検索

いま、推されてます

松雪泰子:10年後は…子育ても落ち着いて「世界中を旅したい」 「リメンバー・ミー」日本語版で声優

 ディズニー/ピクサーの最新アニメーション映画「リメンバー・ミー」(リー・アンクリッチ監督、エイドリアン・モリーナ共同監督、16日公開)の日本語版に声の出演をする女優の松雪泰子さん。ガイコツという、これまでにないユニークな役を担当する上に歌うシーンもある。松雪さんに、映画の感想はもとより、演じるために普段の生活で気を付けたこと、さらに10年後の自分について聞いた。

 ◇「信念を失わないミゲルはすてき」

 映画「リメンバー・ミー」は、メキシコで毎年11月に行われる伝統的な祭礼行事「死者の日」からアイデアを得ている。ミュージシャンを夢見る少年ミゲル(石橋陽彩=ひいろ=さん)が、ひょんなことから「死者の国」に迷い込み、ガイコツのヘクター(藤木直人さん)に助けられながら、「生者の国」に戻ろうと奮闘する姿を描く。松雪さんが声を担当したのは、ミゲルのひいひいおばあちゃんで、過去のある出来事から、家族に音楽を禁じたイメルダという女性だ。女性とはいえ、すでに他界しており、死者の国でガイコツとして暮らす。

 映画を「とてもよくできた素晴らしい物語」と称賛する松雪さんは、自身の生まれ育った環境も立場も違うため、イメルダの心情は「なかなか当てはまりにくい」としながら、「私自身、“家を守る”という概念はありますし、実家が代々守っているものを守っていきたいと強く思います。(映画を見ながら)家族として守っていかなくてはいけないものの大きさを感じました」と語る。

 その一方で、自身も1児の母の立場として、「子供には夢を持ってほしい。ですから、家族の掟(おきて)に背いて、自分の中にある信念を失わないで前に進むミゲルはすてきだと思いました」とミゲルの夢を応援する。

 ◇美容と健康の秘訣は?

 今作では歌も披露している。松雪さんが歌うメキシコの民謡は「音階が独特で難しく、経験したことのないものでしたので、ちゃんと歌えるかなと最初は緊張した」そうだが、「早めにレッスンを始め、ディレクションしてくださる先生に何度も聴いていただいて」、収録に備えたそうだ。

 また、収録直前まで舞台に立ち、その舞台でも歌う場面があったことから、吸入をしたり、マスクをしたり、さらに、毎日マヌカハニーをとって殺菌するなど、のどのケアは怠らず、「(のどは)楽器みたいなものなので、音の鳴りが一番いい状態になるように、体のケアも含めてやっていました」という。

 「体のケア」という言葉が出たことから、美容と健康の秘訣(ひけつ)を尋ねると、「睡眠をしっかり取って、食事のバランスに気を付けることですね。できるだけ規則正しく生活するようにしています。お酒も一滴も飲みません」と明かした。

 ◇10年後の自分

 1991年、18歳で女優デビューして以来、映画、ドラマ、舞台と第一線で活躍してきた。2010年には、レディースブランド「malulu..」をプロデュースし、演じること以外の才能も発揮している。

 そんな松雪さんに10年後の自分を想像してもらうと、「もういい年ですから……」と苦笑しつつ、「でもきっと、ずっと演じていると思います。演じることが好きなので。演劇かもしれませんし、映像かもしれませんし」とした上で、「ただ、物を作ることも好きなので、短編などの映像作品を作ってみるとか、何か自分で発信していくこともやっていきたいなと思ったりもします」と打ち明ける。

 さらに、「個人的なことでいうと、子育てがきっともう落ち着いていると思いますので、子育て中にできなかったことをたくさんしたいですね。具体的には、世界中を旅したいなと思っています」と話す。

 そこで、今一番行きたい国を尋ねると、「メキシコ、ですね(笑い)。(今回の)映画がすてきだったので、その文化に触れてみたいと思います」と、今作にふさわしいコメントでインタビューを締めくくった。映画は全国で公開中。

 <松雪泰子さんのプロフィル>

 まつゆき・やすこ 1972年11月28日生まれ、佐賀県出身。1991年、テレビドラマ「熱血!新入社員宣言」で女優デビュー。主な映画出演作に「フラガール」(2006年)、「容疑者Xの献身」「デトロイト・メタル・シティ」(共に08年)、「脳男」(13年)、「at Home アットホーム」(15年)、「古都」(16年)「鋼の錬金術師」(17年)などがある。4月から放送のNHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演する。

 (取材・文・撮影/りんたいこ)

エンタメ 最新記事

アクセス上位記事