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森香澄:来年30歳、縁を大事にまい進「気づいたら31歳になっていればいい」 “あざと女”役でドラマ主演 あざとさ演出の秘訣は「声」

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 元テレビ東京アナウンサーで、“令和のあざと女王”と呼ばれる森香澄さんが“あざと女”役で主演することで話題のドラマ「栞ちゃん 心の声を聞かせてよ」が12月13日午後11時15分~深夜0時15分にテレビ朝日(一部地域を除く)で放送される。森さんに、自身が演じる“あざと女”・栞との共通点やドラマの見どころ、話題を呼んだダイエット後の体作り、来年30歳を迎える心境や今後チャレンジしたいことなどを聞いた。

 ◇主人公のあざとさに共感 相手の行動の裏を読むスキルは局アナ時代に培う

 ドラマは、心温まる物語に見える「表」編を放送し、その後、同じ映像に主人公の心の声を入れた「裏」編を放送する異色の構成で、“あざと女”の建前と本音をリアルに描く。同じ映像を2度流す中で、「裏」編では「表」編でわからなかった主人公・栞の考えや表情の意味などの真相が判明する仕掛け。

 栞は、「すがすがしいほどの“あざと女”」というキャラクター。栞の本音と建前を演じる森さんは、役どころと自身が「割と近いかもしれない」と言って笑う。

 「私はあまりふわふわしているタイプではなくて、結構ズバズバ言うタイプ。ブラックという意味ではないけど、気になったこととかは、その場で本人に結構言っちゃいますね(笑)。栞はそれを心の中で思っている。だからその部分は少し違いますけど。根本の性格としては似ている部分はあるかもしれません」

 相手の行動の裏側の気持ち、いわゆる本音と建前に気づきやすいか方かと聞くと「そうですね。本当はどう考えているのかなって考えるタイプですかね」とうなずく。

 相手の行動の裏を深読みした結果、「うまくいったことの方が多いかも」といい、「深み読みをしすぎるということがないというか。こう考えているかもしれないからやめておこうとネガティブになるのではなくて、本当はこう思っているかもしれないから、こちらもちょっとプラスしてこういう行動もしておこうと、円滑に進めるために考えます」と行動の原理を説明する。

 その思考・行動の理由を「アナウンサーという職業柄かもしれない」と自己分析する。

 「例えば、スタッフのみなさんは撮影スケジュールが遅れているから急ぎたい雰囲気だけれど、今は演者さんたちが盛り上がっていて面白いから撮影したいだろうな。だから、この場面を撮影した後は急いで進めたいだろうな……というのを表情から読み取ってスムーズに進行するのがアナウンサーの仕事でもあるんです。そういう意味でも職業上、磨かれたスキルかもしれません」

 ドラマの見どころについて、「同じストーリーが2回流れるのは、なかなかユニーク。『表』と『裏』が違いすぎるので違うものとして楽しめると思うし、『裏』を見た後にもう一度、『表』を見るなどループにハマっていただけると面白いのでは。演技の幅を広げて挑戦したので、そこも注目していただけるとうれしいです」と語った。

 ◇ダイエット成功で話題に ドラマ撮影中はめかぶ、もずく、納豆チップスを常備

 あざとさを演出する上でもっとも重視することを聞くと、「一番大事なのは声」と挙げた森さん。

 「アナウンサーは声を使う職業なので、いろんな声を研究したり出したりしてきましたが、演出するあざとさは、あざとく見えなくちゃいけない。そうなると声のトーンを上げたり、語尾をちょっと上げたり跳ねさせたり、ちょっと鼻にかけたりとか、声質は重要かなと思います。ファッションやメークはあざといと言われることが多いけど、それは私があざといからやっているというより、自分が好きなもの突き詰めたらそう言われるようになりました」

 今年は7キロ減量したダイエットも話題になった。「今はキープという意味で、運動や食生活は続けています」と言う。

 「ランジェリー撮影のために体作りをしたのですが、写真集よりも引き締めたいという思いがあり、そこから数キロ落として引き締める体作りをしました。そこで食生活を変えたら健康的なものが好きになりました」

 さらに「ドラマの撮影では、今食べないといつ食べられるかわからない場合もある。撮影場所によっては、健康的なものを買いに行くことも難しいので、めかぶやもずく、納豆チップスなどを常備していました」と工夫を明かした。

 ◇30歳が「もう来たか」 忙しさにも慣れ「少し余裕が生まれた」

 2024年もさまざまな分野で活躍してきた森さんにとって、今年はどんな一年だったか振り返ってもらうと、「めまぐるしかったですね」としみじみ口にする。

 「ずっとドラマ、作品が続いていた印象。こんなに続けて出演させていただくことがありがたいです。1年前も忙しかったのですが、バラエティーで忙しくさせてもらっていました。去年の年末には『来年はもうちょっと落ち着いた一年にします』と言っていましたし、落ち着いて周りを見る予定だったんです。そんな去年より、めまぐるしい一年でしたが、余裕が少し生まれ、俯瞰して見ることもちょっとできた一年でした」

 自身で成長を感じたかと聞くと「慣れたなという感じですね」と謙遜する。

 「現状の忙しさと局アナの時の忙しさでは少し違う。日々の忙しさへの対応力がついたのと、それに慣れたことで、余裕が生まれたかなと思います」

 来年6月で30歳。「もう来たかという感じですね(笑)。今は、どちらかというと30代になるのが楽しみです」と期待を口にする。

 「より言葉に重みが出るのではという感じはしています。20代がどれだけ言葉を発信しても、20代だから、若いからで片付けられてしまう場合も多い。自分もそういう経験が多々ありました。30代、40代と年を重ねると、そういったことがなくなってくるとアナウンサーの先輩から聞いたので、そういう意味で楽しみだなという気持ちの方が大きいです」

 最後に、30代に向けての抱負と今後チャレンジしてみたいことを聞いた。

 「来年もきっと、めまぐるしく過ぎていくといいなと思っています。挑戦したいことは変わらず芝居で、舞台やミュージカルもやってみたいし、音楽にも関わってみたい。もちろん変わらずバラエティーも楽しんでやっていきたいし、いただいたご縁を大事にしていきたい気持ちは変わりません。

 30歳ということでアニバーサリー的なことはあると思いますが、27歳からフリーになって気づいたら29歳になっていたので、気づいたら31歳になっていればいいかな」

(取材・文・撮影:遠藤政樹)

 *……「栞ちゃん 心の声を聞かせてよ」は、今年3月末に脚本家・放送作家を引退した鈴木おさむさんが現役時代に執筆し、温存していたという“幻の企画”をドラマ化。森さん演じる栞の相手役を「EXILE」「FANTASTICS from EXILE TRIBE」の佐藤大樹さん、「OCTPATH」の太田駿静さん、「INI」の後藤威尊さん、丸山智己さんが演じる。

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