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「スーサイド・ショップ」の一場面
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「スーサイド・ショップ」の一場面

注目映画紹介:「スーサイド・ショップ」ルコント監督がアニメ初挑戦 自殺用品店の家族の物語

 「髪結いの亭主」(90年)などで世界的に知られるフランスのパトリス・ルコント監督が初めてアニメーション作品に挑戦した劇場版アニメ「スーサイド・ショップ」が7日に公開された。仏人気作家ジャン・トゥーレさんによるベストセラー小説「自殺用品専門店」が原作で、シニカルな笑いがあふれるミュージカル仕立てのコメディーに仕上がっている。とある町の自殺用品専門店を舞台に、マイナス思考だらけの一家が赤ん坊の誕生をきっかけに変化していく姿が描かれる。

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 どんよりした雰囲気が漂い、人々が生きる意欲を持てない大都市では、唯一繁盛しているのが自殺用品専門店だ。店を営むトゥバシュ一家は、父ミシマ、母ルクレス、長女マリリン、長男バンサンの4人とも笑ったことがなかった。ある日、明るく無邪気な赤ん坊アランが生まれたことで家庭内の雰囲気が変わり始める……という展開。

 独特の映像とダークながらもユーモラスで味のあるビジュアル、そしてブラックユーモア満載の歌が印象的だ。シニカルなストーリーとミュージカル調の演出が見事に融和しており、ヘビーな内容を扱いながらも、重々しさを感じることなく気楽に見られる。ミシマやマリリンなど登場人物の名前にもエッジを利かせ、何が飛び出すか分からない独創的な映像と展開にはハラハラさせられる。どこまでもブラックで、どこまでも陽気な、人生は苦しくとも素晴らしいと思わせてくれる作品だ。随所で披露される歌の歌詞にも注目したい。7日からヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で公開中。3Dも同時公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

(C)2012 Diabolo Films,La Petite Reine,ARP,France 3 Cinema,PCF Magasin des Suicides le film Inc.,Entre Chien et Loup,RTBF

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もOKと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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