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映画「PRINCE OF LEGEND」で鏑木元を演じる飯島寛騎さん(左)と久遠誠一郎を演じる塩野瑛久さん

飯島寛騎&塩野瑛久:2人が語る“特撮経験”の強み 身につけた「表現力」と「動じなさ」 

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 「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の片寄涼太さんらが出演する映画「PRINCE OF LEGEND」(守屋健太郎監督、21日公開)に俳優の飯島寛騎さんと塩野瑛久さんが出演している。同作は14人のさまざまな王子たちが「伝説の王子」の座を目指す姿が描かれており、飯島さんは片寄さん演じる“セレブ王子”朱雀奏の第二側近の“下克上王子”こと鏑木元、塩野さんは奏の第一側近の“メガネ王子”こと久遠誠一郎を演じる。飯島さんは「仮面ライダーエグゼイド」、塩野さんは「獣電戦隊キョウリュウジャー」と、実は特撮ドラマ経験者という共通点がある2人に、特撮経験から得たものや今作の撮影エピソードなどを聞いた。

 ◇“王子役”の葛藤と苦労 奏・片寄さんとの撮影秘話も

 今作は「HiGH&LOW」をプロデュースしたHI-AXチームの新プロジェクト。連続ドラマが2018年10~12月に日本テレビほかで放送された。映画では、聖ブリリアント学園で3年に1度開催される「伝説の王子選手権」をメインに14人の王子たちが「三代目伝説の王子」の座を巡って聖戦を繰り広げる姿が描かれる。

 劇中では、奏の側近でありつつ、それぞれ“下克上王子”、知識が豊富な“メガネ王子”と、「伝説の王子選手権」に出場する“王子”でもある。王子らしさを出すために、意識したこととは? 飯島さんは「チーム奏は『セレブチーム』なので、映画でもしっかりした姿勢や作法をさせていただきました。奏や誠一郎とかぶらない元ちゃんだから『可愛い一面もありだな』と、2人とは違うところが出せたら」と明かし、塩野さんは「最初に台本を読んだとき、王子というより秘書官という印象が強かったので、秘書っぽい役作りはしていました」と説明する。

 普段はあまり演じることのない“王子”という役柄。「頭の中をお花畑にするのは、最初はすごく悩みました。ファンタジックなせりふもあったので、どう違和感なく伝えられるんだろう……というのは、悩みましたね」と苦労を語る飯島さん。塩野さんもうなずき、「他のチームと比べて『チーム奏』は言葉遣いが二次元チックというか、上品なんです。ある意味ファンタジーの世界なので、そのファンタジー感をどこまで出すべきかはすごく悩みました。二次元っぽく演じるか、三次元に寄せるか、その境目が難しくて。他のチームとも絡むので、ファンタジーに寄せると変な浮き方をしてしまうし、ナチュラルなしゃべり方をすると『言わされている感』が出る。そのはざまで闘っていました」と葛藤を打ち明ける。

 「チーム奏」として、塩野さんは片寄さんとの話し合いを重ねたという。「ドラマから映画にかけての、奏の心情のバランスが難しくて、涼太が頭を悩ませていたんです。それで『どうしたらいいかな』と相談してきてくれて。そういうことを聞いてくれるんだと思った」と片寄さんとのエピソードを明かし、「僕らはあくまで、奏の行く道についていく、という気持ちでいるキャラクターなので、涼太自身がぶれているより、はっきり行動してくれた方がリアクションできるんです。だからそこで悩んでいることを言ってきてくれたのがうれしかった。僕らも動きやすくなりました」と笑顔を見せる。

 劇中では個性的な王子を演じている2人だが、自身の中に“王子”的な一面はあるのだろうか。そう聞くと、塩野さんは「根拠のない余裕感」と笑う。「いろんなことに、あまり動じないです。じたばたしないし、動じない。そういう部分は多少あるかなと思います」と話す。また、飯島さんも「自信ですかね。よく分からない自信」と明かし、「昔から、やってもいないことでも『絶対できる』という自信はあったので、そういう面」と自分の中の“王子”な一面を語る。そんな2人が、今作のキャストで最も「王子っぽい」と認めるのは片寄さんだ。飯島さんは「違和感なかったですね。現場でお芝居させていただいて、『あ、王子だな』って(笑い)。納得しました。落ち着いているんでしょうね。礼儀正しいし、謙虚だし」と語る。

 ◇“特撮ドラマ”経験で得たものは… 

 ところで、飯島さん、塩野さんといえば、共に特撮ドラマ経験者だ。飯島さんは「仮面ライダーエグゼイド」(テレビ朝日系)で主人公の仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢を演じ、塩野さんは「獣電戦隊キョウリュウジャー」でキョウリュウグリーン/立風館ソウジを演じた。特撮ドラマの経験は、今の2人にどう生きているのだろうか。デビュー作が「エグゼイド」だった飯島さんは「何も知らない状態から現場で教えていただきました」といい、「(仮面)ライダーがあったからこそ、表現力とか(身に着いた)。特撮のお芝居って大げさというか、はっきり体や顔で表現しないと伝わらないんです。『大きく伝える』ということが勉強になりました」としみじみと振り返る。

 一方、塩野さんは、“王子な一面”で明かした「動じなさ」を特撮経験の強みに挙げる。「もしかしたら動じなくなったのは、ナパーム(特撮で使用される火薬)をいっぱいぶっ放したからかもしれないですね。ここ最近では、どの戦隊よりも多かったんですよ。何かあればバーン!なので(笑い)。動じちゃだめで、走りながらやって、こけたらもう一回撮り直し。暑い日の熱いナパームも、寒い日の温かいナパームも経験しました。そういう経験が余裕につながったのかもしれない(笑い)」と楽しそうに振り返る。

 塩野さんは、こうした特撮経験がキャリアの分岐点にもなったという。「確実に分岐にはなりました。それほどキャリアがあったわけじゃなかったので。現場では、僕以外は経験者が多くて、すでに他の現場で結構やっている人たちが集まっていた戦隊だったので、場慣れした空気が現場にずっと流れていて、ピリッとしていました」と語る塩野さん。一方、飯島さんは「僕らと真逆だ」といい、「僕らのキャストはわりと俳優歴が浅かった。和気あいあいとしていましたが、おのおのライバル視していて、レベルアップをさせていただいたことが今に生きているという感覚があります」と説明する。

 最後に、2人に今後について聞くと、塩野さんは「今はとにかく露出なのかな、と思っています。いろんなことを経験して、自信が持てるようになってきたので、それをどんどん発揮していきたい。今までに身に着けたものを出していければと思います」と前を見据える。飯島さんも「ここ何年か経験させていただいて、いろいろ吸収して、やりたいことがどんどんできてきて、支えてくださる方も増えてきました。人生、1回しかないから『成功しても失敗しても自分のやりたいように突き進んでいきたい』という気持ちは強いですね。役者ならでは、かつ飯島寛騎でしかできないことをどんどん追求していきたいと思います」と力強く語った。

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