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三浦理恵子の美容ライフ:第52回 メディカルアロマ~対談編・下 大工原忍さん

 今回も前回に引き続き、メディカルアロマのスペシャリスト、大工原忍さんとの対談をお送りします。

 ◇香りで体調や心境が分かる……大工原さん

 大工原さん:何か興味のあるアロマはありますか?

 三浦さん:色で目につくのは、紫とかブルーですね。

 大工原さん:これはシダーというむくみなどに効くヒノキのような香りですね。実は香りは本能の脳に働きかけるので、その時の好きと感じる香りで、体調や心境が分かったりするんですよ。それは色とも連動していたりします。読み解いていくととても深いんですよ。

 また香りは本能の脳に直接作用するものでもありますので、頭痛も、肩こりからなのか、自律神経からなのか、血管収縮型か拡張型かいろいろ考えてからブレンドしています。根本から治すためにも何が原因かを見極めるのは大事ですね。

 本能に作用する例として、例えばセミナーの時、鎮静系のアロマを配るとみんな寝てしまうんですよ(笑い)。逆にミントとか覚醒系のものを配るとシャキッとします。無月経の方がダマスクローズをかいでその場で(月経が)来たり。1カ月ほど便秘のモデルさんが整腸作用のあるバジルをかいだら10分後に来たり。ぴたっと合うとそういう効果が出る時もありますね。

 ◇ハンドソープや掃除機にアロマを投入……大工原さん

 三浦さん:大工原さんが日常でよく使う精油はどれですか?

 大工原さん:私はオレガノをカプセルにして飲みます。抗菌が強くて、O157やノロがぴたっと止まるんです。風邪にも効くので、風邪気味だなと思った時に、オレガノを市販のカプセルに2滴ぐらい入れて。原液だと胃も荒らしてしまうので、オリーブ油とかを入れて飲むんです。

 普段簡単にできるとしたら、ティッシュに精油を2、3滴たらしてそれをまず掃除機で吸うんですよ。それで掃除機をかけると熱風に抗菌もあるし、いい香りなので、おすすめです。掃除も楽しくなりますよね。私はオレンジとか柑橘系を使いますね。

 ハンドソープにちょっと精油を入れるだけでも抗菌が増しますよ。あと私はレモンの精油をコップに2、3滴入れてうがいをしています。加湿器や吸入器があったら、花粉症、風邪に効くユーカリラディアータを入れるとか。

 ◇女性ホルモンを高めてくれるアロマは?……三浦さん

 三浦さん:ローズ系が女性ホルモンを活性化させてくれると聞いたことがあります。ローズ系のおすすめや、他に女性ホルモンを高めてくれるものはありますか?

 大工原さん:ダマスクローズがローズの中で一番といわれています。でも女性ホルモンのエストロゲンの作用はなくて、どちらかというと女性力をあげるみたいな感じですね。お肌に塗ると弾力が増したり、収斂(しゅうれん)する作用があります。

 シソ科のクラリセージはエストロゲン作用があり、女性ホルモンを高める時に使うので、更年期や無月経の方におすすめです。更年期もその方によって症状が違うので、クラリセージをベースにその症状にあったものをブレンドしてご提案しています。

 ◇塩とオイルを混ぜることが大事……三浦さん

 大工原さん:むくみにはジュニパーがおすすめです。トリートメントで塗布はもちろん、浄化作用もあるので、塩に混ぜてお風呂に入るとすごくすっきりします。一般的な家庭のお風呂釜に対して30グラムぐらいの岩塩と3滴ぐらいジュニパーの精油を先に小皿などで混ぜてから湯船に入れてください。精油はそのままお湯に入れると浮いてしまい直接肌につくのと同じようになるので肌が荒れてしまいます。お塩と先に混ぜて入れることがポイントです。

 三浦さん:塩とオイルは混ぜることに意味があるんですね。いっぱい入れるのがいいんだと思っていました。知らないって怖いですね!

