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綾野剛:「ハゲタカ」撮了で初の経験 「全く終わっていない…」

 俳優の綾野剛さんが主演する連続ドラマ「ハゲタカ」(テレビ朝日系、木曜午後9時)がこのほど、東京都内でクランクアップを迎えた。主人公・鷲津政彦を演じきった綾野さんは「鷲津は常に次しか見ていないので、全く終わっていない感じ。全然疲労感もないし、クランクアップという感覚がなさすぎて、こんな経験は初めて」と心境を明かした。

 最後の撮影は、“宿敵”飯島亮介(小林薫さん)と向き合い、言葉を交わすシーン。すべての撮影が終了すると、スタッフや関係者から大きな拍手が起こり、花束を贈られた綾野さんは、撮影中とは打って変わって表情を緩めていた。

 その後、取材に応じた綾野さんは「今のシーンは8話の最後のシーンなのですが、(鷲津は飯島と)別れた瞬間に次を見ています。ある種の使命感を彼(鷲津)には感じます。僕が役になりきっていたとかではなく、終わり方が分からないんですね。鷲津が生き続けようとする人なんだろうな」と語った。

 一番印象に残っていることについて聞かれると、「ベテランから若手まで、僕も含めて、いろいろなタイプの方と一つの作品に向き合えたことは役者冥利に尽きます」と話し、「鷲津は他の人のしかばねの上に立っている。だから、しかばねの上に立つ代わりに、自身の軸足がしっかりしていないとという意識が強いのでしょうね」と分析した。

 最後のシーンの前には、小林さんと言葉を交わしており、「薫さんから独白を聞いたんです。薫さんとは何度も共演をさせていただいた。今までは子供扱いされる側の役が多く、独白を1回も聞いたことがなかったので、それを急に話してくださって……」と話し、「薫さんが単純に僕のことを見てくれていた。独白までしてもらえる関係性までたどり着けたと思うと同時に『本番前にずるいなあ』と思いました」と笑っていた。

 「ハゲタカ」は、作家の真山仁さんが2004年に発表した小説が原作。07年に大森南朋さん主演でNHKでドラマ化、09年には映画化もされた。企業を食い荒らす“ハゲタカ”とバッシングを浴びる投資ファンド会社の社長・鷲津が不良債権を抱えた大銀行や経営不振の名門企業へ買収劇を仕掛けていく……というストーリー。

 23日放送の第6話で第2部が完結し、30日の第7話からは第3部に突入。原作小説を手掛ける真山さんの手による完全オリジナルストーリーで、18年の日本を舞台に大企業の崩壊を描いていく。第8話は9月6日に放送される予定。

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