写真集「prayer」を発売し取材に応じた有森也実さん
女優の有森也実さんがこのほど、19年ぶり4冊目となる写真集「prayer(プレイヤー)」(ワニブックス)を発売した。「今、ありのままの姿を集約した」という有森さんに、写真集に込めた思いや、写真集で見せた美ボディーの秘密、女優業について聞いた。(全3回)
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◇私は祈りや希望の塊の中で育ってきた
今回の写真集では、二つの言葉「prayer」(祈る人)、「player」(俳優)を表現した。そこへ至るまでには、長期化するコロナ禍で「『私が表現できることはなんだろう』と改めて自分を見つめ直した」ことがあったという。
「コロナ禍で、自分には女優という役割が与えられて、これまで生かされてきたというありがたさに、改めて気付かされたんです。逆に『なぜ今まで気付けなかったんだろう?』というくらい。
私がドラマや舞台でいろいろな役を演じることができたのも、それを楽しんで観てくださるファンの方たちが“いろいろな有森也実”を受け入れてくださったから。台本はAIではなく人間が書いていて、演出するのも人間。そこには祈りやいろんな思いがある。
そう考えると、私は数えられないくらいの祈りや希望の塊の中で育ってきたんだと改めて実感しました」
◇コロナ禍で訪れた写真集出版のタイミング
写真集の出版は、週刊誌「週刊現代」(講談社)のグラビア企画で出会ったプロデューサーの提案で始まり、19年前の写真集でもタッグを組んだワニブックスから出版した。
「これまでにも写真集のお話はいただいていたんですが、『なんとなく今はタイミングではない』と思っていて……。でも、コロナ禍で舞台もすべて流れて、映画も延期になって。じゃあ、自分から発信できるYouTubeをやってみようとか、リーディング、一人芝居……といろんなアイデアを出して試行錯誤していくなかで、写真集を通じてファンの方とコミュニケーションを取るのもいいのかなと思えたんです。
コロナは本当に大変だけれど、祈りや希望の中で育ってきたんだと温かい気持ちになっていたさなかに写真集のお話をいただけたのは本当にありがたいこと。やっと今、自分をちゃんと信じてあげられるようになったのかもしれません」
撮影したのは人気フォトグラファーの藤代冥砂さん。撮影では「藤代さんとは“同級生”だったから、妙な照れくささもあった」と言う。
一方で「だからこそ、撮影場所で生まれるライブ感を大事にしながら、自由に動けるような気もしたんです。本当にナチュラルに、今の自分と今の世界を表現することができたので、いちばん素の自分に近い写真集に仕上がっているんじゃないかな」と振り返った。
◇昭和・平成・令和を共に過ごしたファンへ
取材は、有森さんと写真集の購入者が交流できるイベントの直前に行った。
「この日を迎えることができて涙が出るほどうれしいんです」と、有森さんは感無量の表情でファンへの感謝の言葉を口にする。
「歌手の方々と違って、役を演じたものを見ていただくのが私たち俳優のお仕事。映画の舞台あいさつや演劇のアフタートークのように、作品というフィルターを通してお話をする機会はあっても、素に近い状態でファンの方と接する機会って本当に少ないんです。
昭和・平成・令和という三つの時代を一緒に生きてきて、同じ思いを一緒に共有してきたファンの方たちとお会いして、直接手渡しで写真集をお渡しできたり、一緒に写真を撮れたりする機会を作れたことが、涙が出るぐらいうれしくて……。
こんなにお天気のきれいな日に、こんなにうれしいことができるなんて、なんて私は幸せなんだろうと思って本当に胸がいっぱい。本当にありがたい日だと思っています」
(取材・文/渡邊玲子)
*……第2回は12月2日掲載予定
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