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注目映画紹介:「タイピスト!」 1950年代を舞台におしゃれとスポ根を融合させた新タイプの作品

 実在したタイプの早打ち大会を題材に、ヒロインと鬼コーチが優勝を目指す仏映画「タイピスト!」が17日、公開された。全体にポップな色調で、可愛らしい1950年代のファッションが満載。おしゃれとスポ根という全く異なる要素が融合した、新しいタイプの作品だ。監督・脚本は音楽関係のドキュメンタリー作を手がけたこともあるレジス・ロワンサルさんが担当した。

 50年代末。田舎娘のローズ(デボラ・フランソワさん)は、都会に憧れ、父親が経営する雑貨店に勤めることで一生を終えたくないと思っていた。保険会社を経営するルイ(ロマン・デュリスさん)の秘書に応募したローズ。ルイは田舎者のローズを追い返すつもりだったが、1本指打法でタイプを早打ちする姿に驚き、雇うことにする。しかし、ローズは仕事で失敗ばかり。ルイはローズをクビにする代わりに、「タイプライター早打ち大会」で優勝する自分の野望に協力するよう言い渡す……。

 「現代のオードリー・ヘプバーン」と評されたヒロイン役のフランソワさん。演じたローズはただの可愛い女の子ではない。都会で仕事をすることに憧れ、「対等に扱ってくれる人が好き」というのだから、当時としては革新的な女性だ。でも、片意地張ったタイプではなく、ドジで天然。デュリスさん演じる鬼コーチへ恋心を募らせていく様子もいじらしく、コミカルな展開がほほえましい。ロワンサル監督はこれが長編映画デビュー作だ。名作映画へのオマージュをちりばめ、世界が明るい何かを目指してまっすぐに進んでいた50年代のウキウキ感をスクリーンによみがえらせている。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して趣味の映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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