2012年に公開されたサバイバルアクション映画の第2弾「ハンガー・ゲーム2」(フランシス・ローレンス監督)が27日に全国公開された。前作で若者12人によるサバイバルゲームを勝ち抜き、図らずも“希望の象徴”になってしまったヒロイン、カットニスが、新たなゲームに身を投じていく姿が描かれていく。主人公カットニスを演じるのは、前作に引き続きジェニファー・ローレンスさん。そのほかに、ジョシュ・ハッチャーソンさん、ウディ・ハレルソンさん、エリザベス・バンクスさん、レニー・クラヴィッツさんが、“チーム・カットニス”のメンバーを続投している。
独裁国家パネムが毎年開催し、12の地区から若い男女一人ずつを選び、最後の一人になるまで殺し合いをさせるハンガー・ゲーム。ピータ(ハッチャーソンさん)とともに前回の覇者となったカットニス(ローレンスさん)は、故郷の第12区に戻ってからも人を殺したことへの罪悪感にさいなまれていた。一方、カットニスのゲーム中の勇気ある行動に共感し、革命の兆しを見せ始めていく民衆。危機感を募らせた独裁者スノー大統領(ドナルド・サザーランドさん)は、次の大会で歴代勝者たちを戦わせるという特別ルールを採用し、“危険分子”であるカットニスの抹殺を企てる……という展開。
今回カットニスたちの前に立ちはだかるのは、独裁者スノーはもとより、スノーの元でゲームを考案・指揮するプルタークだ。演じているのはオスカー俳優のフィリップ・シーモア・ホフマンさん。しれっとした顔であの手この手の策を弄し、カットニスたちを陥れていくさまは本当に憎らしい限り。加えて、対戦相手が歴代の覇者だけに強者ぞろい。対戦場所が前回の森から島に変わり、行動範囲はせばまったが、その分、わなは高度になり、危険度が増した。カットニスが身につけている衣装が、中には「やり過ぎでは」と思うものもあったが、類を見ないほど斬新なものが用意されているなど、 前作を上回る仕掛けが数々ほどこされている。
原作は、スーザン・コリンズさんによる同名小説。原作同様、映画も3部作で展開する。待ち受ける最終章は前編、後編の2部作となる。今回は、前作で味わったようなカタルシスはなく、その上「ここで終わる?」という唐突な終わり方をするが、その分、次回作への期待を煽るには申し分なし。27日からTOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)、TOHOシネマズ六本木ヒルズ(東京都港区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。今年1年読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。午年となる来年もどうぞよろしくお願いいたします。