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山本美月:カーデザイナー役で「車の“顔”が分かるようになった」 振り切った役の楽しさも

 女優の山本美月さんが主演を務めるNHKの愛知発地域ドラマ「真夜中のスーパーカー」(NHK・BSプレミアム)が28日に放送される。ドラマは、古今東西の世界の名車が並ぶ自動車博物館を舞台に自動車開発に命を懸ける人々の葛藤と軌跡を描いたファンタジー。山本さんは女性カーデザイナーの白雪を演じている。東京・渋谷の同局で行われた取材で山本さんは、「三次元でも二次元でもない、2.7次元ぐらいの作品。誰が見ても楽しめるおもちゃ箱のようなドラマです」と表現。役へのこだわりや撮影の感想を語った。

 ◇オタクを演じる上で「ハガレン」キャラも参考に

 ドラマは、アニメ「鋼の錬金術師」を手がけた會川昇さんのオリジナル脚本で、NHK名古屋放送局が制作。伝説のスーパーカー「ナゴヤ2000GT」に憧れるカーデザイナーの白雪(山本さん)が、夜の自動車博物館で、日系ブラジル人4世のリカルド(上遠野太洸さん)と出会い、謎の男(唐沢寿明さん)の不思議な力で、そろって博物館に閉じ込められてしまう……というストーリー。音楽は作曲家のゲイリー芦屋さんが手がけ、水木一郎さんが「水木一郎 with MC-MEGUMI & 深沢敦」として主題歌を担当した。

 山本さんは自身が演じた白雪を「車オタク」といい、「私もアニメオタクな部分があるので気持ちが分かるというか、そういう意味で役に入りやすかった」と振り返る。また、今作はアニメ「鋼の錬金術師」の會川さんが脚本を手がけたということで、「『鋼の錬金術師』の中にも、ウィンリィ・ロックベルというオタクのキャラクターがいるので、ちょっとその子を意識したところもあります」と明かした。

 ドラマでは、白雪が「ナゴヤ2000GT」の魅力をハイテンションで説明するなどオタクぶりを発揮するシーンがあるという。最初に台本を読んだ時、山本さんは「まず、何が行われているか分からなかったんですよ。ノーズとかグリップとかリトラクタブルヘッドライトとか(車の専門用語が出てきて)発音すら分からないし。だから、ネットで全部調べて勉強しました」と話す。さらに、車の曲線美を説明するシーンでも「(車体の)違うところを触っていたら失礼になるなと。本当に失礼のないように演じました」とこだわりを語った。

 ドラマはファンタジー要素があり、「アニメのような世界観」と山本さんは表現する。白雪を演じる上では、リアルを追求するよりも、山本さんが主演したマンガ原作の映画「ピーチガール」などの温度感でやってほしいとオファーを受け、「だから割り切って、コミカルにマンガっぽく演じるものなんだと分かりました」と話す。「白雪は感情の起伏がすごく激しい。思い切り振り切っていろんな感情を表現できるのはとても楽しかった」と振り返った。

 ◇車の「顔が分かるように」 フジキャビンにメロメロに?

 今作に関わる前は「車について知らなかった」という山本さん。今回、撮影でさまざまな車に関わる中で、「みんなの顔(車種)が分かるようになって、車がほしくなりました。中でも、フジキャビン(富士自動車=現・小松製作所)という一つ目(ヘッドランプを一つ装備)の可愛い車があって、その子にメロメロになりました」と魅了された様子。

 さらに「私は絵を描くのが好きなので(車の)曲線の魅力がすごく分かりました。『このライン……』みたいなのはすごく分かる、すっごくキレイと思って。車のキラキラしたメッキ感のあるレトロな感じも好きですね。あとは乗り心地。2000GTは乗り心地もいいんです」と楽しそうに語っていた。

 ドラマでは、山本さんが特製のレーシングスーツに身を包む場面もあり、「自分に合わせて作ってくださったのですごくしっくりきました。スーツを着ると戦闘モードに入る感じでした」と振り返る。

 今作は、2000GTが登場するシーンをはじめ、照明や音にこだわり、ファンタジーな世界観を作り上げていったという。撮影が深夜に及ぶこともあったそうだが、山本さんは「みんなで作品を作り上げている感じがして、それこそ文化祭みたいな感じでした。撮影中も現地に2週間泊まり込みで、役に入り込めましたし、現場の雰囲気もとてもよくて、ずっとテンションが高かった気がします」と手応えを語った。

 最後に「今作は誰が見ても楽しめるおもちゃ箱のようなドラマ。それとともに白雪という女性が成長していく物語でもあるので、私自身もこの作品を通じて成長できていたらいいなと思います。みんなで頑張って作ったすてきなドラマです」とアピールしていた。

 「真夜中のスーパーカー」は、NHK・BSプレミアムで28日午後10時に放送。

 <プロフィル>

 やまもと・みずき 1991年7月18日生まれ、福岡県出身。2009年に「第1回東京スーパーモデルコンテスト」でグランプリを受賞。女性ファッション誌「CanCam」(集英社)の専属モデルの活動とともに、映画やドラマCMなどにも出演。17年7月に同誌の専属モデルを卒業した。主な出演映画に「桐島、部活やめるってよ」(12年)、「小野寺の弟・小野寺の姉」(14年)、「東京PRウーマン」(15年)、「少女」(16年)、「ピーチガール」(17年)などがある。

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