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注目映画紹介:「銀魂」 原作ファンもうなる一大エンタメ作 福田雄一監督の下キャストが生き生き

 俳優の小栗旬さんが主演する映画「銀魂」(福田雄一監督)が14日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開される。空知英秋さんの人気マンガの実写化で、福田監督は、豪華キャストを持て余すことなく、原作ファンをもうならせる一大エンターテインメント作へと昇華させた。一歩踏み込んだギャグ要素にパロディー、想像以上に本格的なアクションからボケてツッコんでの寸劇まで、見どころは満載だ。

 マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2004年から連載され、コミックス累計発行部数5100万部を超える人気マンガが原作。天人(あまんと)と呼ばれる異星人に占領された江戸末期を舞台に、なんでも屋を営む侍・銀時らが難題を解決する姿を描くSF時代劇コメディーだ。06年4月にテレビアニメ第1期がスタートし、11年4月~12年3月に第2期、15年4月~16年3月に第3期が放送され、10年と13年には劇場版アニメも公開されている。

 映画には菅田将暉さん、橋本環奈さん、岡田将生さん、長澤まさみさん、ムロツヨシさん、KinKiKidsの堂本剛さん、新井浩文さん、菜々緒さん、佐藤二朗さん、中村勘九郎さん、柳楽優弥さん、吉沢亮さん、安田顕さん、早見あかりさんらも出演する。

 物語は、攘夷(じょうい)志士の生き残りで銀時(小栗さん)の幼なじみの桂小太郎(岡田さん)がある日、江戸に現れた謎のつじ斬りに襲われ行方不明になる。相棒の安否を心配する「エリザベス」から話を聞いた銀時や志村新八(菅田さん)、神楽(橋本さん)は、つじ斬りの正体を探るうち、ある妖刀の存在と、その裏でうごめく一人の男の野望へとたどり着く……という展開。

 小栗さんの歌うシブい主題歌、橋本さんを「千年に一人の逸材」たらしめた一葉のイベント写真、TBSの音楽番組「COUNT DOWN TV」風のCGキャラと、オープニングから福田ワールドが全開。なんといっても福田監督の下、「銀魂」という世界の中で、キャスト陣が生き生き伸び伸びと役を演じ、おふざけに取り組んでいるのがいい。

 その象徴となるのが、福田組の常連の佐藤さん。どこまで本気なのか分からない脱力ぶりには目を見張る。そんな佐藤さんの熱演(?)に引っ張られる形で、橋本さんも振り切った演技を披露。橋本さん扮(ふん)する神楽と菜々緒さんが演じるまた子との対決シーンは一つのハイライトと言える。

 個人的は、実写を逆手にとったかのような着ぐるみ感満載の「エリザベス」の可愛さにキュンキュンしてしまった。ワンポイントリリーフ的なキャラも登場するので、どうか最後までお見逃しなく。(山岸睦郎/MANTAN)

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