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(C)嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会

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嶽本野ばら:「この作品で引退してもいいと思えた」 生きづらい人へ向け小説を執筆 映画化「ハピネス」への思い語る

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 嶽本野ばらさんによる2006年刊行の小説を実写化した公開中の映画「ハピネス」(篠原哲雄監督)のトーク付き上映会が6月10日、東京都内で開かれ、原作者の嶽本さんらが出席し、原作と映画の制作秘話などを語った。嶽本さんは「この作品で引退してもいいとまで思えた作品」と明かした。

 映画は、残り少ない日々を命の限り輝かせようとする少女・由茉(蒔田彩珠さん)と、彼女の夢を全力で支えようと奔走する少年・雪夫(窪塚愛流さん)のラブストーリー。雪夫の姉で一番の理解者・月子を橋本愛さんが演じた。

 嶽本さんは「生きることと死ぬことを、ずっとテーマにしてきた」とし、僕の周りには生きづらい人が集まってきて、そういう人たちは僕の中では日常だったし、僕も生きることが全てとは思ったことがない。生きづらい人たちに届けばいい、そんな思いで書き続けていた」と自身の執筆活動を振り返った。

 続けて「そう考えると『ハピネス』はひとつの結論が出せたかなって作品。この作品で引退してもいいとまで思えた作品」と話した。

 映画化にあたって、原作では一人称だった登場人物に嶽本さんが命名した。雪夫と月子の名前について「実は雪夫のお母さんの名前が花子。父親は雪月花にそろえるこだわりがあった。だから雪と月を入れる名前にしたかった」と裏話を披露。名前の画数にも気を使い、姓名判断で縁起のいい画数の名前をつけていると話し、「そういうところ作家でしょ。みんな褒めて!」と観客を笑わせた。

 自身は映画の「ファンになった」と言い、試写も含めて「4回見に行った」。「見るたびに感情移入する登場人物が変わる」と語った。

 最後に「実は映画の舞台あいさつに登壇することは今回が初めて。原作者って親のようなもので、作品も見てくれたみんなも僕にとってはかわいい子ども。楽しんでほしい」とコメントした。

 同日はデザイナーの東佳苗さんも出席した。

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