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取材に応じた石田ゆり子さん
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取材に応じた石田ゆり子さん

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石田ゆり子:「カッコよく、ちゃんと年をとりたい」 “奇跡の○歳”は褒め言葉?と感じることも

 俳優の石田ゆり子さんが出演する「TOKYO MER~走る緊急救命室~」がスペシャルドラマと劇場版で帰ってくる。2021年の連続ドラマから続き、救命医療チームを推進する東京都知事・赤塚梓を演じた。年齢を重ねてますますチャーミングな石田さんに、コロナ禍の生活で感じたことや50代からの生き方、そして新作の撮影秘話を聞いた。(取材・文/服部広子)

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 ◇人の幸せが自分の幸せ 考え方に変化

 「コロナ禍は社会全体が自粛ムードで、世の中の人がみんなマスクをしていたから人の顔は覚えられないし、気分が落ち込むこともありました。ただ、もともとひっきりなしに人に会うことがあまり好きではないので、わりと普段に近い生活だったと思います。

 体を鍛えたり、本を読んだり、映画を配信で見たり、あと、Zoomで英語やギターのレッスンを受けて、『リモートで全部できるんだな』と実感したり。それなりに楽しんではいましたが、心にぽっかり穴が開いたような、時空を飛んでしまったような感じがどうしてもありますね。しかも、そうこうしているうちに3歳、年を重ねてしまって、やりたかったことができなかったと少し落胆している自分もいます」

 働き方や価値観が大きく変化したと言われているが、石田さんにも心境の変化などはあったのだろうか。

 「仕事は一人でするものではありません。与えられた環境の中で自分ができるベストを考え、全力を尽くす。その考えに変わりはないけれど、年齢を重ねるにつれて、ここから先の自分について簡単にイメージできなくなりました。

 例えば、10年後はどうなっているのだろう? と逆算して人生を考える。そして今後、自分がどういう人生を歩んでいきたいのかを思い浮かべて、常に3年先のことを考えて生きていかなければならないと思う。50歳を超えた途端、もう夢みたいなことを言っている時間はないなって、とても現実的になりました」

 また、以前より増して人のことを考えるようになったとも。

 「“人の幸せが自分の幸せ”という考え方をしないとうまくいかないような気がしますね。自分の行動によって誰かが笑顔になるとか、そういうモチベーションがないとやる意味を感じられない。そういう意味では、自分のためだけに何かをやるということがほとんどなくなりました」

 昨年、石田さんが立ち上げた、飼い主のいない犬たちや猫たちに医療を届ける「ハナコプロジェクト」は、そんな思いを実現させたもの。

 「私は動物が大好きで、彼らに癒やされて日々の生活を送っています。1匹でも多くの動物たちを幸せにしたいという思いから、仕組みを作って社会に投げかけました。まだ始まったばかりのプロジェクトですが、みなさんの手で広がっていけばいいなと思っています」

 ◇無理して人に合わせずマイペースで

 エイジレスな美しさとチャーミングな魅力、それでいて芯のある強さを持ち、世の女性が憧れる存在。そんな自分についてどう思っているか尋ねると、「思いっきり年齢を感じています(笑い)」と本音を明かした。

 「若く見えると言っていただくのはとてもうれしいですが、私が今、53歳であることは変えようがないでしょう。正直なところ、年齢のことをしょっちゅう言われることには、かなり抵抗がありますし、“奇跡の○歳”と言っていただいても、褒め言葉として受け取れない。『奇跡ってつければ、年齢を言っていいと思ってるの?』といつも思っちゃう(笑い)。年齢を重ねたら重ねたなりのよさがありますし、53年生きてきた意味もある。私は、カッコよく、ちゃんと年をとりたいと思っています」

 石田さんのように“カッコいい大人”になるための心得を聞くと……。

 「私のどこがカッコいいんだろう? という感じですが、すごくマイペースだから、そう思われるのかもしれないですね(笑い)。無理をしてまで人に合わせる必要はないと思っているので、自分の意思で行動するようにしています。また、昔から何か心に引っかかると思ったら、その都度、きちんと伝えるように心がけてきました。

 そういう強さはおそらく、小学生の時に水泳選手だったことなど、子供のころに頑張った経験があるからなのかもしれないです」

 ◇一難去ってまた一難… 劇場版は困難だらけ

 石田さんが都知事を演じる「TOKYO MER~走る緊急救命室~」はおととし、TBSの「日曜劇場」で放送された。鈴木亮平さんがスーパー救命救急医役で主演する救命医療ドラマ。4月28日に劇場版が公開されることを記念して、スペシャルドラマ「TOKYO MER ~隅田川ミッション~」(TBS系)が4月16日午後9時から放送される。

 「私が演じる都知事の赤塚は、いつも都の危機管理対策室で鈴木さんふんする喜多見先生たちを見守っています。事故現場で何が起きているかはもちろんわかっていますが、自分の撮影時に、鈴木さんたちのお芝居を見ているわけではないので、完成した映画を見て、こんなに大変だったの!? と驚きました」

 劇場版では、横浜ランドマークタワーで発生した爆発事故に、都知事直轄の救命医療チーム「TOKYO MER」が立ち向かう。石田さんは厚生労働省の官僚で医師でもある音羽尚を演じる賀来賢人さんとの共演シーンが強く印象に残っているという。

 「赤塚のせりふには情報が詰まっているんです。専門用語も多いですし、とても難しくて、3~4行でも頭がとても疲れます。賀来さんと歩きながらせりふを交わす時は、なにがなんだかわからなくなっちゃうくらいピンチでした(笑い)。

 とにかく、次から次へと危険が迫り、一難去ったらまた一難。どれほど困難が待ち受けているの! っていうほど盛りだくさんです。連続ドラマの時より一段とスケールが大きくなって、みなさんの期待を裏切らない内容になっていると思います」

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