IQ201で毒舌の女捜査官・当麻紗綾と、特殊部隊を左遷された肉体派の瀬文焚流のデコボココンビが、さまざまな特殊能力「SPEC」を持った犯罪者と対決する人気シリーズの完結編「劇場版 SPEC~結(クローズ)~」(堤幸彦監督)がついに完成。2部作の前編にあたる「漸(ぜん)ノ篇」が11月1日に公開される。
「SPEC」は、TBS系の連続ドラマとして2010年に放送され、随所にちりばめられた小ネタや、さまざまな謎、伏線が視聴者の心をつかんだ。人気を受ける形で、12年4月には、ドラマ版最終回の1年後を描いたテレビスペシャル「~翔~」に続いて、映画「~天~」も公開されヒットを記録。10月23日には、戸田恵梨香さん演じる当麻と、神木隆之介さん演じる宿敵・ニノマエの因縁を描いたテレビスペシャル「~零~」も放送された。
今回の「~結~」は、「~天~」から続くストーリーで、文字通り完結作にあたるとあって、SPECを持つ「スペックホルダー」を対象にした「シンプルプラン」をはじめ、数々の謎や伏線が解き明かされる。前編にあたる「漸ノ篇」は、当麻や加瀬亮さん演じる瀬文に加え、2人を温かく見守る野々村係長(竜雷太さん)にもスポットが当たっている。
シリーズおなじみの小ネタももちろん健在。ドラマ版でも裏番組を意識したネタがちりばめられていたが、今回も、ごく最近の時事ネタから同時期に公開される話題の映画のパロディーまで小ネタが満載だ。ハードなストーリーとの絶妙なマッチングは堤作品ならではの楽しさだ。あくまでも2部作の前編なので、謎は解決する以上に増えていくばかりだが、後編にあたる「爻(こう)ノ篇」(11月29日公開)への期待もますますふくらむのでは。TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開。(毎日新聞デジタル)