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長谷川京子:色気は「声」「鍛えた体」「知性」から  仏女優に憧れ

 1月27日に世田谷パブリックシアター(東京都世田谷区)で幕を開ける舞台「メアリ・スチュアート」で、16世紀末のスコットランド女王メアリ・スチュアートを演じる女優の長谷川京子さん。41歳になり、2人の子供を育てながら初のタイトルロールを務める舞台に臨む。「色気のあるものが好き」と話す長谷川さんに、色気や恋愛観について聞いた。

 ◇エマニュエル・べアールに憧れ 「色気や湿度のあるものが好き」

 20代の頃から仏女優エマニュエル・べアールに憧れ、「色気のあるものや、湿度のあるものが、一貫して好きだった」という長谷川さん。どんなところに色気を感じるのか聞くと「声」「鍛えた体」「知性」の三つを挙げた。

 「私の知り合いには『40歳を過ぎてから急にモテるようになった』って言う人が多いんです。いろんなことがどうでもよくなってから、逆にモテ始めたって。それこそ30代前半くらいまでは、若さが失われることに焦りを感じる瞬間もあったかもしれません。でも若い頃とは美の基準や質も全然違うのに、そもそも比べようがない。もし周りに20代の女性と比べるような男の人がいても、そんな人は相手にしなければいいんです」とちゃめっ気たっぷりの表情で笑う。

 「人の恋愛に何かを言う権利はない」と考えているといい、MCを務めるガールズトークバラエティー番組「グータンヌーボ2」(カンテレ)では「ゲストの話を聞き出して面白がりはしても、それに対して良いとか悪いとかはジャッジしない」のがポリシーだ。

 両親が厳格だったことから「常識的な価値感はものすごく根付いている」と自己分析しつつ、「必要以上に倫理観に縛られる必要はない」と声を大にする。子育てに関しても「『食べるときはお行儀良くしなさい』とか『お箸はちゃんと持ちなさい』って、いつも小言ばかり。でもやるべきことさえちゃんとしていれば、それ以外のことについてはできるだけオープンな方がいいと思う」と考えている。

 ◇自分なりの「メアリ・スチュアート」をつかみたい

 舞台「メアリ・スチュアート」は、政変によって国を追われ、遠縁にあたるイングランド女王エリザベスのもとに身を寄せたものの、イングランドの王位継承権をもつメアリを恐れるエリザべスによって幽閉されたスコットランド女王メアリ・スチュアートの過酷な運命を描く。

 演出は、最も注目を集める演出家の一人・森新太郎さん。エリザベス女王をシルビア・グラブさん、メアリ・スチュアートの乳母を鷲尾真知子さんが演じるほか、吉田栄作さんらが出演する。

 3週間にわたる同公演に向け、関連する映画や資料を通じて当時の宗教観や時代背景も掘り下げつつ、体幹も鍛えながら「自分なりの『メアリ・スチュアート像』をつかみたい」と言う長谷川さん。「ベテランの先輩方がたくさんいらっしゃる現場でもあるので、吸収できることは何でも吸収したいと思っているんです」と周囲から学ぶ姿勢も忘れず、「まずはしっかり体調を整えながら、チケットを買って観に来てくださる方に、しっかり満足していただけるように臨む覚悟です」と並々ならぬ決意をのぞかせた。

 (取材・文・撮影:渡邊玲子)

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