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アンジェリーナ・ジョリー:カラスのディアヴァル役のサム・ライリーと「マレフィセント2」語る 次作は日本が舞台?

 米女優のアンジェリーナ・ジョリーさん主演の映画「マレフィセント2」(ヨアヒム・ローニング監督)が、10月18日から全国で公開された。それに先立ち、ジョリーさんとマレフィセントに仕えるカラスのディアヴァルを演じたサム・ライリーさんがこのほど来日。今作について会見で語った。

 ◇マレフィセントの邪悪さの根源は過去に負ったトラウマ

 前作「マレフィセント」(2014年)で、マレフィセントの“真実の愛”によって永遠の眠りから覚めたオーロラ姫(エル・ファニングさん)。今作ではその数年後、オーロラ姫が、アルステッド国のフィリップ王子(ハリス・ディキンソンさん)から求愛され、婚礼を心待ちにするオーロラ姫と、“娘”の結婚を素直に祝うことができないマレフィセントの前に、邪悪なたくらみが待ち受けるというストーリー。

 マレフィセントは、ディズニー・アニメーション映画「眠れる森の美女」(1959年)で初めて姿を見せたキャラクターで、ディズニー映画の中でもっとも恐れられる悪役(ヴィラン)だ。しかし、彼女が悪の化身となったのには、それなりの理由がある。

 ジョリーさんは、「彼女(マレフィセント)は無垢(むく)な存在でした。でも、傷つけられ、翼を奪われ、それがトラウマとなってしまったのです」と1作目を振り返りつつ、「人間は誰でも、傷ついたり失ったりすれば変わってしまいます。特に女性は、身体的な変化はもとより、多くのことを経験します。その中で、何か大きなものを失ったり傷ついたりすると、それがトラウマとなり、自分が本来持っていた柔らかさを失ってしまうのです」と話し、そういったことを具現化したキャラクターが、マレフィセントだと説明した。

 ◇マレフィセントとディアヴァルは「長年連れ添ったカップルのよう」

 そんなマレフィセントを支え続けるのが、ライリーさん演じるディアヴァルだ。ディアヴァルは、人間に捕まったところをマレフィセントに助けられたカラスで、以来、マレフィセントに忠誠を尽くしている。ライリーさんはディアヴァルについて、「ディアヴァルは誰よりも早く、マレフィセントの内面にある傷を見抜き、同時に、一見怖いながら、彼女の中にある温かさや柔らかさに気づいていました」と指摘する。

 今作では、そのディアヴァルとマレフィセントの関係が、より深化されて描かれている。ジョリーさんは「クレイジーな言い方かもしれませんが」と断った上で、「この2人の関係は完璧だと思います。お互いを知り尽くし、受け入れ合っている。互いへの愛情と理解を持っているのです」と解説。ライリーさんもまた、前作でディアヴァルを演じながら気づいたことがあり、それは、「台本に書かれていること以上のつながり」、つまり「口げんかをしながらも仲のいい、長年連れ添ったカップルのような関係ではないか」と推測する。

 これまで、「死んでしまう役が多くて、同じ役を2回やったことがなかった」と苦笑交じりに明かすライリーさん。だからなおのこと、再びディアヴァルを演じ、マレフィセントとの関係において、「ユーモアの部分をさらに深めていけることが、とても楽しみでした」と振り返る。そして、アルステッド城で開かれる晩餐(ばんさん)会に招待されたマレフィセントが、ディアヴァルから笑顔の作り方を指導される場面を、「チャーミング」と表現していた。

 ◇次回はオーロラ姫は母に!?

 前作から5年がたつが、それは、「語れる価値がある物語ができるまで待った」(ジョリーさん)からだという。その「語れる価値がある物語」の一翼を担うのがオーロラ姫の成長だ。ジョリーさんは「1作目は、子供だったオーロラと(マレフィセント)の関係を描きました。今回は、若い女性に成長したオーロラとの関係が描かれていきます。当然、その年齢につきものの結婚や、その先の人生が関わってくる物語になります」と話し、「となると3本目は、オーロラが母になったら、という物語になるかもしれません」と、さらなる続編をにおわせる。

 そして、「これまで2本作りましたが、今はまだイングランドという狭い範囲しか描かれていません。でも世界は広いのです。その点、私たちは飛べますから(笑い)、日本での『マレフィセント』も考えられるかもしれません。そうなると楽しいですね」と日本のファンも期待に胸膨らむコメントを披露。

 ライリーさんも「1作目は、『眠れる森の美女』をベースに、そこに登場するキャラクターを自由に動かし、いろいろな観点や考えを加えて作られました。僕自身は、大好きなキャラクターをまた演じられてうれしかったし、結果にすごく満足しています」と、今作の出来栄えに胸を張った上で、ジョリーさんのコメントを受け、「(シリーズ)3のアイデアもいいですね」と、笑顔で続編制作を後押しした。

 今作に込めたメッセージを、「家族というものに血のつながりは必ずしも必要ではありません。この世界の中でお互いを見つけ合い、家族を作ることができるのです。私自身の家族が、そうであるように」と、自身の経験を踏まえ語っていたジョリーさん。同時に、「ダイバーシティ(多様性)には、互いを受け入れる強さがあると私は信じています。そのことも皆さんに受け取ってほしい」と願っていた。

 会見のあと別室に移り、墨絵師の御歌頭(オカズ)さんが、今作をイメージして描いた墨絵の前で写真撮影が行われた。墨絵にはジョリーさんとライリーさんのサインが入り、また、マレフィセントの赤い唇は、ジョリーさんが色付けしたという。

 「マレフィセント」の続編となる今作は、前作から数年後が舞台。穏やかに暮らすマレフィセントとオーロラ姫の絆が引き裂かれ、マレフィセントを再び邪悪な存在へと連れ戻そうとする敵が忍び寄る。オーロラ姫の婚礼の日にかけられた“新たなる呪い”を巡り、マレフィセントの“究極の愛”が試される……という物語。

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