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清原果耶:「役と向き合っている時間が幸せ」 “人を引きつける芝居”の裏側

 2019年、期待の若手女優として高い注目を集めている清原果耶さん。そんな彼女が出演する映画「愛唄 -約束のナクヒト-」(川村泰祐監督)が25日、公開される。今作で清原さんは、幼少期から病気がちながらも天性の明るさを持つ少女・凪を、もろさと力強さを織り交ぜながら圧倒的なみずみずしさで表現している。現在16歳という清原さんが、なぜここまで人を引きつける芝居を見せるのか、彼女のインタビューからひもとく。

 ◇「透明なゆりかご」「愛唄」… “命”に向き合う役柄に出合えたことは大きな財産に

 15年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」で女優デビューを果たした清原さん。そこから着実に作品を重ね、18年に放送された同局の連続ドラマ「透明なゆりかご」では、命の尊さに正面から向き合う看護助手・青田アオイを演じ、初主演を果たした。この作品は文化庁芸術祭の「テレビ・ドラマ部門」の大賞に選ばれるなど、大きな反響を呼んだ。

 「透明なゆりかご」同様、「愛唄」も「生きること」がテーマの物語だが、過酷な自身の運命に向き合いつつも、主人公(横浜流星さん)の未来に光を照らす少女を好演。清原さんは「この作品で凪を演じてから、一瞬の密度の濃さや、これからの人生をどれだけ充実させて生きていくか、その中でどれだけ大切なものとしっかり向き合えるかということを意識するようになりました」と役から得たものを語る。

 役柄が自身の人生観に影響を与えることが多いのかと尋ねると、「役にもよります。少し前の作品では人を殺(あ)めてしまう役もやっていたのですが、そういう役だと、やはり自分とは全く切り離した役へのアプローチ方法を採ります。その意味では、凪は自分の中に投影されるぐらい影響を与えてもらった役です」と回答。いままで命についてあまり考える機会がなかったという清原さんにとって、続けて“命”に向き合う役柄に出合えたことは大きな財産になったという。

 ◇現場では積極的にディスカッション 「悩んだままだと芝居がうそになってしまう」

 メッセージ性が強い作品への出演が続いているが、「役と向き合っている時間がとても好きで、幸せ」と笑顔を見せる。与えられた役柄を完成させていくまでの過程が、女優という仕事の醍醐味(だいごみ)だというのだ。当然、疑問に思ったことは、積極的に監督や助監督とディスカッションをする。「悩んだままだとお芝居がうそになってしまうので」と清原さんは語る。

 とはいえ、「お芝居は自分一人では成り立たない」ということを、これまでの作品で強く感じているようで、「現場の雰囲気や、一緒にお芝居をしている方の呼吸や間から役が作り出されることも多い」と臨機応変に対応することも心掛けているという。

 ◇柔軟さこそ魅力? 大変でつらいことも「楽しめる根性は持っている」

 この柔軟さこそ清原さんの魅力なのではないだろうか。しっかりと役に向き合い、自身のプランを持ちつつも、現場で柔軟に対応し、ベストだと思われる役柄を構築していく。演じる側の強く熱い思いが漏れ出つつも、しっかり客観的な側面も表現される。だからこそ、清原さんが演じるキャラクターには感情移入しやすいのではないだろうか。

 しかもその作業が「楽しい」というのだ。女優としてデビューしてから3年という時間が経過したが「当初からお芝居が楽しいという思いで女優さんの仕事をしてきているのですが、その思いは今もまったく変わっていません。もちろん大変でつらいことはありますが、それをひっくるめて、楽しめる根性は持っていると思います」と強い視線で語る。

 「愛唄」については「すごくピュアなお話で、私が演じた凪のセリフに励まされることが多かった」と魅力を語る清原さん。病と闘いながらも、ほとばしるような命の輝きを表現する彼女の演技は、今作の大きな魅力の一つになっている。(磯部正和/フリーライター)

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