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管理栄養士・浅尾貴子:みそ汁は1日1杯がおすすめ「“飲む”というより“食べる”感覚で」 「あさイチ」みそ汁&とん汁特集でアドバイス

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 管理栄養士の浅尾貴子さんが、情報番組「あさイチ」(総合、月~金曜午前8時15分)の「教えて名店さん!みそ汁&とん汁」(11月13日放送)コーナーに出演。視聴者に向けてアドバイスしたコメントに加えて、みそ汁に関するプラスアルファの情報や管理栄養士の仕事について聞いた。

 ◇みそは3種類を冷凍保存 意外な食材を具にしたり、出汁に加えたりも

 「教えて名店さん」は、番組内で2019年10月から放送している人気企画で、あるメニューについて、各地の名店の技を紹介している。第1弾は「たまごサンド」を取り上げた。食に関する役立つ情報を伝えようとする中で、他の料理番組と差別化を図るため、「たまごサンドが主人公のいわゆるドキュメンタリー映画みたいな形にしたいなと思い、一眼レフカメラを使って、ちょっと映画チックに撮りました。スローモーションを使って、こんな手技をしてるんだっていうのを滑らかにゆっくり見せるような工夫をしました」(ディレクターの沼尾純也さん)という。

 扱うメニューは、「カレーやハンバーグなどメインはあえて外してます」(沼尾さん)と王道をあえて外してサイドメニューに焦点を当てている。第16弾となる今回は、冬場なので温かいものをということになり、「みそ汁ととん汁」を取り上げ、鹿児島の温泉宿の具だくさんみそ汁や新潟のとろ~りとん汁などが登場した。

 今回、アドバイザーとして出演した浅尾さんは、当初から同企画に参加。「今回は作り方の中でもみそ汁を楽しく食べられる方法やちょっとした健康に良い情報を付加したところが私がお手伝いしたポイントです」と話す。

 浅尾さんは食塩の摂(と)り過ぎにならないようにするには「みそ汁は1日に1杯がおすすめです」という。

 「素材から出るうま味や出汁(だし)を使うことと野菜類で具だくさんにすることで、みその量を適切にしつつ、1日に何度も食べず、通常は1日1杯というのが私のルールです。カレー粉などのスパイスを活用することでみその量を減らせることも最近発見しました!」

 みそは鮮度を保つために、八丁みそ(豆みそ、愛知県のメーカー)と西京白みそ(白色の甘口みそ、京都府のメーカー)、米みそ(淡色辛みそ)の3種類を冷凍保存している。

 「私は常に3種類を保存していて、その中から白みそだけ使うとか赤みそ(八丁みそ)だけ使うとか、混ぜたりとアレンジして使っています。使い切るまで2、3カ月はそのまま冷凍庫に入れていますね。今は少人数家族が増えてメーカー推奨の消費期限で使い切れないこともあると思いますが、パックごとジッパー付きの袋に入れて冷凍するだけで、固まらないのでそのまま使えますし、すごく便利です」

 みそ汁には意外な食材を具にしたり、出汁に加えたりと「手間をかけずにおいしくなるようゲーム感覚で知恵を絞るのが好きです」と話す。

 「おかず代わりの一品にするときは、卵や肉、納豆を入れることもあります。トマトを入れることも。トマトはグルタミン酸が含まれるのでうまみ成分にもなりますから、極端な話をすると、出汁をとらなくても食べられます。出汁と具材をひたひたの割合で作って、みそを入れた後に豆乳を注いでひと呼吸煮込んで作るのもおいしいです! チーズも良く合います。みそ汁は“飲む”というよりも“食べる”感覚で、不足しがちな食材を補給する副菜として取り入れると良いですよ。野菜や芋類、豆製品、乳製品、魚の水煮缶詰めなどが、大人世代にオススメしたい具材です!」

 ◇朝ドラ「おむすび」で注目 管理栄養士の仕事とは?

 放送中の連続テレビ小説「おむすび」でヒロインの結(橋本環奈さん)が目指す職業、管理栄養士が注目されている。管理栄養士とはどんな仕事なのだろうか。

 管理栄養士の業務は、医療 企業(給食、スポーツ栄養を含む栄養指導、商品開発)のほかに、行政(自治体での健康づくり関連業務)や学校や福祉施設(給食と栄養指導)があるという。

 「病院など医療機関での臨床、または企業での給食、情報提供などが主な業務です。皆さんの健康維持に貢献しながら、食の楽しさと健康の価値を伝えられる仕事だと思います」と紹介する。

 浅尾さん自身は、「私は新卒から3年間企業で働き、朝食・昼食・夕食の調理(給食)と、献立作成や栄養指導などを経験しました。その知識や経験を、今は商品開発や栄養関連科目の指導で生かしています」といい、「社員食堂で働いていたときは、食材を楽しく豊かに食べてほしいという思いがあり、献立を考えたり、メニューを工夫をすると、食べに来てくれる人が増えると実感したとき、うれしいなとやりがいを感じましたね」と顔をほころばせる。

 管理栄養士を目指す人に向けて、「食べることは、全ての人に必要なこと。一生付き合える知識にはなるので自分自身にも生かせます。周囲の人を食で幸せにするような部分もあると思うので、すごく楽しい仕事ですし、やりがいもあると思います」と呼びかけた。

 自身は健康や美容について、「食事に関することでは、毎日野菜をしっかりとること、たんぱく質も十分にとるようにし、特に魚介類や豆類を食べるよう心がけています。その他では、疲れやストレスを感じたらたっぷり眠ることにしていますね。お酒は年々飲まなくなって、ここ5年くらいは月に1回程度です。その方が快適だと気付きました。年齢とともに体力や体調に変化があるので、習慣を柔軟に変えていくことも大切だなと感じます」と話す。

 最後に、30~40代の女性に向けて、「美容は健康の上に成立するものだと考えています。修復力など本来、体が持っている力を発揮するためにも、まずは土台の健康維持が欠かせません。結局のところ、睡眠、食事、適度な運動、ストレス解消、が大人のキレイポイントにつながるように思います!」とメッセージを送った。

 <プロフィル>

 あさお・たかこ 管理栄養士、フードコンサルタント、料理研究家、女子栄養大学専任講師。早稲田大学大学院商学研究科修了、食関連企業での商品開発専門職を経て現職。簡単料理や健康・美容に関する情報提供でNHK「あさイチ」やNHKラジオ第一などのメディアで活動中。レシピ作成や商品開発も行う。

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