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注目映画紹介:「イントゥ・ザ・ストーム」 竜巻の脅威を一人称視点の映像で臨場感たっぷりに描く

 竜巻の脅威を迫力の映像で描く「イントゥ・ザ・ストーム」(スティーブン・クォーレ監督)が、22日から全国で公開される。「体感型ムービー」をうたうが3Dではない。しかし、竜巻の怖さは十分伝わってくる。

 米中西部のコロラド州で、ドキュメント映像を撮影すべく、竜巻ハンターチームが数カ月にわたって竜巻発生の場所を探していた。そしてついに怪獣並みの破壊力を持つ巨大竜巻が発生。ハンターチームは発生場所へ向かう。一方、地元の高校では、自分の学校に息子2人を通わせている教頭が竜巻襲来に備え、その日予定されている卒業式を延期しようとするが、校長は断行。教頭の懸念通り、竜巻は学校に襲いかかる……という展開。

 飛んでくる車、竜巻に巻き上げられるジャンボジェット機、なぎ倒されていく建物……。一体どうやって撮ったのだろうという映像の数々が続く。VFXだと承知しているが、それにしてもなかなかの迫力だ。竜巻の中央に入った時、さらに竜巻に吸い上げられた時の様子をも映し出す。登場人物たちが撮ったという設定で、ハンディカメラや携帯でとらえた映像を使用する“一人称視点”で語られていることが、臨場感をさらに後押しする。ハンターチームが乗り込む竜巻仕様の装甲車にも驚かされた。その一方で、行方不明の息子探しに奔走する教頭の姿をとらえ、観客の涙腺を緩ませることも忘れていない。

 日本ではあまりなじみのない俳優が多く出演しており、そのことが、誰が生き残るのかを分からなくさせ、緊迫感を増幅させる。その中で、キラリと光る俳優が一人。最初は“堅物の教頭”としか映らず、すっきりとした顔立ちだったので分からなかったが、よくよく見るとそれは、リチャード・アーミティッジさんだった。映画「ホビット」シリーズで演じているひげ面のトーリン・オーケンシールドとはえらい違いで、その変わりようにも驚かされた。映画は22日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(1978年)と「恋におちて」(84年)。

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