俳優の中条あやみさんが、4月26日~6月15日に大阪市立美術館(大阪市天王寺区)で開催される特別展「日本国宝展」のオフィシャルサポーターを務める。気になる国宝や、着物を着ることへの思いを聞いた。
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◇着物を着ると“人が変わる”
中条さんは、4年ほど前に茶道を習い始めた。
「動機はすごく浅はかで(笑)、和菓子を食べたいと思って始めました。北見宗雅先生にご指導いただいているんですが、強さやしなやかさなど、『こういう女性になりたいな』と思わせてくれる方です。続けているうちに、おもてなしの精神や“わびさび”などを知って、世界が広がっていくのを感じています。日本のいいところがギュッと詰まっていて、五感で楽しめるんです」
茶道に触れたことで、器や着物など、日本の伝統的な文化への興味も高まっている。「着物はまだまだ初心者で勉強中」というが、自身が選んだというこの日の装いを紹介してくれた。
「松竹梅の柄が描かれているので、縁起物でもありますし、あえて色を引くことで、すてきな刺しゅうや、柄の美しさがより一層引き立つところが、足し引きが絶妙だと思って選びました。また、帯は人間国宝の北村武資さんのものを着けさせていただいています。
着物を着ると、“人が変わる”とよく言われます。おおらかな気持ちにもなるし、姿勢が正しくなるし、“芸術を着ている”ということで身が引き締まりつつ、気持ちが上がることもあります。私もこういう思いを残していきたいし、自分の着物を持ちたいと思っています」
◇知識欲が高まり「人として豊かになりたい」
2月に28歳になった。「年を重ねていくことが楽しみ」だと笑顔で語る。
「お恥ずかしい話ですが、茶道を始める前は、歴史などにもまったく興味がなくて、過去なんていらないぐらいの考え方だったんですけど、歴史を知れば知るほどわくわくするし、今の自分があるのも、この歴史があってこそだなと思えるようになりました」
今、知識欲が高まっているといい、「これから年齢を重ねると、もっと学びが楽しくなってくるんだろうなと思います」と想像する。
「25歳ぐらいまでは、『大人なのに』って言われたり、『まだ子ども』って言われたり、難しい年齢でもありました。20代後半になって、やっとちゃんと大人として見てもらえるようになってきたのかなって思っています。大人として話を聞いてもらえる機会も増えてきたので、より自分の言葉を持つとか、人として豊かになっていく必要を感じていて、そうなりたいです」
そんな中条さんが幸せを感じるのは「母と銭湯に行く時間」。
「地元・大阪が大好きで、月に1回は帰っているんですが、そういうときに母とよく一緒に銭湯に行くんです。“なんでもない日常”みたいな、そういう時間がすごく幸せです。1日の疲れを癒やすお風呂の時間はけっこう贅沢(ぜいたく)な時間だなって思っています」
◇関西弁は世界共通言語?
中条さんがオフィシャルサポーターを務める「日本国宝展」は、全国から約130点もの国宝を集めた展覧会。日本の美の歴史をたどることができる。サポーターの就任にあたり、「歴史や日本文化を学びながら、魅力を広めていきたい」と意気込む。
「見どころの一つが、教科書にも載っているような、有名な国宝が多数展示されることです。個人的には金印『漢委奴國王(かんのわのなのこくおう)』を見るのが楽しみ。実物は2センチぐらいのとても小さなものだと聞きました。しかも農家の方が田んぼで偶然発見したと聞いて、驚きました!」
大阪では万博も始まり、「日本の魅力を大阪から世界に発信できる」と期待も膨らませる。
「交通も便利ですし、ご飯も安くておいしい、最高の街。きっと海外の方も気に入ってくださると思います。ときどき、関西弁って世界共通言語なんじゃないかなって思うときがあって……。海外で、行列の割り込みをされたときに、関西弁で思わず『並んでんねんけど』って勢いよく言ったら、ちゃんと伝わったので、関西弁の勢いってどこでも通じるなと思ったんです(笑)」
<プロフィル>
なかじょう・あやみ 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。2011年モデルデビュー、翌年に女優デビューを果たす。「白衣の戦士!」(日本テレビ系)、「TOKYO MER」(TBS系)、映画「あまろっく」などの話題作に出演。自身初のフォトエッセイ「明日へのことば」(幻冬舎)が発売中。4月25日に映画「#真相をお話しします」、10月17日に映画「ストロベリームーン」が公開予定。
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