 大工原さん:気分や症状に合わせて精油を選んでください。呼吸器系にいい精油を使うと風邪の時は呼吸も楽になりますし、皮膚からも入るので、湿疹がある時は炎症を抑えるものを入れたりして。そうすることで毎日のお風呂も楽しくなりますよね。

 シャンプーに精油を入れてもいいと思います。例えばイランイラン。皮脂の分泌を調整してくれるので、香りは強いんですけど、シャンプーに入れると、あとで洗い流した時にほんのり香るぐらいになります。

 ◇手持ちの化粧水に精油を入れて手軽に美肌対策……大工原さん

 大工原さん:あと私はアロマ救急箱を自分で作っています。咳(せき)がでたらこれ、美肌にはこれ、傷口にはこれとか。あとはお酒飲み過ぎた時のものとか。肝臓にはワイルドキャロットなどセリ科のものがいいですね。

 三浦さん:それいいですね! ぜひやりたいです! 美肌用に手軽にできることってありますか?

 大工原:ゲラニオールというお肌の弾力回復の成分が入っているゼラニウムやパルマローザ、炎症を抑えるラベンダーなど、そういう精油を手持ちの化粧水にちょっと入れるのもいいですね。シミが気になったらレモン。レモンは光毒性で直射日光にあたると余計にシミになるので、夜用でレモンを入れたものを使ってもよいと思います。ワントーン白くなったという方もいらっしゃいますし、手のシミが取れたりという方もいらっしゃいました。

 ◇アロマは自分にとって必要不可欠……三浦さん

 三浦さん:アロマを生活に取り入れたことによって、変わったことはありましたか?

 大工原:病気がよくなりましたし、免疫力が上がりましたね。基礎体温も1℃くらい上がりました。あとはお薬を使わなくなったので、生活もちょっと楽しくなったというか豊かになったというか。

 三浦さん:好きな香りをかぐと気持ちが優しくなれますよね。自分の中に余裕ができたり。時間でも気持ちでもすべてにおいて、アロマは自分にとって必要なものになっています。

 ただ、専門的なことってやっぱりみんな知らないと思うので、もっと身近にみんなが手に取れるようになれるといいですよね。特にいいものを知って使った方がよりいいなあと改めて実感しました。

 ◇日本にフランスのようなアロマの薬局を……大工原さん

 大工原さん:日本って病気になってから病院に行きますよね。そうではなくて、病気にならないために予防するヨーロッパの予防医学の考え方の普及に役立てたらうれしいなと考えています。

 6人ぐらい遊んでいた子どもたちのうち1人がインフルエンザにかかっていたんですけど、手洗いやうがいに抗菌の精油を使って、夜寝る時にも抗ウイルス作用のあるユーカリラディアータを焚(た)く習慣を取り入れていた家庭のお子さんだけはうつらなかったんです。毎年病院に行きがちだったのが、今年から強くなりました、と言われるとうれしいです。

 風邪の菌も1個入ったら20分ごとに増殖していって、11時間後には50億個になるんですよ。その1個の時にきちんと抗菌作用のある精油などで手洗いやうがいをしていたら未然に防げるので、その手助けができたらいいのかなあと思いますね。

 三浦さん:最後に今後の大工原さんの夢は?

 大工原さん:日本では精油はまだ雑貨扱いですが、いつかフランスにあるようなアロマの薬局ができたらなあと思っています。

 また、結構悩まれて遠方からいらっしゃる方も多いので、体調に合わせてメディカルアロマだけでなく、メディカルハーブも併せて提案していきたいと考えています。

 アロマ、ハーブなど代替療法の選択に幅があるところが日本にはまだ少なくて。フランスには結構あるんですよね。日本でもそういうところが作れたらなあと。実際に日本でも自分の体に合ったいいものを買いたいという人もどんどん増えてきていて、私のところのアロマを買う方もずっと買い続けてくださっている方が多いです。そういう方々を大事にしながら、そこでアロマも教えられ、さらに各地でセミナーなどを通して正しい知識をお伝えしていく場もさらに増やしていきたいと考えています。

 2回にわたってお届けしてきた大工原忍さんとの対談編、いかがでしたか? アロマがここまで体のメンテナンスができるものだと思っていなかったので、本当に奥が深いなあと実感しました。自分で作ったものとか、プレゼントできるようになったらまた楽しいですよね。私もサロンに行って勉強したくなりました! 皆さんも身近なところからアロマを取り入れてみてくださいね。

 心も体もキレイになって、毎日キラキラしましょう! できることは今からスタートですよ!

*……次回は9月10日に更新予定です。

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