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彼女がキレイな理由:本上まなみさん 北海道での撮影「改めて食の大切さを知った」 大泉洋にも感服

 映画「そらのレストラン」(深川栄洋監督、25日公開)で、俳優の大泉洋さん演じる主人公の妻役の女優の本上まなみさん。大泉さんとの仕事は今回が2度目という本上さんに、大泉さんと共演した感想や、撮影中のエピソードを聞いた。

 ◇同居中のカップルから、晴れて夫婦に

 映画は、北海道南西部に位置し、日本海に面した「せたな町」を舞台に、酪農をしながらチーズ工房を営む、大泉さん演じる設楽亘理(したら・わたる)が、仲間と共に、せたなのおいしい食材を使い、1日限りのレストランを開こうとする姿を描く。本上さんは、亘理の妻・こと絵を演じた。

 大泉さんとは、14年ほど前にバラエティー番組で、同居中のカップルという設定で共演して以来だ。今作の衣装合わせのときに大泉さんとは、「その節はどうもお世話になりました。同棲(どうせい)から結婚する運びになってよかったです(笑い)」とあいさつし合ったという。当時と今回とでは、大泉さんへの印象は基本的に変わらず、「初めて会ったときも、洋さんは洋さんのままで、特に何か面白いことを言ったり、したりということもなく、普通にしていらっしゃいました」と明かす。

 ただ、今回の大泉さんは主演であり、いってみれば現場では「リーダー」的存在。そのため「全体をとてもよく見てくださって、ここに出てくるメンバーが、みんな一緒に日々の生活を送っているというその空気感を、とてもよく考えて作ってくださっていたなと思います」と語る。

 ◇大泉洋の“座長”ぶり

 なんでも、撮影に入る前に「ある設定」が作られたという。それは、亘理の仲間を演じる岡田将生さん、マキタスポーツさん、高橋努さん、石崎ひゅーいさんが、「まあまあ売れない小劇団の団員」で、本上さんと大泉さんがそこの「客演」というもの。その設定のもと、「みんなで工夫し合って次の演目を決めたり、あそこのせりふはお前、出過ぎだろう(笑い)みたいなことを言ったり、そういう雰囲気を最後の最後まで持ち続けていました。お陰で、撮影に入る前からみんな仲がよくて、楽しく演じられました」と振り返る。

 「大泉さんは、そういう空気を作ってくださる天才だと思いました。それに、みんなを一生懸命もてなしてくれるんです。これがおいしいとか、ここに行くといいとか、撮影が休みのときは、ここで楽しいものがあるとか、これは食べるべきとか、ホテルはここに泊まったらいいとか、全部、教えてくれるんです。で、電話しておいたから、と。忙しい中でそれをみんなに対してしてくださるという、やっぱりすごい人だなと思いました」と大泉さんのもてなしに感服する。

 ◇今作で学んだことは…

 今作を観賞すると、食の大切さを改めて思い知らされる。プライベートでも料理上手で知られる本上さんに、自身が今作への出演で学んだことを聞くと、撮影で世話になった牧場で飼育されている牛と、岡田さんが演じる神戸陽太郎が、自分が育てた羊の肉を食べて涙をこぼすシーンを思い出しながら、「私はすごく(毛針を使って魚を釣る)フライフィッシングが好きで、魚は触ったり、ときには(釣った魚を)食べたりするんですけど、やはり牛などの大きい動物となると存在感が全然違うんです」と語る。そうやって牛や羊に実際に接することで、「より一層、命というものに対して、自分がいかに遠く離れたところで普段暮らしてきたかということに思いが至った」という。

 また、実際にチーズ作りに従事している人たちから話を聞くことで、搾乳した状況や、そのあとの気候、さらに熟成の期間など、「さまざまな製法の違いで、一つの食材が出来上がっていく」ということ、また、そこには「人間がコントロールできる部分とできない部分ある」ということを知り、「本当に勉強になりました。改めて食事というものや食べ物の大切さ、作ってくださっている方たちの存在の大きさというものを感じました」としみじみ語る。

 次回は、休日の過ごし方や子育て、さらに10年後について聞く。

 <プロフィル>

 ほんじょう・まなみ 1975年5月1日生まれ、東京都出身、大阪育ち。女優として、映画、ドラマ、CMに出演するほか、情報番組のコメンテーターやナレーター、声優などを務める。文筆家としても活躍し、エッセーや絵本の翻訳など多くの作品を発表している。主な映画出演作に「まほろ駅前多田便利軒」(2011年)、「ツナグ」(12年)、「バンクーバーの朝日」(14年)、「二度めの夏、二度と会えない君」(17年)などがある。

 (取材・文・撮影:りんたいこ)

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