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世界で初めて深海に生きるダイオウイカの撮影に成功し、今年1月にテレビ放送され反響を呼んだ科学ドキュメンタリー番組の映画化「劇場版 NHK スペシャル 世界初撮影!深海の超巨大イカ」が17日に公開された。NHKと世界各国の科学者やエンジニアによるチームが、最新鋭の機材を駆使してダイオウイカを追跡するプロジェクトの模様を記録撮影し、世紀のスクープの瞬間を映し出した。劇場版用に再編集された映像には、新たに製作されたメーキングなどのオリジナル映像を加え、撮影の舞台裏がより詳細に明かされる。
古来から“伝説の怪物”として恐れられ、生態は謎に包まれていたダイオウイカの撮影に、NHKと国立科学博物館などの国際チームが挑戦。世界遺産の小笠原諸島を舞台に、科学者やエンジニアなど11カ国から50人のスタッフが結集し、最新鋭の潜水艇2隻や深海用超高感度カメラなどを駆使して撮影を試みること10年、深海での生きたダイオウイカに人類が初めて遭遇した。
ダイオウイカは、とあるゲームのモンスターや船を襲ったりするミステリアスな伝説の生き物というイメージがある。深海で泳ぐ姿が初めて今回映し出されたが、黄金に輝く神秘的な姿や獲物を抱え込む圧倒的な動きに、心がわしづかみにされるはず。たかがイカ……と思う人もいるかもしれないが、これまでは海岸に漂着した死後の姿は発見されていたが、生け捕りや泳いでいる姿の映像はなく、“幻の生物”と呼ばれていた。貴重な映像を映し出すため、世界中から集った科学者やエンジニアがさまざまな作戦でダイオウイカ撮影に挑戦する様子は、まさに冒険物語のように胸が高鳴り感動を与えてくれる。深海を雄大に泳ぐダイオウイカの姿にはきっとロマンを感じるはずだ。17日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。