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映画「沖晴くんの涙を殺して」で主演を務め、取材に応じた広瀬アリスさん
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映画「沖晴くんの涙を殺して」で主演を務め、取材に応じた広瀬アリスさん

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広瀬アリス:8年ぶり主演映画で死生観が変化 「ネガティブな感情も無駄にせず今を楽しむ」

 俳優の広瀬アリスさんが映画「沖晴くんの涙を殺して」(矢崎仁司監督、10月2日公開、広島県で先行公開中)で、2018年の「巫女っちゃけん。」以来8年ぶりに主演を務める。出演を決めた理由や健康への意識などを聞いた。

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 ◇出演の決め手は木戸大聖 「すっかりおんぶに抱っこしてもらった」

 原作は、額賀澪さんの同名人気小説。音楽教師・踊場京香(広瀬さん)は、末期の乳がんを患い余命1年を宣告され、故郷の瀬戸内海の島に帰ってきた。母校の合唱部の指導をすることになった京香は、いつも笑顔を絶やさない不思議な高校生・志津川沖晴(木戸大聖さん)と出会い、余命わずかな京香と、感情を失った沖晴の、感情を取り戻す不思議な日常が始まる……というストーリー。

 オファーを受けた理由を「これまでに演じた役とは作風が違うなとかいろいろあったんですけど……決め手の一つは木戸大聖さんが出るからです(笑)」と明かす。

 「たまたま木戸さんの演技をお見かけしたとき、10秒ほどの長回しの表情がすごく繊細で、『誰だ、あの子?』と印象に残っていたんです。それが木戸さんで、今回の作品で沖晴役に木戸さんが決まっていると聞いて、『絶対出たい!』と。安心してお芝居できるだろうなと思って受けたのが本音です」

 教師と生徒役だが、広瀬さんは31歳、木戸さんは29歳で実年齢は同世代。

 「撮影現場でも本当に頼もしく、常に沖晴くんとしていてくれたので、役柄としての年齢差は自然と感じられましたし、母性も生まれました。でもエキストラさんのリアルな高校生と並ぶと『やっぱ、こっち側だな』と。ちょっと肌質も違ってて『戻ってらっしゃい』みたいな(笑)」

 2人でのシーンも多く、夏場で体力を削られる撮影だったといい、「同志というか、戦友みたいな感じですごく助けられましたし、主演でありながらすっかりおんぶに抱っこしてもらいました」と振り返った。

 ◇生死への考え方も大きく変化 「過剰な恐怖や重苦しい感覚がなくなった」

 今作を通して、“生と死”に対する考え方も大きく変わったという。「余命宣告を受けている役」と聞き、「かわいそうな女の子」をイメージしていた。

 「でも、京香は1ミリも悲劇のヒロインとして描かれていませんでした。死について話しているときほど、まるで日常会話のように淡々と話しているんです。私自身、『死=苦しくて重くて、ドラマチックに涙を流して迎えるもの』というイメージがありましたが、人は意外とあっけなく静かに亡くなっていくものなのかもしれない、と気づいたんです。

 亡くなった方の人生はそこで終わりますが、のこされた周りの人には悲しくても『普通の明日』がやってきます。1年、2年と時間がたつにつれて亡くなったことを受け入れ、それが日常になじんでいく。確かに私自身も、身近な方の葬儀に参列して深い悲しみを抱えても、次の日には当たり前に仕事や愛犬の散歩といった日常が待っていました。この作品を経て、死に対する過剰な恐怖や重苦しい感覚がなくなりました」

 劇中には「ネガティブな感情」についての問いかけもある。広瀬さんは、「昔は『落ち込んだり怒ったりする感情がなければ、もっと生きやすいのに』と何千回と思ったことがある」という。

 「でも、ネガティブな感情や苦しい時期があるからこそ、人は心から喜んだり幸せを感じたりできるんですよね。ジャンプするときって、一度膝を曲げて深くしゃがみ込むじゃないですか。『今下がりきっているのは、次に大きく跳ね上がるためなんだ』と思えるようになりました。落ち込む時期も悪いことじゃない、ゆったり待とうと受け入れられるようになったのは、大きな変化です。

 それに、自分を大切に“自己中”に生きることの大切さも感じました。『まだ生きるからいいや』とあぐらをかかず、泣いたり怒ったりしている時間を無駄にせず、今を楽しむ。弱っている自分も含めて愛おしく思い、自分をいたわってあげたいです」

 ◇「40代になってもバックパッカーで旅したい」

 乳がんという女性にとって身近な病気を扱う役でもあったので、病状や痛みについてもしっかり調べてから撮影に臨んだ。自身は年に一度の健康診断を欠かさないという。

 「先輩方からも『定期的に受診するといい』と聞いていた
ので、年末のみんながイベントごとで楽しんでいる時期を狙って行っています。その時期って受診する人が少ないようで(笑)」

 30代になってからは、20代にはなかった疲れを感じたり、寝起きが悪かったり、「健康が大事」を実感する日々。

 「いろいろ試しているんですけど、“効く”までも時間がかかるようになった気がします(笑)。サプリメントを活用したり摂取するものを意識したりと、日々の積み重ねを大切にしています。40代になってもバックパッカーとして楽しく旅行できるように、今から体を整えている感じです」

 今年に入ってから、まとまった休みができると海外旅行に出掛けている。

 「先輩から『老後になってからじゃ体は動かないよ。今日が一番若いんだから今行きなさい!』と言われたのがすごく響いて。一人旅でも全然平気で、すごく楽しいです。旅先でもサプリメント系のルーティンは欠かさないし、むしろいつもよりも多めに準備しています」

 日常生活でも家事を運動代わりにしている。

 「愛犬のフレンチブルドッグが歩くと床に皮脂がつくので、廊下の雑巾掛けをして汗を流したり、愛犬と家の中でダッシュして遊んだり(笑)。楽しみながら体を鍛えて、毎日元気に過ごしています」

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