューブのぬか漬けの素を使う方法など、においも広がらず、手間もかからない最新の方法を伝授した。
また、漬物専門店で販売されている、素材のおいしさを引き出し、野菜の栄養分もとれるぬか漬けを紹介。ミョウガや豆腐、茎ワカメ、ゆで卵やビーツなど、変わり種のぬか漬けも登場。専門店での一番人気は、アボカドだといい、ぬかの塩分と酸味がクリームチーズのように漬かり、酒のつまみや洋食としても楽しめるという。
さらにカボチャとミニトマトのぬか漬けの作り方も紹介した。カボチャは食べやすい大きさに切り、耐熱容器に入れて600Wで4分加熱。竹串がすっと抜ける柔らかさになったら、チューブのぬか漬けの素を敷いた上にカボチャを載せてラップでくるんで一晩寝かせると出来上がる。
ミニトマトは一つにつき、つまようじで10カ所ほど穴を開けて、ラップを使ってぬか漬けの素で一晩寝かせればオーケー。ぬか床の塩分が野菜の甘みを引き出し、ねっとりしていて、甘みが凝縮した濃い味に仕上がるという。漬けすぎるとしょっぱくなるため注意が必要だ。
◇万能調味料の「三五八漬け」の活用法 「おうち版キムタクご飯」のレシピも
ぬか漬け以外にも福島県などで昔から食べられている「三五八漬け」も紹介。塩3、麹5、米8の割合で蒸した調味料で、米のほんのりとした甘さが特徴だ。キュウリを食べやすいよう薄切りにカットし、「三五八」の素と共にジッパー付きの袋に入れて、空気を抜いて冷蔵庫で1時間ほど寝かせたら出来上がり。10分ほどですでに味がつき、薄味が好みなら早めに取り出して食べることもできる。1時間ほどで野菜の味が濃くなり、適度な塩味と麹の甘さでご飯のお供としても楽しめる。
三五八の素は万能調味料としても活用できる。調味料は三五八の素だけで簡単で優しい味の野菜スープを作れたり、米を炊くときに三五八の素を大さじ1に入れると甘みが増すという。三五八の素を水で溶いて豚肉に塗り、冷蔵庫で半日寝かして、弱火で蒸し焼きにする活用法も紹介。ご飯、スープ、漬物、おかずに調味料として使用して「三五八定食」として楽しむこともできる。今井さんも「万能調味料、料理のお助けマンですね」と太鼓判を押す。
全国のスーパーのここ1年の売り上げトップテンのうち八つのキムチ製品がランクインしたという。そんな大人気のキムチを簡単に作ることができる「簡単即席キムチ」の作り方も紹介した。ポイントは「即席キムチの素を作る」こと。韓国産粉唐辛子大さじ2、辛みがマイルドになる砂糖大さじ2、うまみと塩分をつけるナンプラー大さじ2、コクを出す白すりごま大さじ1、味を締める米酢小さじ2、ニンニクのすりおろし1かけ分(6グラム)を混ぜて素を作る。1カ月ほど保存可能だという。
このキムチの素は白菜はもちろん、キャベツやサーモンの刺し身などにも合うといい、塩もみした野菜と混ぜたら10分で食べることができる。韓国では果物と合わせることもあるという。
長野県塩尻市では学校給食のメニューにもなっているという「キムタクご飯」を紹介。ベーコン、大根の漬物(タクアン)とキムチとご飯をまぜたもので、キムチとタクアンを合わせるため“キムタク”と呼ばれる。子どもたちに「漬物に親しんでほしい」と20年以上前に学校給食として開発されたといい、キムタクご飯だけでなく、キムタクチャーハンやおにぎりなどのバリエーションもあるとか。
「おうち版キムタクご飯」のレシピも紹介された。材料は、ベーコン2枚、白菜キムチ35グラム、つぼ漬け(タクアンでもOK)35グラム、ご飯1合、サラダ油少々、しょう油小さじ1。ベーコンは1センチの短冊切りに、豚のこま切れ肉でも可。キムチとつぼ漬けは包丁で粗めに切ると食感がよくなる。給食ではサラダ油だが、家庭では風味がよくなるため、ごま油を使い、フライパンにごま油を入れて熱して、切った材料を入れ、炒めて、しょう油で味を調える。お好みでネギをふりかけると見栄えが良くなる。
◇料理を好きになったきっかけは「カルボナーラ」
今井さんは、「ツイQ楽ワザ『これならできる!令和の梅仕事』」(2024年6月)に続いて、「あさイチ」には2回目の出演となった。出演すると「親や親戚がすごく喜びます。今回も喜んでました」と笑顔で語る。
