映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」のワンシーン(C)2015 Galatee Films-Pathe Production-France 2 Cinema-Pandora Film-Invest Image 3-Rhone-Alpes Cinema-Winds-Pierre et Vacances
2万年前から現代に至るまでの地球の変遷をつづった映画「シーズンズ 2万年の地球旅行」(ジャック・ぺラン監督、ジャック・クルーゾ監督)が15日に公開される。今作は日本でも大ヒットを記録した「オーシャンズ」(2009年)のペラン&クルーゾ監督コンビがメガホンをとり、約400人のスタッフが最新の撮影機材を駆使し作り上げたネーチャードキュメンタリーだ。歴史学、動物行動学、人類学、哲学、民俗学、植物学ら多くのスペシャリストの見解を踏まえ、氷河期から現在へと2万年前におよぶ地球の歩みを動物の視点から描いた。日本語版では落語家の笑福亭鶴瓶さんと女優の木村文乃さんがナレーションを担当している。
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2万年前、地球の軌道が変化し気温が劇的に上昇。氷河期が終わりを告げ、新たな生命が芽吹き始める。緑の森や動物たち、そして人類と多彩な種類が生命が春を謳歌(おうか)し、悠久の時間を経て現在へと至る。馬やオオカミと同じ目線で狩りのために疾走する姿をはじめ、動物行動学に基づいた効率的かつ緻密な撮影技法で野生動物の行動をありのままに収めた貴重な映像で地球や動物の歴史をひもといていく…………という展開。
生命の美しさを映し出した「オーシャンズ」が素晴らしかっただけに、今作も期待感を持って見た。世界初の無音小型バギーや改良を重ねた軽量飛行機といったハイテクを駆使して撮影された臨場感あふれる映像に終始圧倒された。動物たちの感情まで読み取れるかのような映像は美しくも迫力があり、人間も地球上に存在する生物の一員ということを再確認した。今作は自然の歴史を動物の目線から描いているという点も興味深く、2万年という進化の流れはもちろん、動物たちの特徴や習性にスポットが当てられていて、今までは見られなかったような生態を楽しむこともできる。人間が自然に与えた影響なども盛り込まれるなどメッセージ性も感じさせるが、教育的というよりは感動を前面に押し出したエモーショナルな作品に仕上がっている。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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