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古川雄輝:「僕だけがいない街」撮影秘話とネット配信作への思い アニメ好きな一面も…

 俳優の古川雄輝さん主演の動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」オリジナルドラマ「僕だけがいない街」が15日から配信されている。原作は、12年6月~16年3月に「ヤングエース」(KADOKAWA)で連載された三部けいさんの人気マンガで、テレビアニメ化や実写映画化に続いて3度目の映像化。古川さんは母親殺害事件の容疑者となり、特殊能力「リバイバル」で過去に戻る29歳の藤沼悟を演じている。撮影エピソードや原作への思い、ネット配信作品への思いなどを古川さんに聞いた。

 ◇新鮮だった“追い込まれる役”

 母殺し事件の容疑者となった29歳の悟が、特殊能力「リバイバル」で過去に戻り、小学生時代に起きた連続児童殺人事件の謎に挑む……という内容。「ネットフリックス」で世界190カ国・地域に配信。青年期の悟を古川さんが演じるほか、ヒロインの片桐愛梨を優希美青さん、悟の母親の佐知子を黒谷友香さん、子供の悟を内川蓮生さん、悟が助けようと手を尽くす少女・雛月加代を柿原りんかさん、悟の小学校の担任・八代学を戸次重幸さんが演じている。

 原作はもちろん、テレビアニメも実写映画も見ていたという古川さん。「見ていた作品の主人公を演じられることは、純粋にうれしかった」とオファー当時の心境を振り返る。人気原作の主人公を演じるプレッシャーは無く、「原作が完結した後の作品になるので、一番原作に忠実に作っていると思う。撮影では(映像化された)他の作品より良いものを作ろう、という思いで頑張っていました」と語る。

 悟を演じる上で意識したのは、リアリティーだった。「描かれている舞台はすごく日常的で普通だけど、そこに『リバイバル』が入ることで非日常的な部分が出てくる作品。だから、主人公はリアルな世界からかけ離れないようにしたいという思いがありました」と古川さん。下山天監督とは「ナレーションをどこまでやるか」を話し合ったという。

 「マンガだと、ナレーション部分は読んでいる分には不自然じゃない。でも、リアルにお芝居するとなると、独り言を言うのはリアリティーが無い。マンガに忠実に作っている分、ナレーションは全部入れているから、どこまでナレーションにするか、独り言にするかを相談しました」と明かす。

 苦労したのは「リバイバル」前後のシーンの撮影だったという。「『リバイバル前』を撮影した直後に、同じアングルで『リバイバル後』を撮るので、前後をちゃんと意識して演技しないと、どっちか分からなくなる」と古川さん。

 撮影は、4月に冷たい池に飛び込んだり、駅前を封鎖してバイクでカーチェイスのようなシーンを撮ったり……と印象深いものとなった。特に、警察から逃げ回るような、追い込まれる役はあまり経験が無かったといい、「汗をつけて走るシーンが多いんですよ。これまでにあまりやってなかったことなので、新鮮でした」と充実した表情で語る。

 ◇ネット配信作への熱い思い 「日本は遅れている」

 原作は「続きが気になって仕方ない。主人公が子供に戻った瞬間から、自分も子供に戻った感覚で読んでいました」と愛を語る古川さん。マンガは「人並みに読む」と言い、特に「キングダム」や「進撃の巨人」、「スラムダンク」などが好きだと明かす。

 実はアニメも好きで、中でも「シュタインズ・ゲート」がお気に入りだ。古川さんは「僕、一番会いたいのは(「シュタインズ・ゲート」で椎名まゆりの声を演じた)花澤香菜さんなので(笑い)。実写化されないかなと思っているんですが、僕の出られる役が無い」と笑う。

 今作で主人公を熱演している古川さん。2016年後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「べっぴんさん」にもヒロインの娘と恋に落ちる青年・健太郎役で出演するなど幅広い活躍を見せているが、意外にもテレビドラマへの出演は少ないといい、「もっと活躍できればいいなって思う。僕、『民放(ドラマ)にあまり出られていない俳優』なので(笑い)」と苦笑する。

 ネット配信ドラマへも熱い思いを抱いている。「クオリティーが高い。地上波とか、もう関係ないんだなって思う。最近は僕、ネットばかり見ていて……。ドラマだけではなくバラエティーでもネットの作品は見ます。ネット作品にはいいイメージがあります」と話す。

 「日本はちょっと遅れているのかなとも思う。(今は)レンタル店へ行く時代じゃないじゃないですか。ネットで見る時代ですから」と率直な思いを吐露。「地上波の作品にももっと出演したいけど、こうやってネットの作品に出演できるのはうれしい。そういう(ネット発のドラマで活躍できる)時代に日本もどんどんなっていくと思います」と思いを語る。

 7歳でカナダへ移住し、以降11年間を海外で暮らした経歴を持つ古川さんには、英語を話す役もこなせる強みがある。「帰国子女って、海外にいると外国人扱いで、戻ってくると帰国子女扱い。どっちにいても他の国の人扱いを受けることもあるので、難しい」と悩みもあるが、「英語を話せることで海外作品にも出させていただいたりしているので、これからも国を問わずに出演したいですね。もう、日本だけに縛られる時代ではないと思う」と力を込める。

 18日に30歳になる古川さん。プライベートでは「大人の男性になる」ことが目標で、「看板の無い、メニューの無い店とかにスッと入れるようになりたい」と笑顔で語る。  最後に仕事面での意気込みを聞くと、「でも童顔で年下に見られがちなので、しばらくまだ若い役をやっていると思いますが……。徐々に大人の役もやっていきたいですね」。更に「クズの役をやってみたい。どうしようもない、ギャンブル依存症、みたいな、そういう役をやりたいですね」と明かした。

 <プロフィル>

 ふるかわ・ゆうき。1987年12月18日生まれ、東京都出身。7歳でカナダへ移住し、16歳の時に単身ニューヨークへ渡る。慶応大学理工学部システムデザイン工学科卒業。2009年にはミスター慶応コンテストでグランプリに輝き、 10年に芸能事務所「ホリプロ」の新人俳優オーディションで審査委員特別賞を受賞した。日中合作の主演ドラマ「不可思議的夏天」や「イタズラなKiss~Love in Toyko」で主演。朝ドラ「べっぴんさん」ではヒロインの娘と恋に落ちる青年・健太郎役を演じた。現在、テレビ朝日系のドラマ「重要参考人探偵」にシモン藤馬役で出演中。

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