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パンケーキ:ブームはどこから? ホットケーキとの違いは?

 ふわふわの生地の上に、生クリームやフルーツ、アイスクリームなどが乗ったパンケーキ。テレビの情報番組や雑誌では、たびたび「パンケーキ特集」が組まれるなど、人気を集め、店によっては1時間以上、並んでやっと席につける場合もあるほどだ。このパンケーキブームはどこから始まったのか。またホットケーキとの違いはあるのか、ブームは今後どうなっていくのかを探った。(毎日新聞デジタル)

 ◇きっかけは二つの人気店の上陸

 100のパンケーキを紹介した書籍「パンケーキ・ノート おいしいパンケーキ案内100」(リトルモア)の著者で、年間200食以上食べているというトミヤマユキコさんは、パンケーキブームの始まりを、08年に日本1号店を鎌倉・七里ヶ浜にオープンしたオーストラリア発の「bills(ビルズ)」、10年に東京・原宿にオープンしたハワイ発の「Eggs ‘n Things(エッグスンシングス)」の上陸が大きいと考えている。

 「Eggs ‘n Things」が、「行列ができる店」としてメディアに取り上げられて以来、原宿には次々とパンケーキ店が出現した。原宿は80年代にクレープが流行した土地。「女の子の好きなスイーツで、ファッションとして食べられるモノ、しかも原宿の町も楽しめるということで、クレープが流行したときに似ている」という。

 ◇ホットケーキとパンケーキは同じ

 トミヤマさんによれば、パンケーキの「パン」はフライパンの「パン」のことで、鉄の鍋のことを指しているのだという。そのため、鉄の鍋で焼かれたケーキはすべてパンケーキ。すなわちホットケーキとパンケーキに違いはない。

 誰もがおそらく一度は自宅でホットケーキを作って食べたことがあるだろう。トミヤマさんは、この点もブームに関連していると見ており、「みんながちょっとした評論家になれることもブームが長引いている理由なのでは」と指摘している。

 ◇SNSとの親和性も

 またSNSがコミュニケーションツールの一つとなった今、パンケーキがフォトジェニックであることもブームを後押ししている。

 生クリームやフルーツで飾られたパンケーキは、“写真の撮りがい”があり、撮った写真を友人とシェアするのだ。人気店に行ったことをアピールしたり、知られざる店のパンケーキ情報を交換したりできる。

 トミヤマさんは、このブームを支えている層を「女性で、中でも中高大生が多い。学生は比較的時間に余裕があり、行列に並ぶ体力もある」と分析。ドリンク付きで1000~2000円という価格も彼女たちの“お財布事情”に合致している。

 ◇各店のバリエーションに注目

 甘いイメージのあるパンケーキだが、店によっては、ベーコンや卵がついたものやサラダ風などの食事系もある。さらに冷やし中華風などの“変わり種”も登場している。

 パンケーキ店が増えた今、トミヤマさんは「自分の食の好みにあったお店が必ずある」といい、甘いものが苦手な人や男性にも「食わず嫌いにならないで」と呼びかけている。初心者へのおすすめは、意外にもファミリーレストラン「ロイヤルホスト」のパンケーキ。「全国にあって手軽。それに注文後に焼いてくれる」という理由だ。

 リトルモアによると、「おいしいパンケーキ案内100」は関東と関西のパンケーキ店を中心に紹介しているにもかかわらず全国で販売数が伸び、旅行本のコーナーに置かれていることもあるという。その現象をトミヤマさんは「東京で食べるおしゃれなもの=パンケーキというイメージができつつある」と考えており、「日本全国からパンケーキを食べに来る人が増えている」と話した。

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