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俳優の松下洸平さんが主演を務める連続ドラマ「放課後カルテ」(日本テレビ系、土曜午後9時)が10月12日にスタートする。超偏屈な学校医・牧野を演じる松下さんは、今作で地上波ドラマ単独初主演を果たす。「柔らかくて優しい光が差し込むような作品にできたら」と意気込む松下さんに、役作りの参考にしたことや、子ども時代の思い出などについて話を聞いた。
◇子どもを持つ知人の声を演技の参考に
ドラマは、日生マユさんが「BE・LOVE」(講談社)で連載していた同名の人気マンガが原作。小学校の保健室に常駐することになった小児科医・牧野(松下さん)は、常に無愛想で、児童からは怖がられ、文句ばかりで教師からも不評。しかし、病気を診(み)る目は確かで、児童たちの異変や“見えないSOS”、隠れた病とその原因を見抜き、子どもたちやその家族、時には教師までをも救っていく。
「原作のマンガを読んで、学校が嫌いとか、授業がつまらないとか、いろいろな理由で保健室に通わざるを得ない子どもたちがたくさんいるんだと知りました」と話す松下さん。学校医を演じるにあたり、小学生や中学生の子どもを持つ知人に話を聞いたという。
「わんぱくなお子さんを持つ親御さんは、子どもが毎日のようにケガをして、保健室で処置を受けていると話されていましたし、教室に入りづらいお子さんが保健室に通っているというお話も聞くことができました。子どもたちの思いや、ご両親の気持ちを考える中で、保健室はとても大切な場所だという印象を受けました。そういった実際の声を、演技の参考にしています」
今作で経験の少ない医師役に挑む松下さんは、「難しい医療用語も出てきますし、医療ドラマではあるのですが、病気を掘り下げることだけがテーマではないんです」と話す。
「愛らしい子どもたちが主役のドラマで、牧野の成長物語としての側面もあります。役を難しく捉えすぎるのではなく、もっと身近に感じてもらえるような、柔らかくて優しい光が差し込むような作品にできたらいいなと思います」
◇子ども時代は育成ゲームに夢中
松下さんは1987年3月6日生まれ、東京都出身の37歳。小学生の頃はどんな子どもだったか尋ねると、「とってもわんぱくでした」と即答。「僕は東京出身ですが、八王子のすごく自然豊かなところで育っているので、放課後になると外でみんなで遊んでいました」と明かす。
「僕が小学校高学年の頃、育成ゲームがはやっていたんですよ。たまごっち、デジタルモンスター(デジモン)とか。歩数計機能がついていて、歩数で成長していくデジモンのゲームがあったんですけど、それを手で振って歩数を稼いだり(笑)、取り付かれたように夢中でやっていましたね」
松下さんは、子どもたちの悩みにスポットを当てた今作の撮影を通し、時代の流れを感じたという。
「僕が子どもの頃は、携帯電話もなかったし、テレビゲームはあったけれど、今ほどインターネットでつながった環境ではなかったので、その頃と比べると、今の子どもたちは自分の居場所が学校以外のところにたくさんあるんだなと思いました」
最近では、スマートフォンを持っている子どもや、SNSを日常的に利用する子どもも珍しくない。
「それだけ居場所があるから、“もう一人の自分”を抱えて生きている子どもたちがたくさんいるような気がします。僕が子どもの頃は、学校と家しかなかったから、そこで一生懸命生きるしかなかった。でも、今の子どもたちはインターネットの中でも生きられるし、それに伴って関わる人間も増えるはずなので、その分、大人たちと同じように人間関係で悩む子も多いのかもしれませんね」
最後に、ドラマの見どころについて「子どもたちの問題はもちろん、大人たちの悩みもたくさん描かれますし、大人も子どもも、ご家族そろって楽しんでいただける素晴らしい作品だと思います。土曜日の放送なので、また次の月曜日から『頑張ろう!』と前向きになれるような作品になっています。ぜひ最後までお楽しみください」と呼びかけた。