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注目映画紹介:「クラウド アトラス」 六つのエピソードが巧妙につながり最後に一つの物語に

 トム・ハンクスさん、ハル・ベリーさん、スーザン・サランドンさん、ヒュー・グラントさんら、そうそうたる俳優が顔をそろえた映画「クラウド アトラス」が15日に公開された。原作は、世界的に権威のある文学賞「ブッカー賞」の最終候補にもなったというデビッド・ミッチェルさんの同名小説。メガホンをとったのは、「マトリックス」シリーズのラナ&アンディ・ウォシャウスキー姉弟監督と、「ラン・ローラ・ラン」(98年)のトム・ティクバ監督だ。

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 上映時間3時間弱となる今作は、六つのエピソードから成り立っている。それらは19世紀から24世紀を舞台にしており、ある時代では、初老の男(ハンクスさん)が自分の過去を語り始め、ある時代では、1人の弁護士(ジム・スタージェスさん)が、奴隷売買の契約のために南太平洋諸島を訪れる。またある時代では、若き音楽家(ベン・ウィショーさん)が恋人(ジェームズ・ダーシーさん)と別れ、高名な作曲家(ジム・ブロードベントさん)の下で採譜者となり、別の時代では、女性ジャーナリスト(ベリーさん)が、原子力発電所での企業汚職をあばこうとし、発電所の従業員(ハンクスさん)がそれに協力する……。各エピソードは一見するとバラバラだが、実は微妙かつ巧妙につながり、最後には一つの物語をかたちづくる。

 月並みな表現だが壮大な話だ。時代を超え、世界を超えて影響を及ぼしあう人々。“因果応報”という言葉があるが、まさにそれを映像で表現したともいえる。俳優たちが1人何役もこなしていることも見どころだ。だいたいにおいて俳優の“正体”は見抜けるが、それでも、エンドロールを見て、「えっ、あの人が演じていたの?」と驚かされる名前もちらほら見られた。個人的に驚いたのは女性看護師ノークス。さて、あなたはその正体を見破ることができるか? 15日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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