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注目映画紹介:「Seventh Code」 鬼才・黒沢清監督が前田敦子で撮るサスペンス作

 「リアル 完全なる首長竜の日」(2013年)などで知られる鬼才・黒沢清監督がメガホンをとり、元AKB48のメンバーで現在は女優や歌手として活躍する前田敦子さんが主演を務めた「Seventh Code(セブンスコード)」が11日に公開された。ロシアのウラジオストクを舞台に東京で一度だけ出会った男を捜す女性の姿を描く物語。3月5日に発売される前田さんのニューシングル「セブンスコード」のミュージックビデオとして、黒沢監督が脚本を書き下ろした。第8回ローマ国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀技術貢献賞の2部門を受賞したことを記念して劇場公開に至った。「HK/変態仮面」(13年)などの鈴木亮平さんが追われる男を演じ、多彩な作品で活躍する山本浩司さんが食堂の店主を好演している。

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 秋子(前田さん)はある男を追い求め、ウラジオストクまでやって来た。再会を果たした松永(鈴木さん)は秋子のことを覚えておらず、「外国では絶対に人を信じてはいけない」という言葉を残し姿を消す。秋子は斉藤(山本さん)が経営する食堂で働きながら松永を捜していると、斉藤から松永に関する情報が入り……というストーリー。

 全編ロシアで撮影された映像はどこか神秘的な空気感をまとっており、謎がちりばめられたミステリアスな展開とマッチしている。事前に公開されていた、ヒロインがボロボロにされて郊外の荒地に捨てられてしまうシーンなどをはじめ、新境地に挑んだ前田さんの演技が見るものを引きつける。脇を固める鈴木さんと山本さんの演技も光り、特に山本さんのバイプレーヤーぶりが見事。サバイバル感あふれる前半戦から結末へ向けて予想外に進行していく物語は、鬼才と呼ばれる黒沢監督ならではの驚きと爽快感に満ちている。ミュージックビデオとして制作されたものながら、サスペンス作として完成度が高く、広がりのある世界観は長編としても見応え十分。シネクイント(東京都渋谷区)ほかで1週間限定公開中。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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