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日本の名湯:信玄の隠し湯と伝わる冷鉱泉で夏の疲れを癒やす 長野・下諏訪温泉「毒沢鉱泉 神乃湯」

 長野県の下諏訪温泉は、中山道で唯一温泉が湧く歴史ある宿場町であり、諏訪大社の下社である春宮・秋宮と諏訪湖北部周辺に位置する。ほとんどの共同浴場や旅館は、門前町や住宅街などにあるが、「毒沢鉱泉 神乃湯」はその下諏訪温泉で一番高台の標高1000メートルにある。木々に囲まれた静かな森の中にたたずむ秘湯だ。

 毒沢鉱泉は、武田信玄が金鉱採掘の時にけが人を直すために使った隠し湯とも伝わっている古来の名湯で、現在は「神乃湯」と「宮乃湯」という旅館2軒のみだ。神乃湯は昭和初期から温泉宿として営まれている。源泉温度が約14度の冷鉱泉に分類され、女性がその源泉に浸かることができるのは、神乃湯だけだ。

 大浴場は男女別で内湯のみ。大きく取った窓からは、鮮やかな緑がまぶしい。大きな加温浴槽と、小さめの源泉浴槽の二つがあり、源泉浴槽の湯口から飲泉もできる。冷たい源泉は、夏の暑さにゆだった体に気持ちよい。手足にかけるだけでも、体温を下げるのに十分だ。加温浴槽と交互につかって、暑さに疲れた体を回復するのもおすすめだ。

 湧きたての源泉は無色透明だが、加温された湯は黄金色になり、鉄のにおいがする。高い殺菌作用、そして鎮静作用や肌の蘇生効果が期待できるため、アトピー性皮膚炎や表皮化膿症などの肌疾患に適応する。また、飲むと便秘や鉄欠乏性貧血にいいとされている。

 客室は、新館・本館・旧館とあり、いずれもシンプルな和室。新館のみトイレ・洗面所付きで8畳間と少し広めで、本館は6畳間で旧館は5~6畳間。旧館は大浴場などから少し遠いため、宿泊料金は高い方から順に新館・本館・旧館となっている。布団は自分で敷くスタイルなので、チェックイン直後から布団でごろごろしてリラックスすることもできるのがいい。

 食事は食事処で。地元の山や川・湖で獲れる食材を豊富に使った、素朴で温かみのある料理が並ぶ。夕食には、信州みそを使ったふろふき大根や鮎の塩焼き、スモークサーモンのお造りなど。山菜やきのこも多い。汁物には、長野名物のそばも。朝食は、煮豆や切り干し大根、きんぴらごぼうに玉子焼きなど、胃腸に優しい和食。

 夏の暑さに疲れたら、毒沢鉱泉 神乃湯で癒やされてはどうだろうか。

 <プロフィル>

 朝香。モデル・美肌温泉家。慶応大卒。温泉ソムリエアンバサダーなど数々の温泉資格を持ち、日本温泉気候物理医学会など多数の学会に所属。美容効果が期待できる温泉やその効能をより引き出す入浴法を広めようと日々活動している。自治体の観光PRの監修・アドバイザーなども務める。

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