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L・DK:剛力彩芽と山崎賢人に聞く「壁ドンは距離は近いし逃げられない環境がいい」

 女優の剛力彩芽さんが映画初主演した「L・DK」が公開中だ。渡辺あゆさんが少女マンガ誌「別冊フレンド」(講談社)で2009年から連載している人気少女マンガが原作で、タイトルの「L・DK」は「ラブ同居」の略だという。恋に奥手な女子高生・西森葵と学校一のモテ男・久我山柊聖(くがやま・しゅうせい)による秘密の同居生活を描く王道ラブストーリーで、胸がキュンとなるような甘いシーンが登場し、話題を呼んでいる。主人公の葵役を演じる剛力さんと柊聖役の山崎賢人さんに、映画の魅力や恋愛観などを聞いた。

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 剛力さんは「これ(せりふ)を私は言えるのかと考えると『耐えられない』と思いました」と原作を読んだときの感想を笑顔で話す。「原作は一気に読んで柊聖のファンになっちゃいましたが、読んでいたときは『(私は)どれをやるの? 私、お芝居で耐えられるかな?』とすごく恥ずかしかった。台本をいただいても、どうしようというのが最初に来たのですが、葵ちゃんも恋に奥手な女の子なので照れる反応は私自身もあまり作り込まず、その場で感じ取ってお芝居できたらいいなと。うまく自分の照れを葵の照れにつなげられたらいいなと思いました」と甘いせりふの数々に赤面しつつ、その気持ちを役作りに生かしたという。一方、原作を読み「面白かった」という山崎さんは「すごく気持ちがストレートだなと。“胸キュン”ってこういうことなんだなと思いました。女の子の目線から見る恋愛や男のカッコよさなどすごく勉強になることもあり、純粋に楽しめました」と語る。

 初共演でカップルを演じることについて互いの第一印象はどうだったのだろうか。山崎さんは「第一印象は……『剛力彩芽だ!』と思った」と言って笑いを誘うと、剛力さんは「アハハ。何それ~」と突っ込みを入れつつ笑う。「イメージのまま、すごく明るくて大人の人だなと思いました」と山崎さんが改めて印象を語ると、剛力さんは「拝見したドラマなどでは静かな役が多かったので、そういう方なのかなと。実際はすごい人見知りなので、最初は慣れるまでに時間はかかりましたけど(笑い)、慣れたら結構はっちゃけるというか、楽しいことがすごく好きでいつも笑っている。自然と人が集まってくるような人」だと評した。

 2人が演じるのは、直情型で暴走しがちな葵と、“ツンデレイケメン”の柊聖という高校生カップルだが、役作りについて山崎さんは「柊聖はマンガですごくイケメンなキャラだったので、徹底してカッコよくなくてはならないという部分にはこだわりました」と明かし、「柊聖は高校生の男の子なので、あどけなさとかちょっと子供っぽいところ、素直に気持ちを伝えられなくてからかっちゃったりとか、そういう部分を大事にしました」と続ける。

 葵役の剛力さんは「葵ちゃんは恋に奥手で友だちや学校も好きという、いわゆる普通の女子高生。でも、そこまでフレッシュ感やキャピキャピ感があるわけではなく、ちょっとおばちゃんぽいところとか、すごく可愛い一面をいっぱい持っている。リアクションとかもとても可愛かったり、そういうところはすごく大切にしました」と役作りについて語った。そして「葵ちゃんが持っているものをうまくお芝居で出せたらいいなと思いました。最初は恋がまったく分からないところから、どんどん学校一のイケメンを好きになっていくときの動揺や、まっすぐな部分とか純粋な部分をうまく表現できたらいいなと思いました」と原作の葵が持つ雰囲気を考えながら演じたという。

 同居生活を送りながら親密になっていくという役柄だけに、役作りや現場の雰囲気作りなどで2人で話し合ったことはあるかと聞くと、「特に『こうしよう』というのはなく、現場にずっと(原作の)マンガが置いてあったので、それを見て原作に忠実になるように、『こういう動きをしているんだね』という話はしました。『カップル役だからこうしよう』みたいな話はしていないですね」と剛力さん。

 今作には数多くの“胸キュン”シーンが登場するが、中でも冒頭の「男性が壁に“ドン!”と手をつき女性に迫る行為」である“壁ドン”は印象的なシーンの一つ。“する側”の山崎さんが「恥ずかしかった。(相手との距離が)近いのが恥ずかしいんです」と照れ笑いを浮かべると、“される側”の剛力さんは「なんでしょうね。分からないんですけど“壁ドン”っていいんですよ」と絶賛。その理由を「『何がいいの』と男性には聞かれるんですけど、あの逃げられない環境とかなんですかね(笑い)。距離はかなり近くなりますし、上からな感じもいいなと。私もあのときはすごいドキドキしましたけど、憧れますよね。なかなか壁ドンをされる機会なんてないじゃないですか」と“壁ドン”の魅力を力説する。続けて剛力さんが「今は“壁ギュ”だからね」と切り出すと、山崎さんは不思議そうな表情を浮かべ、「男の人が壁側にいて、女の人をそのままギュってするっていう」と剛力さんが説明。一瞬の間を置き、剛力さんと山崎さんは「いいな!」と笑いながら口をそろえた。

