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数々の名高い演出家から高い評価を受け、若手実力派女優ナンバーワンとの呼び声の高い黒木華さんが、俳優の綾野剛さんとダブル主演した映画「シャニダールの花」(石井岳龍監督)が20日、全国で公開される。映画は、ごく少数の限られた女性の胸にだけ咲く世にも美しい花「シャニダールの花」をめぐる物語。黒木さんは、提供者の胸に芽ぶいた花を育て一番美しい形で採取することを使命とする「シャニダール研究所」に勤務するセラピストを演じる。撮影を共にした石井監督が「すっぴんの魅力っていうのかな。非常に透明感があるんだけど、同時に芯の強さを感じる」と評する黒木さんに、その根底にあるナチュラルなこだわりについて聞いた。(毎日新聞デジタル)
取材現場に現れた黒木さんは、ゆったりとしたブルーのワンピースに無造作に一つにまとめたヘアスタイル。メークもほぼ素顔のナチュラル系で「ゴテゴテしたメークが似合わないんです。できるだけ何もしたくない、素でいたいっていうか。メークが乗っかってると呼吸してない気もしてあまり好きじゃないんです」と柔らかな口調ではにかむ。
ふだん身につける香水も「ウッド系の自然な香り」だという。「ここ2年間、コム・デ・ギャルソンのものを愛用しています。でも化粧もそうなんですけど、基本的にはあまり何もしたくないので、持ち歩くということはしませんね。持ち物に香りを噴きつけてときどき香りをかいだりとか」と話す。
また、食事については「豆腐が好き」といい、「豆腐の味そのものが好きなので、湯豆腐とか。そのまま食べるのが好きですね」とシンプルな食事を好み、「外食もあまりしません。脂っこいものが苦手なので。実家でもずっと玄米で健康食が多かったですね。なので、今もわりと五穀米とかを食べるようにしています。ジャンキーなものはあまり好きではないんです」と語る。
そんな彼女の日々のこだわりは毎朝、白湯を飲むこと。「朝起きて、顔を洗って歯みがきしたあとに必ず飲みますね。親がそうしていたので、子供のころからの習慣で。お湯を水で飲みやすい温度まで冷まして、1杯飲んでから、何かを始めるという感じ」なのだという。
“ナチュラル思考”という言葉がピッタリな黒木さん。憧れの女優像を聞くと「特定の人はいません。その女優さんになろうと思ってもなれないものですし」と返答し、「でも、面白い女優になりたいとは思っています。その作品がよりよくなるような役者さんになりたいというか。一緒にお仕事をする方や見ている方が面白いなと思うような」と凛とした表情で語った。
次回は、黒木さんが主演した最新映画「シャニダールの花」について、作品の見どころや撮影の舞台裏について聞く。
<プロフィル>
くろき・はる。1990年、大阪府出身。2010年のNODA・MAP番外公演「表にでろいっ!」で、中村勘三郎さん、野田秀樹さんとの3人芝居に娘役として出演。その後、「東京オアシス」(2011年)で映画デビューし、劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」(12年)では声優に初挑戦。そのほかの主な出演作に、NHK連続テレビ小説「純と愛」(12年)、映画「草原の椅子」(13年)、「舟を編む」(13年)がある。待機作として、山田洋次監督の「小さいおうち」が14年に公開される。