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篠原ともえ:今年再ブレーク「若いときにまいた種が今になって咲き始めた」 今夜番組出演

 歌手、タレント、女優、デザイナー…幅広いフィールドで才能を発揮している篠原ともえさんが、お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さんとともにMCを務めるテレビ番組「カエル男たちの夜」(MBS・TBS系)が、26日午後11時34分から放送される。世界的な巨匠である建築家の安藤忠雄さんと工業デザイナーの奥山清行さんをゲストに迎え、デザイン論と未来への展望で意見を戦わせた番組について、また2013年を振り返って来年の展望を篠原さんに聞いた。(榑林史章/フリーライター)

 −−「カエル男たちの夜」は、どんな番組になりましたか?

 私は高校時代にデザイン科に通っていたので、建築やプロダクトデザインについても学んだことがあって。中田さんとは同世代だし、同級生と一緒に学校でいろいろ学ばせていただいた気持ちでした。宿題もあったし(笑い)。特に安藤さんは、直島(香川県直島町)にある安藤さんのミュージアムを見に行ったことがあるくらいファンで、ずっと会ってみたかったんです。それがついに実現するということで、ワクワクして収録に臨みました。

 −−安藤さん、奥山さんと実際にお会いして、どんな印象でしたか。

 世界的な人たちにもかかわらず、すごく気さくな人柄で、話しやすい空間を作ってくれました。あとすごいと思ったのは、そういう世界的なお二方なのに、デザインの種明かしをバンバンしてくれるです。どうやってそのデザインは作られていったかなど、卵の黄身の部分までオープンにしてくれて、すごく刺激を受けました。

 −−お二人の言葉など、印象に残ったことはありますか?

 安藤さんがおっしゃっていたんですが、「むだがあるからこそ人は考える」と。たとえば安藤さんがデザインされた、東京メトロ副都心線のある新・渋谷駅の空間は、安藤さんの言葉を借りると、「むだに広い」と思うほど大きなスペースなんです。でもそれは美術館とかでないと出合えないような空間で、それが駅という身近で生活に密着した場所にあるというのがすごい。それに、行ったらまた行きたくなる感覚もあって……。番組を通して分かったのは、私は買い物がしたくて行くのではなく、安藤さんの作る空間に呼び寄せられているんだなって。そうやって、人の気持ちまでコントールするデザインを考えているんです。大学でデザインの勉強をしたとき、心理学の授業もあって、当時は「関係ないじゃん?」と思っていたんですが、お話を聞いて「人の心もデザインの一つなんだ」ってことが分かって、目からうろこでした。

 −−奥山さんに関して印象に残っていることは?

 奥山さんは、普通なら企業秘密になるから絶対に見せないような、アイデアやラフの描いてあるスケッチブックを見せてくださって。オープンなところがすごいなと。この番組とは別に、以前にアーティストの奈良美智さんと対談させていただいたことがあったのですが、そのときも奈良さんが惜しげもなく絵の描き方を教えてくださったんです。オノ・ヨーコさんとか、世界で活躍されている方と数多くお会いしましたが、みなさんに共通しているのは、隠さずすべてを見せる器の大きさを持っていることですね。

 −−番組タイトルの「カエル男たち」は、そうやって既成概念や先入観を変えていく男たちということなんですね。

 それもありますが、この人たちが変えるというより、この人たちがいることで周りが変わっていくんじゃないかなって。凪(なぎ)を波に変えるパワーをすごく感じました。番組でお二人が語っていることは、きっとデザインに限らずどんな職業でも当てはまることだと思います。いろいろなヒントをいただけると思うので、自分とリンクするところを見つけて、明日からの仕事に生かしていただけたらうれしいです。私自身も、会いたかった人にお会いできてただうれしいって喜んでいるだけじゃなく、みなさんの言葉をしっかり自分のものにして、次のお仕事につなげられたらと思います。

 −−話は変わりますが、2013年の篠原さんは、タレント、声優、舞台、デザイナーなど、本当に多彩な分野で活動されました。中でも大きかったのはなんでしたか?

 ユーミン(松任谷由実)さんのアルバム「POP CLASSICO」のツアーで、衣装デザインを担当させていただいたことです。このツアーは14年7月まで開催されるので、どこかで見て「あ、あれをシノラーがデザインしたんだ!」って、思っていただけたらうれしいです。あと今は、舞台「直人と倉持の会 Vol.1『夜更かしの女たち』」で、竹中直人さんや風吹ジュンさんらと共演させていただいていまして……。竹中さんとは10年以上のお付き合いになりますが、毎回いろいろなことを教わりますね。なんでしょう、学ぶってすごく楽しいって最近思うんです。何かを知ることは力になるし、これからの仕事や生活でワクワクするためには、いろいろなことを知っていろいろな言葉をいただくことが、すごく必要なことだと思う。そういう意味では、学びたい気持ちを忘れてはいけないなってすごく思います。

 −−最近は篠原さんをテレビでお見かけすることも多く、再ブレークという状況だと思いますが、きっかけは何かあったのですか?

 自分ではよく分からないのですが……年齢を重ねたことが大きいかもしれません。10代や20代のころは、洋服のデザインに関してはやらせていただいていましたけど、これをやりたいあれをやりたいと言っても、子供扱いされてなかなか相手にしてもらえなかった。それが30代になって、自分の意見を大人の意見として、ちゃんと受け止めてもらえるようになった気がします。あと、シノラー世代だった方が今30代になって、物作りの現場にすごくたくさんいらっしゃって。そういう方が「シノラーと仕事がしたかった」と言ってくださっているのも、一つあると思います。今、私についてくれているヘアメークさんもそうだし。だから、若いときにまいた種が、今になって咲き始めて、みんなで手をつないでいるような感じかもしれません。そうやっていろいろなことがリンクして、物語がつながっていくんだなって。

 −−最後に2014年の展望を。

 デザインのお仕事も含めて、篠原ならではというものをたくさんやりたいです。一つ考えているのは、プラネタリウムでライブをやることです。以前に「星空観望会」を開催したり、天文をテーマにしたラジオ番組もやっていて。小さいお子さんからお年寄りまで、幅広い世代に愛される存在である星をテーマにして、私のあふれんばかりの才能を駆使して(笑い)、星の楽しさを伝えられたらと思います。

 <プロフィル>

 1979年3月29日生まれ、東京都出身。1995年、16歳のときにシングル「チャイム」で歌手デビュー。独特のファッションセンスで、シノラーブームを巻き起こした。現在はタレント、女優、ナレーター、ソングライター、音楽プロデューサー、デザイナーなど幅広く活動。宇宙検定3級(星空博士)をはじめ、アロマ検定2級、フラワーカラー アドバイザー、アシスタントカラー コーディネーター、色彩コーディネーターと、数多くの資格を持つ。2012年には、セルフプロデュースしたアルバム「−:*Better*:−」「−:*Oh Yes Say Lala*:−」をリリース。現在情報番組「PON!」(日本テレビ系)に出演中。上演中の舞台「夜更かしの女たち」(http://www.naoto-kuramochi.com/)に出演中。また、出演する舞台「ボクの妻と結婚してください。」(http://bokutsuma.com/)が2014年2月27日~3月2日に上演予定。

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