 今作でも最も“胸キュン”なシーンをそれぞれに選んでもらうと、「やっぱり(2人の)距離が近いシーンはすごくキュンとする」と山崎さん。剛力さんは「出来上がった作品を見て感じたのは、(柊聖が)鍵をスッてやって画面から消えて、次の瞬間にグッと(葵を)抱きしめるんですけど、あれは『はっ!』となりました(笑い)。お芝居をしているときは、うまく回れなくってすごく大変だったんですよ」と葵と柊聖が学校の廊下ですれ違うシーンを挙げる。さらに「すごく近い距離で、あそこは結構ドキっとした。あれをたくらんで楽しそうにやっている感じも胸キュンなポイントかなと。あとは寝ている2人がカーテン越しに手を握り合う雷のシーンですね」というと、山崎さんも「あれ、やっぱりいいね」と同意。「最初はすごい冷たいこと言ってるのに、優しいときは何も言わずにギュッとするだけというギャップが萌(も)えます」と剛力さんが良さを語ると、山崎さんも「ギャップとツンデレは大事ですね」とうなずいた。

 葵は“ツンデレイケメン”の柊聖に次第に引かれていくが、剛力さん自身は“ツンデレイケメン”をどう感じているのか聞くと、笑顔で「大好きです」との答えが返ってきた。「もともと好きな部類ではなかったんですけど、原作を読ませていただき柊聖に出会ってからですね。“こういうツンデレが好き”みたいな(笑い)。ただツンデレなだけじゃなくて、その中に照れや純粋な部分があったり、面白がってツンツンしているだけではなく、照れ隠しだったり、ピュアな部分が見える瞬間がすごく可愛いなと思うし、こういう男性はすてきだなと思います」と持論を展開。ちなみに桐山漣さん演じる大学生の三条亘については、「私自身は柊聖ですね。三条さんはいい人すぎるし、完璧。本当にお兄ちゃんみたいになっちゃいそうですね」と話した。

 一方、山崎さんには葵のようなストレートな女性はどうかと聞くと、「(僕は好きな人に)追いかけられるよりも追う方が好き」と男らしく回答。続けて「葵ちゃんは最初引いていて、すごく近い距離でからかったときに照れちゃう感じとかが好きです。それまでは『うちの親友の萌に……』みたいなことを言っていたのに、近づいた瞬間『えっ?』みたいなギャップ、そういうのがいいです」という山崎さんの発言を聞いた剛力さんは、「やっぱりギャップか(笑い)」と納得の表情を浮かべる。

 最後に剛力さんと山崎さんが考える、今作をより楽しく鑑賞するアイデアを提案してもらうと、山崎さんは「柊聖と葵の目線に立つのが一番いいと思いますね。同居がテーマなのですごく近い距離だし、一緒にテレビを見て笑ったりだとか、テレビを見ているシーンはないですけど(笑い)、そういう日常の幸せみたいなものを感じてもらえたらいいなと思います」と主役2人の目線に立つことを提案。剛力さんは「描かれている出来事は葵にとっては特別だけど、日常の中で過ぎていく小さな幸せみたいなものもあると思います。いろんな目線で見られ、恋愛はもちろん男女の友情もしっかり描かれているところを見ていただけたらうれしいです」といい、「“伝えることの大切さ”というのが伝わったらいいなと思います。やっぱりストレートな恋愛映画なので、まずは何も考えずにときめいてもらえたらうれしいです」と王道のラブストーリーに胸キュンしてほしいと語った。映画は全国で公開中。

 <剛力彩芽さんのプロフィル>

 1992年8月27日生まれ、神奈川県出身。2008年~13年5月にティーン向けファッション誌「Seventeen」の専属モデルとして活動。11年にフジテレビ系ドラマ「大切なことはすべて君が教えてくれた」で本格的に女優デビューを果たす。13年にはNHK大河ドラマ「八重の桜」に出演したほか、フジテレビ系ドラマ「ビブリア古書堂の事件手帖」でゴールデンタイム枠のドラマで初主演を務めた。映画「カルテット!~Quartet!~」(三村順一監督)では第21回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。昨年6月には歌手活動も開始し、今年2月に2枚目のシングル「あなたの100の嫌いなところ」を発売した。

 <山崎賢人さんのプロフィル>

 1994年9月7日生まれ。東京都出身。2010年放送のテレビ朝日系ドラマ「熱海の捜査官」で連続ドラマ初出演を果たし、11年公開の映画「管制塔」では初主演を務める。以降、映画今日、恋をはじめます」「麒麟の翼~劇場版・新参者~」(12年公開)などの話題作に出演。 13年放送の日本テレビ系ドラマ「35歳の高校生」での演技が高い評価を受ける。日本テレビ系で4月から放送中のドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」に出演中。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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