2月14日放送の「徹子の部屋」に出演した佐藤弘道さん(右)と妻・久美子さん=テレビ朝日提供
NHKの幼児向け番組「おかあさんといっしょ」で1993~2005年に「たいそうのおにいさん」を務めた佐藤弘道さんと妻の久美子さんが、2月14日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。昨年6月に「脊髄梗塞(せきずいこうそく)」で下半身が麻痺し、緊急入院した弘道さんが、支えになった家族の言葉などを明かした。
8カ月たち、現在の体調を「腰回りの感覚が全くなくて、触られても、シャワーを浴びていても全くわからない。温度と痛みに鈍感です。あとはバランスの神経が切れてしまっているので、歩く時もバランスを取りながら歩くので、ちょっと疲れます」と説明。右足は「なんとか動くようになった」というが、左足はうまく動かない。
脊髄梗塞は、原因不明で誰がなってもおかしくないという。「治らないんだ、と知り、気持ちも完全に落ちて、生きててもしょうがないなと思って。トイレにも行けずおむつをつけていた。この生活、どこまで続くんだろう……と思ったときには、さすがにきつかったです」と振り返った。
SNSを通じて病気を公表すると、同じ病気だった人から応援メッセージが寄せられた。
「あとは、家族に支えられた。家族に迷惑をかけて過ごすことになると思っていましたが、妻と子どもたちから『生きていればいいじゃない』と言われて、すごく前向きになりました。その言葉は強かったです」と話した。
大学時代の同級生だったという妻の久美子さんは、「学生時代から大きいケガはしたことがあったが、病気はしたことがなかった。ケガは治ったし、病気も治ると思っていたら、完治しないと分かり、食事ものどが通らず、生きる気力がないほど落ち込んでいた」と当時の弘道さんの様子を振り返った。
また、父の病状を聞いた息子たちは、「父ちゃん、生きているんでしょ。生きていれば大丈夫」と言ったといい、久美子さんは「主人がポジティブ思考で育ててきたから、こういうことが言えた。この言葉に支えられた」と話した。
入院当初は昨年の12月まで入院するように言われていたが、11月に結婚30周年の記念日があり、弘道さんは「家で過ごしたかったので、頑張った」という。「退院して食べたいものを聞かれて、ラーメン、すし、焼き肉をリクエストした。夫婦ですし店に出掛けたら、親族がみんなサプライズでいてくれた。普通に食事して、普通に歩いていた、小さな幸せに、病気になって気づいた」と語った。
弘道さんは「妻がいなかったらこの世にいなかったかもしれない。今まで“いて当たり前”の存在だったのが、“いてくれた”とあらためて存在感が強くなった。妻も一緒に落ち込まれていたら、立ち直りも遅かったと思う」と、妻への感謝の思いを明かした。