「ずっと料理が大好きで、違う仕事をしていた時も、どれだけ遅く帰っても自炊していました」といい、独学で料理を学び、「自宅で料理教室をずっとやっていたんですね。コロナになるまで。11、12年、続けていて。コロナ以降は本の出版や表に出る仕事が増えました」
前職は出身地の神戸で「テレビ局のディレクターをしていました」という。「でも、出演する側は慣れていないので、毎回すごく勉強をさせていただいてます」と語る。
料理を好きになるきっかけは、小学校低学年のときに食べた「カルボナーラ」だった。
「イタリア料理店で食べたらすごくおいしくて。ただ、母は家でカルボナーラを作ったことがなかった。じゃあ自分で頑張って作ってみようと。そのときはイタリア料理のレシピ本は少なかったんですけれど、買ってもらって、それを見ながら何度も何度も小学校から帰ってきたら家でおやつの時間にカルボナーラを自分で作ることに挑戦しました」
「親も料理を自由に作るのを許してくれていた」といい、「カルボナーラは包丁を使わずに作れるし、そういった包丁を触ったことないお子さんでもできる料理はたくさんあるので、私はそういった料理も伝えていきたいなと思っています」
料理の魅力は「自分が食べたいものをすぐに作れるようになること。外で食べられない家のご飯の魅力があって。例えばお茶漬けとか、あんまり外で食べられないですよね。そういった自分が今すぐサラサラって食べたいとか、自分の心や体の調子に合わせて自分で作ることができることが、魅力の一つですね。あとは家族のためとか、大切な人のためとか、自分が作るご飯によって喜んでもらえる。そういうことが料理の魅力だと思っています」と力を込める。
エッセイを書いていることで「言葉で伝えられる」という強みもある。
「言葉でどうしたら伝わるかということは常に考えていますね。もともとは日記をネットに書いていて、自分の毎日の献立をありのままに載せていました。スーパーでありものを買ってきて軽く済ませたり、夫に作ってもらったり、私のような職業の人でも別に日々頑張ってないんだよ、日常で何を食べているかを知ってもらうと楽になりました。野菜が足りなかったら蒸し野菜を出すとか。お漬物で野菜を補完するとか、そういったありのままの日常をお伝えして、皆さんも毎日無理しなくていいんだよと伝えたかったんです。その日記を読んでくださった編集者がエッセイを出してみませんかっていうお話をくださって」
今回の特集となった漬物の魅力を言葉にすると?
「漬物はもともと保存食なので、旬でそのお野菜がたくさん穫れてしまって、お漬物にしたりしていました。旬のお野菜は安かったり、栄養価も高くなるなどその野菜が一番おいしい時期なので、せっかくなら旬の野菜を楽しんでもらうのがいいかなと思います」という。
さらに「地域ごとに個性的なお漬物がたくさんありますので、旅行に行った時にその地方だけの野菜やその地方のお漬物を手にする楽しみがありますね。保存食なのでお土産としても購入しやすいですし。あとは買ってきた漬物をどうやって食べていいかわからない、漬物をそのまま食べなきゃいけないと思ってる方が多いんですけれど、炒めたり、煮込んだりもできるので。しょっぱすぎたなという時は刻んでご飯に混ぜたり、みそ汁に入れてもいいんです。塩分が強くてもおみそを減らせばいいので、いろんな使い方ができます。躊躇せずにお料理にどんどん使って野菜の消費量を上げていただきたいですね」と語った。
<プロフィル>
今井真実さん:料理家。神戸市生まれ。「作った人がうれしくなる料理を」という考えでテレビ、雑誌、ウェブ、企業広告など多岐にわたるレシピ制作を担当。エッセイストとしても活動している。2023年、オージービーフPR大使日本代表に選出され国内外でイベントに出演。著書に「毎日のあたらしい料理 いつもの食材に『驚き』をひとさじ」(KADOKAWA)、「はじめて・りょうり ごはん」(福音館書店)などがある。夫と子ども2人の4人家族。
(取材・文:細田尚子/毎日キレイ)